
60歳以降でも国民年金に「任意加入」できる
国民年金の強制加入期間は原則として20歳以上60歳未満です。ただし、60歳までに保険料を納めた月数が480月(40年)に届かず、老齢基礎年金を満額受け取れない人などは、一定の条件を満たせば60歳以降も国民年金へ任意加入できます。
日本国内に住む人の場合、基本的な対象は60歳以上65歳未満で、老齢基礎年金の繰上げ受給をしておらず、納付月数が480月未満、さらに厚生年金や共済組合などに加入していない人です。
例えば、20代のころに数年間の未納期間があり、そのまま60歳を迎えた場合、満額に足りない月数の範囲で任意加入し、保険料を納めることで老齢基礎年金を増やすことができます。
2026年度は1ヶ月納めると、年金年額が約1765円増える
2026年度の国民年金保険料は月額1万7920円です。日本年金機構の案内では、60歳以上65歳未満の任意加入で保険料を1ヶ月分納めると、2026年度の場合、老齢基礎年金の年額は1765円増える例が示されています。
たとえば12カ月分を追加で納めれば、単純計算では年額約2万1180円増えるイメージです。実際の年金額は加入記録や年度ごとの年金額改定などによって変わるため、正確な見込額は「ねんきんネット」や年金事務所で確認しましょう。
支払った保険料と増える年金額だけを単純比較すると、長く年金を受け取るほど追加納付の効果が積み上がります。ただし、生活資金とのバランスや受給開始時期なども考えて判断することが大切です。
任意加入はさかのぼってできない
任意加入を検討するときに重要なのが、原則として「申し出た月から」の加入になることです。60歳になってから数年たって「やはり払いたい」と思っても、過去の60歳以降の期間へさかのぼって任意加入することはできません。
そのため、年金記録を確認して満額に不足していることが分かった場合は、できるだけ早めに任意加入できる条件を確認するのがよいでしょう。加入月数が480月に達すると、それ以上は通常の任意加入を続けることはできません。
厚生年金に入って働いている人は原則として対象外
60歳を過ぎていても会社員として厚生年金に加入している場合は、国民年金の任意加入を重ねて行うことはできません。厚生年金に加入している期間は、老齢基礎年金や老齢厚生年金の計算に関係するためです。
また、すでに老齢基礎年金を繰上げ受給している人も任意加入の対象外です。任意加入を希望する場合は、年齢だけでなく現在の年金加入状況や受給状況を確認する必要があります。
65歳を過ぎても特例で加入できる場合がある
通常の任意加入は65歳になるまでですが、65歳になっても老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていない人のうち、一定の生年月日要件を満たす人には、70歳になるまで加入できる特例があります。
ただし、これは「満額に近づけるためなら誰でも70歳まで払える」という制度ではありません。あくまで老齢年金を受け取るために必要な受給資格期間を満たしていない人を対象とした特例です。
まとめ
60歳になると国民年金の強制加入は原則として終了しますが、老齢基礎年金が満額に届かない場合は、60歳以上65歳未満の間に任意加入して年金額を増やせることがあります。2026年度は、任意加入で1ヶ月分の保険料1万7920円を納めると、年金年額が1765円増える例が示されています。
ただし、任意加入は原則として申し出た月からで、過去にさかのぼることはできません。母親の年金額が満額ではないと分かったら、まず「ねんきんネット」などで未納・未加入期間を確認し、任意加入の対象になるか年金事務所で相談するとよいでしょう。
出典
日本年金機構 任意加入制度
日本年金機構 あと少しで年金を受け取れる方へ(国民年金任意加入のご案内)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
