~培地の乾燥および器内の汚染リスクを低減し、より再現性の高い細胞培養環境の実現を目指す~
東京--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --PHCホールディングス株式会社 (本社:東京都千代田区)傘下のPHC株式会社 バイオメディカ事業部(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村 伸朗、以下「PHCbi」)は、このたび、製薬企業及び研究施設・医療機関向けに、実験の再現性を高め、安定した細胞培養環境の実現を目指したCO2インキュベーター「MCO-233AICUVHX-PJ」を開発しましたので、お知らせいたします。本製品は、2025年9月3日(水)から5日(金)まで幕張メッセで開催される「JASIS2025分析機器・科学機器総合展」に参考出展し、2025年11月に国内で販売開始予定です。




細胞遺伝子治療をはじめとする、細胞医薬品の研究開発が進展する中で、細胞の品質と安全性を確保するために、より高精度な細胞培養技術が求められています。特に、幹細胞やがん細胞など、培養環境変化に敏感な細胞を扱う研究や、生体内環境に近い条件の再現を必要とする3D細胞培養などの高度な手法においては、理想的な培養環境の維持が不可欠です。なかでも、培地の乾燥や結露による汚染は、細胞の品質や増殖に悪影響を及ぼし、実験の再現性を損なう要因となります。そのため、細胞培養に使用されるCO2インキュベーターには、培地の乾燥や汚染リスクを抑えつつ、細胞にとって最適な培養環境を安定的に提供できる性能が求められています。
このたび開発した「MCO-233AICUVHX-PJ」は、95%±5%の安定した高湿度環境を実現する従来の加湿水の自然蒸発方式による加湿機能に加え、独自の加熱蒸発方式を採用した加湿制御機能「アクティブ加湿システム」を新たに搭載したCO2インキュベーターです。この2種類の加湿方式を組み合わせることで、培養環境のさらなる安定化を図り、より再現性が高い細胞培養環境を実現します。
<本製品の特長>
扉開閉後の湿度回復を高速化し、培地の乾燥リスクを抑制
「アクティブ加湿システム」は、器内湿度を80~90%に制御可能な加湿制御機能です。培養中の扉の開閉による湿度低下を迅速に検出して加湿を行うことで、従来の加湿機能との併用により、湿度の回復速度を従来機種(*1)の約2倍に向上させます。これにより、培養環境の変動を抑え、特に低容量マイクロプレートを使用した培養で課題となる、プレート辺縁部の培地の乾燥リスクを低減する効果が期待できます。
多面的アプローチで汚染リスクを徹底抑制
「アクティブ加湿システム」による加湿制御により、器内に熱源となる分析機器などを設置した際の結露の発生リスクを抑制します。さらに、抗菌効果の高い銅合金ステンレス製の内装や、UV-LEDによる加湿水の殺菌、培養後の過酸化水素による器内除染など、複数の機能を組み合わせることで、器内の汚染リスクを多面的に低減します。
湿度ログ取得によるトレーサビリティの強化と利便性向上
湿度センサーにより、培養時の湿度表示やログデータが取得可能となり、実験の再現に欠かせないトレーサビリティを強化します。さらに、当社が提供するIoTラボ管理ソリューション「LabSVIFTTM」(*2)と接続することで、機器の稼働データをクラウドに連携することができます。これにより、パソコンやモバイル端末を介して、遠隔地からリアルタイムで機器のパフォーマンスを一元管理することが可能です。
PHCbiは、1984年にCO2インキュベーターを国内で発売して以来、約40年間にわたり、高精度な細胞培養を実現するための革新的な技術の開発に取り組んできました。今回の新製品は、培養機器のハイエンドモデルとして位置づけ、製品ラインアップの強化を目的に開発されました。
PHC株式会社で取締役及びバイオメディカ事業部長を務める高魚 力は、次のように述べています。
「当事業部は昨年、研究用ライブセル代謝分析装置『LiCellMo™』(*3)を発売し、細胞遺伝子治療分野へ本格参入いたしました。中でも、CO2インキュベーターは、再生医療や細胞治療を含む細胞医薬品の研究開発を支える重要な製品の一つです。今回の新製品は、独自の加湿制御機能を新たに搭載することで、培地の乾燥や結露による器内汚染リスクを抑え、最適な培養環境を維持できるよう設計されています。本製品の導入によって、高精度な細胞培養を実現し、実験の再現性向上と研究効率の改善に貢献できるものと確信しています。当社は、これからも研究・医療現場の課題に真摯に向き合い、その解決に繋がるソリューションを提供することで、最先端のライフサイエンス研究とモダリティ(治療手段)の進化に貢献してまいります。」
【JASIS2025分析機器・科学機器総合展 開催概要】
会期:2025年9月3日(水)~5日(金)
会場:幕張メッセ国際展示場(PHCbiブース番号: 6A-401)
公式サイト: JASIS 2025|最先端科学・分析システム &ソリューション展
(*1)MCO-230AICUVH
(*2)www.phchd.com/jp/biomedical/monitoring-system/LabSVIFT
(*3)ライブセル代謝分析装置 (LiCellMo) | バイオメディカ機器 | PHC株式会社
<PHC株式会社・バイオメディカ事業部について>
1969年に設立されたPHC株式会社は、グローバルヘルスケア企業として事業を展開するPHCホールディングス株式会社(コード番号6523 東証プライム)の日本における事業子会社です。ライフサイエンス事業を担うバイオメディカ事業部では、事業ブランド「PHCbi」を掲げ、超低温フリーザーやCO2インキュベーターをはじめとした研究・医療支援機器及びサービスの提供を通じて、約110の国と地域における研究者と医療従事者への支援に取り組んでいます。
www.phchd.com/jp/biomedical/about-phcbi
<PHCホールディングス株式会社について>
PHCホールディングス株式会社(証券コード 6523 東証プライム)は、健康を願うすべての人々に新たな価値を創造し、豊かな社会づくりに貢献することを経営理念に掲げるグローバルヘルスケア企業です。傘下にPHC株式会社やアセンシア ダイアベティスケアホールディングス、エプレディアホールディングス、株式会社LSIメディエンス、ウィーメックス株式会社、メディフォード株式会社などを置き、糖尿病マネジメント、ヘルスケアソリューション、診断・ライフサイエンスの事業領域において、開発、製造、販売、サービスを行っています。2024年度のグループ連結売上収益は3,616億円、世界125以上の国と地域のお客様に製品・サービスをお使いいただいています。PHCグループはPHCホールディングス株式会社とその事業子会社の総称です。
www.phchd.com/jp
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PHC株式会社 バイオメディカ事業部マーケティング部
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