第2四半期におけるマネージド・サービスの年間契約額(ACV)は32%増、XaaSの支出は1%増
シドニー--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --世界有数の技術調査・顧問会社であるインフォメーション・サービシズ・グループ(ISG) (Nasdaq:III )の最新の業界状況報告書によると、マネージド・サービスに対する需要の復活を背景に、アジア太平洋地域のIT・ビジネスサービスに対する支出が2年ぶりに50億米ドルを突破しました。
年間契約額(ACV)が500万米ドル以上の商業アウトソーシング契約を測定するアジア太平洋地域ISGインデックス(Asia Pacific ISG Index™)によると、第2四半期のACVは市場全体(クラウドベースのXaaSとマネージド・サービスの合計)で前年同期比8%増の50億米ドル強となりました。7四半期ぶりに50億米ドルの大台を超え、3四半期連続で前年同期を上回る結果となりました。
第2四半期の成長は主にマネージド・サービス市場の復活によるものです。マネージド・サービス市場のACVは前年同期比32%増の14億米ドルとなり、同地域としては過去12年間で最高の四半期となりました。前四半期(2024年第1四半期)と比べても、ACVは34%増加しています。この前年同期比および前四半期比はいずれも、10億ドル超の力強い数値と比較したものです。
当四半期のマネージド・サービス契約件数は81件で、前年同期比37%増、前四半期比23%増となりました。500万米ドルから2,000万米ドルの小規模案件が年間で44%増加したことが、契約件数の増加に繋がりました。また、契約再構築のACVは過去最高となる5億4,800万米ドルに達し、前年同期比163%増となりました。
クラウドベース・サービスに対する需要は36億ドルと1%増加した一方、ACVは前四半期(2024年第1四半期)比で8%減となりました。XaaSは3四半期連続でプラス(この間の平均成長率は前年同期比18%増)で推移しており、5四半期連続のマイナス(平均で20%の下落)から脱却しています。
「アジア太平洋地域における伝統的なIT・ビジネスサービスに対する需要の高まりは、依然として不透明な経済状況下でコスト最適化に引き続き注力していることを示しています」と、 ISGのアジア太平洋地域担当パートナー兼リージョナル・リーダーであるマイケル・ゲイルは述べています。「企業が生成AIの大規模導入を実現すべくデータモダナイゼーションに注力するなか、深刻な低迷に陥っていたクラウドベース・サービスが再び上昇を見せ始めています。」
マネージド・サービスのうち、ITアウトソーシング(ITO)のACVは、インフラの一括提供、アプリケーション開発・保守(ADM)サービス、データセンター・サービスに対する底堅い需要が牽引し、8%増の10億ドル強となりました。一方、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)は、顧客エンゲージメント、ファシリティマネジメント、人事、エンジニアリング研究開発(ER&D)サービスの3桁成長が牽引し、前年同期比237%増の3億6,700万米ドルと急速な増加をみせています。
地域別でみると、マネージド・サービスに対する需要の増加は韓国、中国、日本で際立っており、とりわけ中国および日本市場はともに過去最高の四半期となる3桁成長を達成しています。一方、アジア太平洋地域の2大市場であるオーストラリア・ニュージーランド(ANZ)とインドは、この四半期にANZが30%減、インドが4%増と、反対の動きを見せています。
業種別でみると、当四半期は製造業、通信、エネルギーが総じて増加した一方、銀行・金融サービス・保険(BFSI)、旅行、運輸が減少しました。
XaaS部門のACVは、サービスとしてのインフラストラクチャー(IaaS)が32億ドルと横ばいで推移した一方、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)は8%増の4億3,000万ドルとなりました。
上半期実績
アジア太平洋地域における市場全体のACVは前年比19%増の99億米ドルとなり、アジア太平洋地域の需要がピークに達した2022年上半期と比較して20%減少した2023年上半期から、劇的な好転をみせています。
マネージド・サービスのACVは前年同期比26%増の約25億米ドルで、上半期として過去最高を記録しました。ITOのACVは約5%増の17億米ドルとなり、BPOのACVは126%増の7億7,300万米ドルに急増しています。
業種別では、BFSIにおけるマネージド・サービスのACVが前年(上半期累計)比43.5%増となり、製造業が17%減となったのを除き、その他の大半の業種も前年比で大幅に増加しています。
クラウド分野でみると、XaaSのACVは17%増の75億米ドルとなりました。IaaSは18%増の66億米ドル、SaaSは13%増の8億7,800万米ドルとなっています。
2024年の予測
ISGは、通期のマネージド・サービスの収益成長率予測を4月から100ベーシス・ポイント減の2%に、XaaSの収益成長率予測を4月の15%から14%にそれぞれ引き下げています。
「IT・ビジネス・サービス市場では依然として不透明な状況が続いており、裁量的な支出を押し上げる明確な兆候は今のところみられません」と、ISGの社長兼最高AI責任者(CAIO)であり、ISGインデックスのグローバルリーダーを務めるスティーブ・ホールは述べています。「重要なBFSIセクターの企業活動は、長期金利の高止まり状態が続いているため依然として低迷しており、市場全体の成長に影響を及ぼしています。企業は概ねコストの最適化に引き続き注力しており、AIの力強い成長がIT・ビジネスサービス業界の根本的な弱さを覆い隠しているものとみられます。」
ISGインデックスについて
ISGインデックス(ISG Index™)は、世界的な技術・ビジネスサービス業界に関する市場インテリジェンスの権威ある情報源として認められています。87四半期連続で、金融アナリスト、企業バイヤー、ソフトウェア・サービスプロバイダー、法律事務所、大学、メディア向けに最新の業界データと動向を詳しく伝えてきました。ISGインデックスの詳細または、2024年第2四半期決算に関するウェブキャストの視聴とプレゼンテーションスライドのダウンロードについては、こちらのウェブページをご覧ください。
ISGについて
ISG(インフォメーション・サービシズ・グループ)(Nasdaq:III)は、世界有数の技術調査・顧問会社です。世界のトップ100社のうち75社以上を含む900社以上のクライアントに信頼されているビジネス・パートナーであるISGは、企業、公共部門の組織、サービス・プロバイダーと技術プロバイダーが業務の卓越性とより迅速な成長を達成できるよう支援することに尽力しています。当社はデジタル変革サービスを専門としており、これらのサービスにはAI/自動化/クラウド/データ分析、調達の助言、ガバナンスとリスクのマネージド・サービス、ネットワーク通信事業者向けサービス、戦略と運用のデザイン、変更管理、市場インテリジェンスと技術の調査・分析が含まれます。2006年に設立され、コネティカット州スタンフォードを拠点とするISGは、1,600人超のデジタル対応専門職を雇用しています。これらは20か国以上で業務を展開しており、革新的な考え方、市場への影響力、業界と技術に関する深い専門知識、業界で最も包括的な市場データに基づく世界トップクラスの調査・分析能力で知られる世界的チームです。詳細についてはwww.isg-one.comをご覧ください。
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