-- 取引総額は約5億ユーロとなり、このうち約1億2500万ユーロが契約一時金および短期マイルストーン --
-- プリドピジンの欧州およびその他特定市場における商業化権はフェラーに帰属。プリレニアは北米、日本、アジア太平洋地域におけるプリドピジンの完全な商業化権および開発権を保持--
-- 同地域での共同開発契約により、ハンチントン病や筋萎縮性側索硬化症ならびに今後の適応症におけるプリドピジンのさらなる使用拡大をサポート --
-- ハンチントン病に対するプリドピジンの使用は現在、欧州医薬品庁(EMA)で審査中であり、2025年後半にCHMPの見解が出る予定 --
オランダ、ナールデン&マサチューセッツ州ウォルサム--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --ハンチントン病(HD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者に対する科学的卓越性と進歩の加速への揺るぎないコミットメントを原動力とするバイオ医薬品企業のプリレニア・セラピューティクスB.V.は、欧州およびその他の特定市場におけるプリドピジンの商業化およびさらなる開発に関し、フェラーと提携およびライセンス契約を締結したことを発表しました。プリドピジンは、強力かつ高い選択性を有する経口投与可能なシグマ-1受容体(S1R)アゴニストであり、HDやALSなどの神経変性疾患においてしばしば障害を受ける主要な神経保護メカニズムを制御するように設計されています。


この契約に基づき、プリレニアは約8000万ユーロの契約一時金と最大4500万ユーロの開発・規制・商業上の短期マイルストーンを受け取ることになります。契約総額は、契約一時金およびマイルストーン支払金で最大約5億ユーロとなるほか、プリレニアは純売上高に対して段階的に2桁のロイヤルティを受け取ります。プリレニアとフェラーは、HD以外の適応症についても同地域でプリドピジンを共同開発し、拡大するための資金を提供することに合意しました。プリレニアは、北米、日本、アジア太平洋地域を含む他の主要市場においてプリドピジンの全権利を保持することになります。
プリレニアのCEOであるマイケル・R・ヘイデン博士は「世界中の神経変性疾患の患者に革新的な治療法を提供するという共通の使命を果たすために、フェラーと提携できることを誇りに思います」と述べ、「フェラーは、希少疾患に対する革新的製品に特に重点を置き、欧州および主要な国際市場において、すでに大きな存在感を示しています。両社独自の強みとこれらの患者コミュニティに対する共通のコミットメントを組み合わせることで、このパートナーシップは、新たな治療選択肢を待ち望んでいる何千人もの人々へのプリドピジンの提供を加速し、今後さらなる適応症を通じてその影響力を拡大できるものと確信しております」と続けました。
フェラーのマリオ・ロビローサCEOは次のように述べています。「プリレニアとの今回の合意は、アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療のニーズ)の高い疾患にパイプラインの開発を集中させながら、社会正義のために闘うビジネスを活用するという当社の目的を引き続き実現できることを意味します。両社の強みと能力を組み合わせることで、十分な治療を受けられていないこのような疾患に苦しむ患者の未来が明るくなります」
フェラーのマリオ・ロビローサCEOの最高科学・事業開発責任者であるオスカー・ペレス氏は「この分子の権利獲得は、神経変性領域における当社の研究戦略にとって極めて重要なステップとなります」と述べ、「プリドピジンの作用機序を考慮したうえで、当社では様々な適応症への使用可能性を追求することに全力を注いでいます」と結んでいます。
プリドピジンについて
プリドピジン(45mg、1日2回)は、強力かつ高選択的で経口投与可能なシグマ-1受容体(S1R)アゴニストであり、HDやALSなどの神経変性疾患においてしばしば障害を受ける主要な神経保護メカニズムを制御するように設計されています。i
広範なHD開発プログラムにおいて患者や家族のQOLに影響を与える疾患の主な特徴(機能、認知、運動能力など)を有効な評価方法により測定したところ、プリドピジンの効果は最長2年間持続することが良好な安全性プロファイルとともに実証されています。
プリレニアは、HD治療薬としてのプリドピジンの承認申請を欧州医薬品庁(EMA)に提出しました。当社のMAAは受理され、2025年後半に欧州医薬品評価委員会(CHMP)から見解が示される見込みです。これは、HDの病勢進行に影響を与える可能性のある治療薬の承認を求める初めての申請です。
また、プリレニアは米国でのHD治療におけるプリドピジンの次の段階を決定するため、米国食品医薬品局(FDA)と協議を続けています。承認された際には、HD患者にプリドピジンを提供できるよう、引き続き迅速に取り組んでいくことになります。
ALSについては、プリレニアとフェラーは、第2相HEALEY ALSプラットフォーム試験の結果を確認するために、プリドピジンを評価する極めて重要な第3相単一試験を開始する予定です。
プリレニアのピリドピジンは、米国および欧州において、HDおよびALSの希少疾病用医薬品指定を受けているほか、HD治療薬としてFDAのFast Track指定も受けています。
ハンチントン病について
ハンチントン病(HD)は、常染色体優性のまれな遺伝性神経変性疾患であり、機能的、運動的、認知的、行動的症状をもたらします。ハンチントン病は、ハンチンチン遺伝子の突然変異によって引き起こされ、ハンチントン病を持つ親を持つ子どもは50%の確率で発症します。
HDは、世界中で約10万人が罹患しており、さらに30万人がHDを発症するリスクを持っています。i,ii通常、30歳から50歳の間に診断されますが、小児や若年成人を含め、どの年齢でも発症する可能性があります(若年発症HDまたはJHDとして知られています)。この疾患は15年から20年かけてゆっくりと進行し、患者は仕事やコミュニケーション、日常生活の管理、身の回りのことが徐々にできなくなります。障害が増えるにつれ、介護者に全面的に依存するようになり、最終的には死に至ります。
現在可能とされるHDの治療は、症状の緩和と緩和ケアのみであり、全体的な進行に影響を与えるものはありません。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)について
ALSはルー・ゲーリッグ病または運動ニューロン病とも呼ばれ、世界中で約35万人が罹患している慢性進行性の神経変性疾患です。
ALS患者では、筋肉にメッセージを伝える脳と脊髄の運動ニューロンが変性し、脳と筋肉のコミュニケーションに影響が生じます。これにより筋肉が衰え、麻痺が進行します。患者は歩行や会話、食事、呼吸の能力を急速に失い、介護者に完全に依存するようになります。診断後の平均寿命は2~5年です。
ALS患者の大部分(~90%)は家族歴がなく、約10%は遺伝性の遺伝子変異によって発症します(しばしば家族性ALSと呼ばれます)。ALSの原因遺伝子の一つとして、シグマ-1受容体(S1R)タンパク質をコードする遺伝子が発見されました。この遺伝子の変異によりS1Rの機能が完全に失われると重度の若年性ALSとなり、S1Rの機能が部分的に不完全になると成人発症型ALSとなります。
プリレニアについて
プリレニアは、ハンチントン病(HD)と筋萎縮性側索硬化症(ALS)に苦しむ人々のために、科学的卓越性と進歩の加速への揺るぎないコミットメントを原動力とする民間のバイオ医薬品企業です。当社の使命は、非常に深刻なな神経変性疾患を抱える人々のために、革新的な医薬品を開発し、持続可能なアクセスを提供することです。
プリレニアは米国、カナダ、欧州、イスラエルで事業を展開しています。同社はオランダで設立され、大手ライフサイエンス投資家の支援を受けています。
詳しくはwww.prilenia.comをご覧ください。また、LinkedInまたはX(Twitter)よりご連絡ください。
プリレニアの将来の見通しに関する声明
本プレスリリースに記載されているプリレニアの声明のうち、歴史的事実でない事項については、将来の見通しに関する記述であることにご留意ください。これらの声明は、当社の現在の見解および予想に基づいているものです。このような将来予想に関する記述には、プリドピジンの開発の進展および商業化、プリドピジンの潜在的な利益および価値、ならびに本提携による潜在的な利益および成果に関する記述が含まれますが、これらに限定されるものではありません。将来予想に関する記述は、将来に関するものであるため、本来の不確実性、リスク、および将来予想に関する記述によって想定されるものとは大きく異なる可能性のある状況の変化の影響を受ける可能性があり、これらは過去の事実に関する記述でも、将来の業績を保証または確約するものでもありません。実際の結果が将来の見通しに関する記述と大きく異なるものとなりうる重要な要因には、臨床開発、薬事承認および商業化プロセスにおける不確実性が含まれます。プリレニアは読者に対し、これらの将来予想に関する記述を過度に信頼しないよう注意を促しています。これらの記述は、現時点においてのみ述べられるものであり、同社はそれ以降に生じる事象または発生する状況を反映する記述を更新する義務を負わないものとします。
©2025 Prilenia Therapeutics B.V.
このリリースのコピーについては、プリレニアのウェブサイトwww.prilenia.comをご覧ください。
i Medina et al., Prevalence and Incidence of Huntington's Disease: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis(ハンチントン病の有病率と発症率:最新の系統的レビューとメタ分析). Mov Disord. 2022 Dec;37(12):2327-2335.
ii Jiang, A., Handley, R. R., Lehnert, K., &Snell, R. G. (2023). From Pathogenesis to Therapeutics: A Review of 150 Years of Huntington’s Disease Research(発症機序から治療法まで:ハンチントン病研究150年のレビュー). International Journal of Molecular Sciences, 24(16), 13021. https://doi.org/10.3390/ijms241613021
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