
10年前のトヨタ株は現在の基準で「約1200円」
トヨタは2021年に、株式1株を5株にする株式分割を実施しています。株式分割を考慮して現在と同じ基準に調整すると、10年前のトヨタ株は1株1200円程度でした。一方、現在は1株3000円程度です。
100万円分購入していたら?
トヨタ株を10年前に100万円分購入していたらどうなっていたのでしょうか。手数料などを考慮せず、株式分割後の基準で1株1200円として計算すると、当時購入できた株式の数は次のとおりです。
・100万円÷1200円=約833株
現在の株価を約3000円とすると、約250万円分となります(3000円×833株)。つまり、元本100万円に対して、約150万円の含み益が出ている計算です。
配当金はいくらもらえる?
トヨタ株の魅力の1つに、配当金を挙げる人もいるでしょう。トヨタの2026年3月期の年間配当金は、1株あたり95円でした。先ほどの約833株を現在も保有している場合、受け取れる配当金は次のとおりです。
・833株×95円=7万9135円(税引前)
100万円で購入した株が約250万円まで値上がりし、さらに配当金を年間8万円程度を受け取れると考えると、「売らずに持ち続けたい」と思う人がいても不思議ではありません。
ただし、配当金は将来にわたって95円が保証されているわけではありません。業績や経営環境、会社の配当方針などによって増減する可能性があります。
トヨタには「株主優待」もある
トヨタには株主優待制度もあります。2026年度の株主優待では、3月末時点で100株以上保有している株主が対象です。
100株以上の場合、継続保有期間が1年未満なら500円分、1年以上3年未満なら1000円分、3年以上なら3000円分のTOYOTA Wallet残高が進呈されます。
さらに、保有株式数や継続保有期間にかかわらず、対象となる株主はレースのペアチケットなどが当たる抽選に応募できます。配当金に加えて株主優待が受けられる点は、長期保有を考える人にとって魅力の1つでしょう。
ただし、株主優待についても、将来の内容が保証されているわけではありません。
今からトヨタ株を買うのは遅い?
10年前に約1200円だった株が約3000円になっていると、「もう上がりきったのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、過去より株価が高いという理由だけで、今後上がらないと判断できません。もちろん、「トヨタなら今後も上がり続ける」と考えるのにも注意が必要です。
株価は、企業の業績だけでなく、景気、為替、金利、関税、原材料価格、自動車市場の競争環境などさまざまな要因によって変動します。仮に3000円で購入した株が2400円まで下落すれば、20%の値下がりです。
反対に、株価が上がればその分の含み益が発生します。今後の株価がどうなるかは誰にも分からないため、「早い」とも「遅い」とも断言はできないでしょう。
今から購入するなら一括投資だけが選択肢ではない
10年前の100万円が約250万円になったと聞けば、まとまった資金をトヨタ株へ投資したくなるかもしれません。しかし、過去10年間の値上がりが、これからの10年間も繰り返される保証はありません。
例えば、最初から全額を購入するのではなく、購入時期を複数回に分ける方法があります。また、トヨタ株だけに資産を集中させるのではなく、異なる業種の株式や投資信託などへ分散することも選択肢です。
購入時期や投資先を分散しても損失を完全に防げるわけではありませんが、1つの銘柄に資産を集中させるリスクは抑えやすくなります。
まとめ
10年前のトヨタ株は、現在の株式分割後の基準でおおむね1株1200円程度でした。10年前に100万円分購入した場合は約833株となり、現在の株価を約3000円とすれば、評価額は約250万円です。
さらに、2026年3月期の年間配当実績である1株95円で計算すると、833株なら年間約7万9000円の配当金に相当します。
今後の株価は誰にも分かりませんが、今から購入するのであれば、過去の値上がりだけで判断せず、業績や配当方針、今後の成長性などを確認したうえで、購入時期や投資先を分散することも検討するとよいでしょう。
出典
トヨタ自動車株式会社 配当金について
トヨタ自動車株式会社 株主優待について
執筆者 : 三浦大幸
2級ファイナンシャルプランニング技能士/ITパスポート/日商簿記3級/第一種衛生管理者/証券外務員/英検2級など
