カツマキソマブは、2024年10月の会議において欧州医薬品庁のヒト医薬品委員会(CHMP)から肯定的な意見を受けており、承認された場合、悪性腹水に対する唯一の承認薬となる
カツマキソマブの発売に向けたすべての活動をファーマノビアが主導
カツマキソマブは同社初のモノクローナル抗体であり、特殊医薬品分野への継続的な進化が示される
イングランド、バジルドン--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --新薬の商業化や、既存の医薬品のライフサイクルの再活性化、延長、拡大を行うグローバル製薬企業のファーマノビアは、悪性腹水の治療薬であるカツマキソマブに関する新たなライセンス契約を締結し、がん治療ポートフォリオを拡大したことを発表しました。
この契約によりファーマノビアは、カツマキソマブの市場展開における独占的権利を取得します。カツマキソマブは、初のトリファンクショナル二重特異性モノクローナル抗体であり、全身的ながん治療が適用できない、上皮細胞接着分子(EpCAM)陽性のがんを持つ成人の悪性腹水に対する腹腔内治療に使用されます1。悪性腹水とは、主に進行期のがんに起因して腹腔内に異常な液体貯留の状態を指します。
最高科学責任者のスティーブン・ディーコン博士は、次のように説明しています。「カツマキソマブの魅力的な点は、その新しいターゲット型アプローチです。この二重特異性(抗-EpCAM x 抗-CD3)のトリファンクショナル抗体は、従来のモノクローナル抗体と二重特異性分子の特性を兼ね備えています2。これは、EpCAMを発現する腫瘍細胞に直接結合し、その後、患者自身の免疫系を活性化させることで腫瘍細胞を破壊します。」
悪性腹水は希少な疾患であり、特に卵巣がん、膵がん、胃がんで多く見られ、全症例の20〜50%に発生しています。3
ファーマノビアの最高経営責任者(CEO)であるジェームズ・バート博士は、次のようにコメントしました。「私たちの使命は、革新的で改良された医薬品を必要とする患者に提供することであり、今回の契約はその完璧な例となっています。私たちは、がんサポーティブケアにおいて重要な役割を果たすことができる、これまでに承認されていたものの現在は利用不可能なファースト・イン・クラスの薬を有しています。リンディス・バイオテックとのこのパートナーシップを通じて、カツマキソマブを市場に再導入し、規制当局の完全な承認を受けたうえでその状況を変えていきたいと思っています。私たちは、新規化学物質(NCEs)の分野での強力な能力を活かし、この重要な治療薬を患者のもとに届けられることに大きな期待を寄せています。」
「私たちは、ヨーロッパでのカツマキソマブの商業化の支援に向けてファーマノビアと提携できることを大変嬉しく思います。両社は、同治療法がこの困難な疾患に直面している患者の生活に与える深い影響を強く信じており、カツマキソマブができるだけ多くの人々に行き届くよう全力を尽くすという、揺るぎない使命を掲げています」と、リンディス・バイオテックの最高経営責任者(CEO)であるホルスト・リンドホーファー博士は述べました。「ファーマノビアはサポーティブケアへの注力、広範なヨーロッパでの基盤、そしてがん分野における高い専門知識を有していることから、私たちにとって理想的なパートナーです。膀胱がんのような高いアンメット・メディカル・ニーズのある他の適応症においてもパイプラインをさらに拡大していくと同時に、共に協力していくことを楽しみにしています。」
ハンブルク大学医療センター(UKE)の腫瘍内科・血液内科部長であるカーステン・ボケマイヤー教授は、次のように述べています。「悪性腹水の臨床管理は、医療分野において依然として苦痛を伴う課題です。残念なことに、現在に至るまで悪性腹水(MA)に対する一般的に受け入れられたエビデンスに基づく治療ガイドラインや具体的な管理推奨は存在しておらず、患者の負担を軽減して生活の質を向上させる進展はほとんど見られていません。したがって、特定の腫瘍を標的とした治療法としてのカツマキソマブが利用可能になることは、この困難な状況にある患者にとって明らかな利点です。カツマキソマブは穿刺の必要性を減らし、生活の質を向上させ、さらに一部のケースでは寿命を延長させることが見込まれています。」
カツマキソマブは、2024年10月の欧州医薬品庁(EMA)のヒト医薬品委員会(CHMP)会議において肯定的な意見を受けており、2024年末までにEUでの販売承認が期待されています。承認された場合、悪性腹水の特異的かつがんを標的とした治療において唯一の承認薬となります。
ファーマノビアについて
ファーマノビアは、ライフサイクル・マネジメントを行うグローバル・ヘルスケア企業です。当社の目的は、世界中の患者様の生活を向上させるために、明日に適した医薬品を作ることです。
私たちは、確立された医薬品を再発見、再用途化、または再設計したり、新しい医薬品を市場に投入したりすることで、患者の治療成果と体験を向上させています。
当社は世界160か国以上において多様で成長を続けるチームとともに、内分泌学、神経学、心血管疾患、腫瘍学という4つの主要治療分野において、希少および既存の病気・疾患の両方に対し倫理的かつ持続可能な方法で高品質なソリューションを提供しています。
リンディス・バイオテックについて
リンディス・バイオテックは、Triomab®抗体の開発に注力する臨床段階のバイオ医薬品企業です。Triomab®抗体は、新しいクラスのT細胞を活性化する二重特異性トリファンクショナル抗体で免疫系を強化し、悪性がんを管理可能な状態へ、場合によっては治癒可能な疾患に変えることが期待されています。
カツマキソマブについて
カツマキソマブは、標準治療が利用できない、または実施不可能なEpCAM陽性がんを持つ成人の悪性腹水の治療のために、元々は2009年4月20日に「Removab」というブランド名でEUにおいて販売承認を取得していました。同薬は、初のT細胞エンゲージャー型トリファンクショナル抗体であり、世界で初めて悪性腹水(MA)の治療に特化した承認薬となっており、その後、2,000人以上の患者を対象に安全性と抗腫瘍効果が実証されています。同製品は2014年以降市場で販売されておらず、2017年6月2日に商業的理由によりEUでの販売が中止されました。
10月17日、リンディス・バイオテック株式会社は、ヒト用医薬品委員会(CHMP)からKORJUNY®(カツマキソマブ)に関する肯定的な意見を受けました。
カツマキソマブは、EpCAMとCD3の2つの抗原に結合することで、がん細胞とT細胞の間に橋を形成し、効果的にがん細胞を破壊します。これにより、T細胞とがん細胞が接近し、T細胞ががん細胞を破壊できるようになります。また、Fc-γレセプター陽性の免疫細胞(例えば単球やマクロファージ)にも結合して活性化することで、がん細胞を攻撃・破壊するだけでなく、体の免疫系がワクチン効果を誘発する可能性も高めます4,5。
参考文献
1https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/korjuny
2https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC2840231/
3参照: BMJ(英国医師会雑誌)https://spcare.bmj.com/content/13/e3/e1292
4https://www.ema.europa.eu/en/documents/overview/removab-epar-summary-public_en.pdf
5アタナコヴィッチ他。「Human Vaccines &Immunotherapeutics」第9巻第12号、1~10頁、2013年。https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23955093/
COR2024PR00400 - 2024年11月。
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