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ますます多くの上場企業が気候変動対策に取り組むものの、地球温暖化を1.5℃に抑える目標期限はせまる


  • 今日、世界の上場企業の半分近くが脱炭素目標を設定するものの、地球温暖化を1.5℃に抑えるための目標を達成しているのは17%のみ
  • 地球温暖化を1.5℃に抑えるための上場企業のグローバル排出枠、2026年10月に期限を迎える
  • 世界の非上場企業の分析によると、炭素集約度は上場企業よりも低いレベル

ニューヨーク--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 気候変動対策へのコミットメントを示すグローバルでの上場企業の数は今年増加したものの、MSCIオールカントリー・ワールド・インベスタブル・マーケットインデックス(ACWI IMI)の企業による気候変動対策の進捗を示すMSCIネットゼロ・トラッカーの最新版によれば、その目標値は網羅性と意欲において大きく異なっています1。ネットゼロ・トラッカーにより、気候変動対策へのコミットメントの増加し、情報開示の改善しつつも、炭素排出は増加を続けるという、上場企業におけるトレンドが明らかになっています。

現在、上場企業の半数近く(44%)が脱炭素目標を設定しており、この数値は2022年10月公表のMSCIネットゼロ・トラッカーでの数値より8パーセントポイント高くなっているものの、これは必ずしもそれらの企業すべてが炭素集約度に適切な対応を取っていることを意味するものではありません。バリューチェーン全体に渡っての炭素排出をパリ協定の地球温暖化1.5℃目標に沿ったものとできているのは、気候変動対策目標を設定する上場企業の17%のみである状況です。

企業による自発的および必須での気候変動対策開示基準が近々導入される可能性があり、様々なより多くの取り組みが行われている中、ネットゼロ排出達成を目標としているのは、公開されたすべての目標すべてのうち3分の1以下(30%)にとどまっています。

グローバル投資コミュニティ向け重要意思決定支援ツールおよびサービスの大手プロバイダーであるMSCIにより本日発表されたネットゼロ・トラッカーでは、地球温暖化を1.5℃に抑えるためのグローバルでの上場企業におけるカーボンバジェットの割り当てが2026年10月までに枯渇するものと見られており、これは以前MSCIが2022年10月に予測したものより2か月早まっています。

上場企業らは、今年の大気中への直接的なスコープ1の温室ガス排出量を2022年から変更のない11.2ギガトン分を削減するという目標に向けた取り組みを続けており、一方でさらなる二酸化炭素削減へのコミットメントを表明しています2。これにより、今後の排出見込みと現在の気候変動対策へのコミットメントの分析によると、Implied Temperature Rise指標を基準として、地球は今世紀中に2.7℃温暖化することになります。

気候変動を重視したポートフォリオを目指す投資家がこれらの企業を評価するに当たり、情報開示レベルにおける改善がありました。現在3分の1以上(35%)の上場企業がサプライヤーまたは消費者による製品の利用から発生するスコープ3の排出を報告するようになり、この値は昨年10月より5パーセントポイント上昇しています。

炭素集約度はしばしば、上場企業に比べ非上場市場での方が高いとみなされるものの、MSCIの推計ではその逆となっています。MSCI ESG Research and Burgiss3のデータによれば、最も排出量の高い業界5つのうち4つで、非上場企業の炭素排出量推計が上場企業に比べ少なくなっています。

上位5位の業界グループ(公共事業、原材料、エネルギー、運輸、および食糧・飲料・たばこ)において、上場企業の平均推計炭素集約度は非上場企業より76%高くなっています。

これは、機関投資家のプライベートエクイティ、債券、実物資産のポートフォリオにおける非上場企業への資金提供が、ほぼ1億5000万トンにおよぶ二酸化炭素の排出に寄与していることになります4

非上場企業への投資の排出属性は、非上場企業がより低い炭素集約度の副次産業に位置することが多いため、セクターに見られるトレンドに沿って後押しされます。例えば、機関投資家による非上場企業への投資の累計市場価値の47%が情報技術およびヘルスケアセクターの2つであるものの、これらのセクターによる排出量は全体の6%のみとなっています。対照的に、エネルギー、原材料、公共事業セクターは非上場企業市場価値総額の6%のみとなっているものの、推計でファイナンスド・エミッションの半分近くを占めています。

MSCIのClimate Change Investment Research部門エグゼクティブディレクターであるシルバイン・バンストン氏は、「最近の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価統合報告書の内容は、明快なものです。予想された通り、そして計測できる通り、気候変動は現実のものであり、完全なる破滅のリスクはここにきて非常に現実的なものとなりました。上場企業による、肝心な気候変動対策の目標達成に向けた大きな進捗が見られているものの、MSCIネットゼロ・トラッカーが気候変動対策へのコミットメントと炭素排出の間には大きなギャップが残ったままであることを明らかにしています。

投資家にとって自明となるのは、今日遷移のリスクに対応しなければ、明日重大かつ取り返しのつかない物理的なリスクに直面するということであり、さらに、求められている実存的な変化を後押しするにあたり果たせる役割があるということです。投資家は、アセットアロケーション、グリーン・インベストメント、経営層や施政者との関わりなどの戦略的なテコを用い、企業をネットゼロへの軌道に乗せるだけでなく、その周囲で活動する事業者を同じ水準に引き上げるのに必要な法規制を奨励していくべきです。

このレポートは、目標達成までの期限が迫っているにもかかわらず、私たちは、地球温暖化を1.5℃に抑えるために乗るべき軌道に乗っていないことを明確に示しており、上場企業および非上場企業は緊急で行動を起こす必要があります」と述べています。

MSCIについて

MSCIは、グローバルな投資コミュニティに意思決定支援ツールおよびサービスを提供する大手企業です。リサーチ、データ、テクノロジーにおける50年以上の専門的経験をもとに、リスクとリターンの主な要因をクライアントが理解し分析できるよう、そしてより自信のある効率的なポートフォリオの構築を支えることで、より優れた投資判断を可能にしています。同社は、クライアントが用いることで投資プロセスにおける知見を得、透明性を改善できるよう、業界をけん引するリサーチによる強力なソリューションを生み出しています。

MSCI ESG Research Products and Servicesについて

MSCI ESG Research LLCのMSCI ESG Research products and servicesは、環境、社会、ガバナンスに関連するビジネス慣行についての詳細な調査、格付け、分析を世界中の企業に提供しています。MSCI ESG Research LLCのESG評価、データ、分析は、MSCI ESG指数の構築にも利用されています。MSCI ESG Research LLCは、1940年投資顧問法に基づく登録投資顧問であり、MSCIの子会社です。

詳細は、ウェブサイトmsci.comをご覧ください。

編集者向け注記

12023年3月31日時点

2 ギガトン=10億トン。

3 2022年9月30日時点のMSCI ESG Research and Burgissによるデータ分析に基づく。Burgissは、オルタナティブ投資のためのデータおよび調査のグローバルプロバイダーです。

4このプライベートアセットによる排出推計は、所有権が機関投資家から政府と合わせその他公共および民間企業へと広がる非上場資産すべてを網羅したカーボン・フットプリントを含んでいません。世界の上場企業は、今年の直接的(スコープ1)二酸化炭素排出の112億トン削減に向け、順調に進捗しています。

手法

MSCIのImplied Temperature Riseモデル(内包的温度上昇モデル)は、気候変動の影響の先進的な計測手法であり、現状の温室効果ガス排出と予想排出傾向に基づき、摂氏温度で企業またはポートフォリオによる温暖化進行の推計を示します。

同モデルは、考慮される企業またはポートフォリオと同じカーボンバジェットの過不足を経済全体が継続した場合の二酸化炭素排出基準の今世紀の平均的な地球の気温変化を示しています。

本レポートは異なるデータに依存するものの、本レポートでの上場企業の累計内包的温度上昇の予想は、各国政府による気候変動コミットメントによる、これを達成するための政策および対応が完全に実行された場合のその地球温暖化の予想と類似したものとなっています。

MSCI Implied Temperature Riseモデルは、企業の最新の脱炭素目標および排出データを反映させ2週間おきに再計算され、四半期ごとに財務データの更新を反映させるものです。また、時間の経過とともにモデルは進化していきます。

このプレスリリースには、1995年証券民事訴訟改革法で定める将来予測に関する記述が含まれています。将来予測に関する記述は、将来の出来事または成績に関するものであり、実際の結果や成績が大きく異なるものとなるリスクがあり、過度に依拠するべきものではありません。結果または成績に影響する可能性のあるリスクは、MSCIのアニュアルレポートで12月31日が締め日となった最直近会計年度のSECへの10-K様式の申告書としてまとめてあります。MSCIは、いかなる将来予測に関する記述の更新を行いません。ここに示す情報は、一切の投資助言ではなく、そうしたものとして依拠されるべきではありません。MSCIは、適切なライセンスなく、その商品またはサービスを利用する権利またはライセンスを認めません。MSCIは、ここに示す情報に関する商品適格性、特定目的適合性またはその他に関し一切の明示的、暗示的表明を行わず、法で認められる最大限の限度においてあらゆる責任から免責となります。

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