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需給主導の急伸どこまで続くか、CPIに潜むリスク


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27141.18;+903.76TOPIX;1902.46;+47.85


[後場の投資戦略]

 前日に発表された米9月CPIは前年同月比+8.2%と8月(+8.3%)からは減速したものの、予想(+8.1%)を上回り、前月比では+0.4%と予想(+0.2%)を大幅に超過。さらに、FRBが重視する食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比+6.6%
と8月(+6.3%)から大きく加速し、予想(+6.5%)も上回った。また、前月比の伸びは+0.6%と予想(+0.5%)を超過し、大幅な伸びとなった。CPIの3割と最大の割合を占める住居費(家賃等から構成)だけでなく、食品や医療の分野でも強い伸びが見られた。特に、食品は前月比+0.8%と2カ月連続で高い伸び率となり、前年同月比では+11.2%と著しく高い伸びとなった。

 総じてネガティブな結果となったが、数値が高過ぎるが故に皮肉にもコアCPIのピークアウト感が台頭し、株式市場では売り方の買い戻しが主導する形で日米ともに大幅反発となっている。米国では、来週末21日にオプション取引に係る特別清算指数算出
(SQ)を迎える。CPIの発表前から株価指数や個別株ともに記録的な水準にまでショート(売り持ち高)が積み上がっていたことを踏まえると、米物価指標イベントを通過したあく抜け感もあり、来週末にかけては、相場は短期的には戻りを試す展開が続きそうだ。

 ただ、今晩の米株式市場ではJPモルガン・チェース、モルガンスタンレー、ウェルズ・ファーゴなどの金融大手の決算を控えている。景気後退懸念が強まるなか、貸倒引当金の積み増しなどの動向が注目され、内容次第では今後本格化する7-9月期決算への警戒感が強まりかねず、早ければ週明けから相場のリバウンドは小休止する可能性もあろう。

 また、CPIについてはコア指数の方ばかりが注目されているが、石油輸出国機構(OPEC)プラス会合での日量200万バレル規模の減産が決まってから、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト)原油先物価格(11月物)の上昇・高止まりが続いている。現在は、1バレル=90ドル前後での推移となっているが、市場では、90ドル台半ばまで上昇すれば、CPIが再び9.0%台に乗せる可能性があるとの指摘も聞かれている。エネルギーインフレは終わったものとされ、コア指数ばかり注目されるが、今後再びCPI総合の方が警戒要素として台頭する可能性があろう。

 今後、冬季シーズンを迎えるに伴い、暖房使用などを通じてエネルギー需要は一段と高まってくる。欧州では、今冬を乗り越える分の備蓄は確保できたとされているが、今冬はラニーニャ現象に伴い厳冬になる可能性もあり、予断を許さない。想定以上の厳冬となり、備蓄消費が速く進めば、仮に今冬は乗り切れたとしても、ロシアへの経済制裁が続くなか来季への警戒感が高まり、年明け以降に再びエネルギー危機が到来する可能性もあろう。

 日経平均は本日前引け時点で900円を超える大幅反発。10月半ば以降は株式市場が上昇しやすいという季節要因や前述した需給要因もあり、短期的には戻りを試す展開も考えられるが、上述した背景もあり、まだ安心するには早かろう。日経平均は累積売買代金が積み上がっている27500円あたりで戻り待ちの売りが膨らみやすい点などにも注意しておきたい。
(仲村幸浩)
<AK>
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