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「グロースシフト」で日本株はまた蚊帳の外?


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;29107.98;+89.65TOPIX;1958.01;-5.56


[後場の投資戦略]

 FOMC直後は持ち高調整の売りに押され下落した日経平均だが、本日は値がさグロース株を中心に買いが優勢となっている。ただ、海運株が揃って急落するなど景気敏感株は売りがかさんでおり、東証株価指数(TOPIX)は0.28%の下落。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、日経平均も寄り付きを高値に伸び悩む展開を強いられている。ここまでの東証1部売買代金は1兆3000億円ほどと低迷しているわけではないが、個別株の値動きが出ている割には膨らんでいない感もある。新興市場ではマザーズ指数が0.85%の上昇。本日新規上場したEnjin<7370>は公開価格を5割強上回る初値を付けた。従前のIPO銘柄の好調ぶりはなお遠いが、16日上場の全研本社<7371>が伸び悩んだ後だけに安心感のある結果。全研本社はFOMC前の手控えムードが影響した可能性もありそうだ。

 日本株に限らず、各商品ともFOMC直後の持ち高調整の動きが一巡すると、その後の方向感が徐々に見えてきた。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ懸念への対応に軸足を置く姿勢を示してきたこともあり、期待インフレ率の指標である米10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は15日の2.38%から17日には2.27%まで低下。期待インフレ率の高まりに後押しされる形で上昇してきた長期金利も一転低下した。

 また、改めて「経済改善ペースのピークアウト」が意識されている面もあるようだ。前日発表された米経済指標では先週分の新規失業保険申請件数が増加したほか、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数が予想以上に低下。また、イギリスではインドで確認された変異ウイルスの感染が急速に拡大するなど、足元でも気掛かりな動きが出てきた。

 これらを踏まえ、トレードの流れは「リフレ」から「グロース」へ傾いてきた。本日の東京市場での取引状況を見てもそれは鮮明だ。しかし、こうした流れは景気敏感色が強い日本株への海外投資家の関心をより高めにくくするだろう。日本株全体としては、前日予想したとおり「下値こそ堅いが上値は期待しづらい」状況が続くとみておきたい。

 さて、政府は沖縄を除く9都道府県で20日に新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」を解除することを正式に決定した。東京五輪・パラリンピックも有観客・無観客を巡ってなお議論が行われているが、ひとまず開催の流れとなっているもよう。ワクチン普及と経済活動の再開、さらに五輪開催で内閣支持率が上向き、9月の衆院解散・総選挙で与党が勝利するというシナリオを描くストラテジストが多い。もっとも、海外メディアでも有観客での五輪開催による感染者数の増加を懸念する報道が見られるだけに、海外投資家が素直に再評価材料と受け止めるかはやや疑問がある。コロナ対策を巡って感情的なしこりが大きくなっているだけに、内閣支持率が上向くかも慎重に見極める必要があるだろう。

 度々指摘しているが、我々が欧米の政治情勢をニュースで知るのと同様に、海外投資家は海外メディアの報道を通じて日本の政治情勢を知る。当面は内閣支持率の推移などを睨み様子見姿勢の海外投資家が多くなるかもしれない。

 ただ、こと政界内の動きに関して言えば、目前に迫った東京都議会議員選とその後の衆院選に向けた与党の準備は着々と進んでいる感がある。誌面の都合で続きはまた次回以降としたい。
(小林大純)
<AK>
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