
1. 市場概況
2023年度の人事・総務関連業務アウトソーシング市場規模(主要14分野計)は、事業者売上高ベースで前年度比5.9%増の11兆6,631億円であった。
内訳を見ると、シェアードサービス市場(シェアードサービスセンター、学校法人業務アウトソーシング)が前年度比1.9%増の5,780億円、人事業務アウトソーシング市場(給与計算アウトソーシング、勤怠管理ASPサービス、企業向け研修サー ビス、採用アウトソーシング (RPO)、アセスメントツール)が同4.8%増の1兆655億円、総務業務アウトソーシング市場 (従業員支援プログラム(EAP)、健診・健康支援サービス、福利厚生アウトソーシング、オフィス向け従業員サービス)が同4.1%増の3,040億円、人材関連業務アウトソーシング市場 (人材派遣、人材紹介、再就職支援)が同6.3%増の9兆7,156億円 で、人材関連業務アウトソーシング市場が全体の8割超を占めている。
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2.注目トピック~間接業務を社内に残したくないという“丸投げ需要の拡大”が、市場成長の追い風に
アウトソーシングサービスの導入範囲に関しては、企業の間接業務の一切を社内に残したくない、社内の人的リソースを一切使いたくないというサービス提供事業者に業務を丸投げする傾向が年々高まる方向にある。
以前から行われてきた業務システムのアウトソーシングに加えて、人を介したBPO業務を外注化する動きが活発となっており、戦略人事の観点からシステムとBPOを組み合わせて業務の最適化を図るようになっている。
また、大企業へのアウトソーシングサービス導入が進展し、一巡しているような分野の市場では、営業アプローチの矛先が大企業から中堅・中小企業にシフトするなどサービス導入対象の裾野が拡大していることも、マーケット拡大の強力な追い風となっている。
3.将来展望
近年の大きな動きとしては、社員による内製化を主体としてきた日系の大企業において、ベテランの人事担当者の定年退職等に合わせて外注化機運が高まっていることがある。
加えて、既にアウトソーシングサービスを導入している企業のリピート発注や、提供サービス内容の深耕、中堅・中小企業を中心としたアウトソーシングサービス未導入企業までサービス需要の裾野が拡大している。
こうした流れを受けて、サービス参入事業者は日系の大企業や中堅・中小企業をターゲットとした需要取り込みを強化しており、マーケットのさらなる拡大が期待できる状況にある。
なかでも、中堅・中小企業のアウトソーシングサービス需要は、この事業規模の企業がリーズナブルに利用できるクラウドサービスの登場に合わせるかたちで急速に顕在化しており、マーケットを活性化する大きな役割を果たしている。この流れは、近年の人事・総務関連業務アウトソーシング市場において、継続かつ広がっていく様相を呈していることから、マーケットをけん引する成長ドライバーとして今後も注目される。
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調査要綱
1.調査期間:2025年1月~3月
2.調査対象: 人事・総務関連業務アウトソーシングサービスを提供する主要事業者等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、電話・eメールによるヒアリング、ならびに文献調査併用
4.発刊日: 2025年3月26日
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