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大麻ベースのカンナビノイド医薬品「サティベックス」の医療従事者および患者向け添付文書を和訳。会員限定サイトにて提供開始。



日本臨床カンナビノイド学会(理事長:新垣実、新美会新垣形成外科)は、我が国の医療従事者に対して大麻草に関する科学的根拠(エビデンス)に基づく情報を提供するため、海外の学術団体などのレポートの翻訳を会員有志で実施しています。今回は、大麻をベースとしたカンナビノイド医薬品「サティベックス」の添付文書の和訳を会員限定サイトにて3月1日から公開します。

Sativex(サティベックス)とは、イギリスGW製薬が発売する世界初のGMP/GCP準拠のカンナビノイド医薬品です。

多発性硬化症(MS)患者の神経因性疼痛、痙縮、過活動膀胱、ほかの症状の緩和に用いられ、特許取得済みのカンナビノイド口腔用スプレーです。

有効成分は、大麻草由来のTHC(テトラヒドロカンナビノール)とCBD(カンナビジオール)を含有した医薬品で、2005年にカナダで多発性硬化症(MS)の痛み改善薬として承認を受けました。1スプレーにつき、2.7mgのTHCと2.5mgのCBDの一定用量が投与されます。現在、世界で20カ国以上の国の医療現場で使用されています。

本学会にとってカンナビノイド医薬品という重要な情報源であることから、先に会員限定公開されているエピディオレックス(CBD医薬品)とともに、サティベックスの添付文書の和訳をしました。添付文書には、医師向けと患者向けがありますが、両方とも和訳しています。

大麻をベースとした医薬品および医療用大麻については、世界的な麻薬規制の影響から、科学的証拠(エビデンス)がまだまだ少ないことが問題視されています。その中で、本添付文書は、発売から10年以上経ており、用法・用量、効果、有害反応、薬物相互作用など、現時点での信頼性の高いエビデンスを見ることができます。

下記の学会サイトの最新情報ページを参照ください。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/

注意事項:
学会会員限定サイトでの閲覧となります。よって、閲覧には本学会の会員となる必要があります。
本件のカンナビノイド医薬品が日本で未承認薬として医師が輸入可能かどうかの確認はしておりません。



【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000190334&id=bodyimage1


カンナビノイド医薬品エピディオレックス(Epidiolex):
GW製薬の米国子会社Greenwich Biosciencesが開発した難治性てんかんの一種であるレノックス・ガストー症候群(LGS)またはドラベ症候群に関連する発作の治療のための抗てんかん薬(AED)である。Δ9-THCをほとんど含まず、CBD含有率が高い大麻草のクローン株からCO2抽出された植物性原液(BDS)から作られたものであり、1本100ml中に10000mg(10%濃度)のCBDを含有する。2歳以上の患者を対象とし、20mg/kg/日を標準摂取量としている。

Δ9-THC:
デルタ9-テトラヒドロカンナビノール。121種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、最も向精神作用のある成分。いわゆるマリファナの主成分として知られている。

CBD:
カンナビジオール。121種類ある大麻草の独自成分カンナビノイドのうち、向精神作用のない成分で、てんかんの他に、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、神経性疼痛、統合失調症、社会不安、抑うつ、抗がん、吐き気抑制、炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、クローン病、心血管疾患、糖尿病合併症などの治療効果を有する可能性があると報告されている。2019年1月24日のWHO/ECDD(依存性薬物専門家委員会)から国連事務総長あてのレターでは、純粋なCBDは国際薬物規制の対象外であると勧告している。

日本の大麻取締法(1948年制定):
大麻取締法による規制によって、製薬会社がつくるカンナビノイド医薬品及びハーブ(薬草)利用としての医療用大麻のどちらも違法であり、臨床試験の研究目的ですら認められていない。
日本政府の公式見解は、平成28年の第190回国会(常会)質問主意書及び答弁書に詳しい(下記参照)。
https://www.nippon-yakushokuken.com/diet_190/

日本臨床カンナビノイド学会:
2015年9月に設立し、学会編著「カンナビノイドの科学」(築地書館)を同時に刊行した。同年12月末には、一般社団法人化し、それ以降、毎年、春の学術セミナーと秋の学術集会の年2回の学会を開催している。2016年からは、国際カンナビノイド医療学会;International Association for Cannabinoid Medicines (IACM)の正式な日本支部となっている。2018年7月段階で、正会員(医療従事者、研究者)67名、賛助法人会員11名、 賛助個人会員22名、合計100名を有する。
http://cannabis.kenkyuukai.jp/


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