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「需給の荒波」に乗るかどうか


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;19129.21;+1036.86TOPIX;1402.78;+69.68

[後場の投資戦略]

 前日の当欄で指摘したとおり、日米の金融緩和強化の効果は強烈だ。米国では24日、経済対策への期待も加わり、NYダウが過去最大の上げ幅を更新。日本では日経平均が連日で1000円超の大幅高となっている。前日は日経平均の上げ幅が1204円高に達したのに対し、東証1部銘柄の18%が値下がりしていたが、本日は値上がり銘柄のすそ野が広がっている印象。値上がり率上位銘柄などを見ると、典型的なショート(売り持ち)銘柄に買い戻し圧力がかかっていることが背景にあると考えられる。東京五輪・パラリンピックが1年程度延期されることになったが、ホテル・旅行会社等の観光関連株は「中止されなかっただけまし」と言わんばかりに連日でストップ高を付けている。

 とはいえ先週、ファンドの資金流出に伴う持ち高解消の動きが出てから、需給主導で乱高下している感は拭えない。上げ相場では「悪材料出尽くし」「新型コロナウイルス終息後の回復期待」といった講釈がつけられやすいが、全世界の新型コロナ感染者数は日本時間25日に40万人を超えるなど急ピッチで増加中。終息時期はなお見通せておらず、経済成長見通しを下方修正する動きも続いている。企業の事業環境を巡る不透明感が払拭されたわけではない。

 金融市場の一角でも米モーゲージ債(不動産担保証券)のスプレッド(上乗せ金利)が急拡大していることなどが警戒されており、危機の芽は残る。金融緩和強化による株式相場の底上げや、ファンドの持ち高解消に伴う「需給の荒波」に乗るかどうか、慎重に検討したい。
(小林大純)


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