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日経平均は大幅反落、米国株の大幅安受けてセンチメント悪化、PBR1倍水準もあっさり割る展開に


 日経平均は3日ぶり大幅反落となった。676.57円安の20652.55円(出来高概算7億7105万株)で前場の取引を終えた。前日の米国株式市場では、カリフォルニア州全域に非常事態宣言を発動するなど、米国でも新型コロナウイルスの感染拡大ペースの加速が報告されると、経済や企業業績に悪影響を与えるとの一段の懸念が広がったことで主要3指数は揃って大幅に反落。シカゴ日経225先物清算値は大阪比580円安の20790円となり、本日の日経平均は前日終値からギャップダウンスタートとなった。前場中ごろから開始されたアジア株式市場も総じて売りが先行しており、海外短期筋による225先物などへの断続的な売りが続いた。為替も1ドル=105円台に入るなど円高が急速に進んでいる。東京市場は全面安商状になるなか、日経平均の下げ幅は600円を超えた。

 セクター別では、東証33業種が揃って下落するなか、とりわけ鉄鋼や証券・商品先物取引業の下げが目立った。売買代金上位銘柄では、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自動車<7203>、三菱UFJ<8306>、ソニー<6758>、三井住友<8316>、オリエンタルランド<4661>、東京エレクトロン<8035>、みずほ<8411>、武田薬<4502>、キヤノン<7751>、KDDI<9433>、ソフトバンク<9434>が下落。一方で、検討していた米「スピードウェイ」の買収を断念したことが伝わった7&iHD<3382>は財務負担懸念が後退したことで5%高になったほか、引き続き新型ウイルス予防用ワクチン開発に対する期待感からタカラバイオ<4974>も逆行高に。

 本日の日経平均は寄り付きから前引けまでほぼ一本調子で下げ続け、下値のメドとして意識されていたPBR1倍にあたる20800円どころもあっさりと割ってきた。昨日発表された投資部門別売買状況では、外国人投資家が現物で3656億円の売り越しと、現物の売り幅を前週から一気に一ケタも増やしてきた。今までは新型コロナ関連のニュースで下げてきた時は押し目買いスタンスを取ってきた外国人投資家も、南米や北米を含めて感染者の広がりがいよいよ本格化してきたのを受けて、事態収束のメドが予想外に先だと捉え始めたようだ。

 先物手口では、アップルショックがあった2月半ば以降、差し引き(日中取引)で売り越しを継続していたJPモルガンが昨日もTOPIX先物で3000枚の売り越し、売り単体では、11000枚を超える大量の売りを出している。この2月半ばの同時期から同社が組成している主要な日本株に投資する「JPモルガンベータビルダーズ日本ETF」(@BBJP/U)では、資金流出額が、2018年6月の設定以来最大となる事態も観測されていた。昨日の売りもこうしたところの動きが継続してのことだろう。また、TOPIX先物では、ゴールドマンも昨日、単体で9000枚超の大きな売りを出している。

 一方、225先物の手口では、日経レバ経由の買いとみられる野村證券の買い越しが昨日は確認されている。昨日発表された投資部門別売買状況でも、個人投資家は現物で3164億円の買い越しを見せており、上述した外国人投資家とは反対に買い越し幅を増やしてきている。しかし、前場の日経平均はPBR1倍とされる20800円どころを遂に割ってきている。こうなってくると、当面は厳しい展開が予想され、個人の押し目買い意欲も失せてくる可能性がある。この先のニュースフローの深刻さによっては、節目の20000円に迫る場面もあるだろう。こうした有事の時こそ、安定した経営に基づく財務基盤良好かつ高ROIC(投下資本利益率)な良質銘柄などに厳選した投資を行いたい。

 ただ、一方で、感染者のピークアウトなどを示唆するニュースが一度でれば、これまで下げ足が速かった分、反発で戻すのも早いとも考えられる。そのため、総じて引き続き材料次第では上下どちらにも大きく振れる可能性が高いため、同限月のコールとプットを同金額・同枚数保有する「ストラドルの買い」や「ストラングルの買い」といったオプション戦略を活用していきたいところだ。
(仲村幸浩)


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