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武田薬品のオンコロジー部門が第62回米国血液学会(ASH)年次総会で血液がん治療におけるリーダーシップを示す



− オンコロジー領域で5件の口頭発表を含む22件のアブストラクトを発表し、血液がん患者さんの生活を向上させるという当社の揺るぎない約束を実証

米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社TSE:4502/NYSE:TAK)(「武田薬品」)は本日、2020年12月5~8日にバーチャル開催される第62回米国血液学会(ASH)年次総会で、企業スポンサー研究のアブストラクト22件を報告すると発表しました。当社がASHで発表する科学研究は、血液がんの治療を前進させるための当社独自の手法を明らかにするものであり、患者さんのニーズに合わせた変革的なソリューションを開発して提供するという当社のコミットメントの例証となります。また本総会で武田薬品は、血液疾患の分野における当社の広範なポートフォリオおよびパイプラインに関するデータも発表します。



武田薬品Oncology Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリス・アーレントは、次のように述べています。「今年のASHで、武田薬品のオンコロジー研究開発部門が報告する最新データは、既存の治療パラダイムを転換し、白血病やリンパ腫、骨髄腫などの血液がん患者さんの深刻なニーズに応える真に斬新な手法を研究するという当社のコミットメントを浮き彫りにします。がんの治療法を探究する当社の活動は、限定的な治療選択肢か有効でない治療選択肢を持つ患者さんを含め、すべての患者さんに命を救う医薬品を提供するという当社の約束に突き動かされています。」


発表する主要なデータは下記の通りです。



  • ペボネジスタット: 第2相Pevonedistat-2001試験のサブ解析結果を口頭発表セッションで報告します。本試験の高リスク骨髄異形成症候群(MDS)サブグループの転帰に着眼した解析で、ペボネジスタット+アザシチジンの併用療法が、アザシチジン単独療法と比較して、骨髄抑制を増強することなく、無イベント生存期間の延長、奏功期間の延長、急性骨髄性白血病への転化の遅延をもたらすことが示されました。またペボネジスタット+アザシチジンの併用療法の安全性プロファイルは、アザシチジン単独療法の場合と同等でした。転帰不良にもかかわらず、高リスクMDSの治療で過去10年間に目新しい進歩は見られず、安全性プロファイルが良好で骨髄抑制を悪化させない有効な治療薬が必要となっています。


  • アイクルシグ(ポナチニブ): アイクルシグのOPTIC試験の中間解析から得られたデータを口頭発表セッションで報告します。本データは、第3世代のチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)であるアイクルシグにつき、第2世代(2G)TKIによる治療が失敗した抵抗性の慢性期慢性骨髄性白血病(CP-CML)患者(変異の有無不問)で、奏功に応じた投与レジメンにて使用した場合に、本薬のベネフィット/リスク効果が改善することを際立たせるものです。別の口頭発表は、2G後のTKIという条件で評価する患者集団として最大規模となるPACE試験およびOPTIC試験の患者を対象とするプール化サブ解析を取り上げます。CP-CMLは多くの場合に管理可能ですが、2G TKIによる治療の失敗を経験し、特に治療抵抗性の患者の場合、長期転帰は不良となっており、CP-CML患者のケアが依然として不十分なものであることを浮き彫りにしています。


  • ニンラーロ(イキサゾミブ): TOURMALINE-MM2試験の結果を口頭発表セッションで報告します。本試験は、移植非適応の初発多発性骨髄腫患者でレナリドミド+デキサメタゾンの併用療法にニンラーロを追加した場合の検討を行うようにデザインされています。本試験で統計的有意性のしきい値は満たされず、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は達成されませんでしたが、ニンラーロの追加により全体的なPFSの中央値が13.5カ月延長されることが示されました。細胞遺伝学的に高リスクの事前設定拡大サブグループでは、PFS中央値がプラセボ群の18.0カ月に対し、ニンラーロを追加した場合は23.8カ月に達しました。初発多発性骨髄腫患者にとって、経口薬のみの承認済み治療選択肢が現時点で存在しないため、プロテアソーム阻害薬を基盤とする新たな治療選択肢が必要となっています。


  • アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン): リンパ腫のフロントライン治療としての第3相試験2件の5年フォローアップデータをポスター発表で取り上げます。未治療のステージ3/4ホジキンリンパ腫に対するアドセトリスとドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジンの併用療法(アドセトリス+AVD)の評価を行ったECHELON-1試験のデータは、フォローアップ期間の延長に伴い、現在の標準治療であるABVDと比較してAVDにアドセトリスを追加した場合、病期、国際予後指標のリスク因子スコア、PET2ステータスと無関係に、強固で持続的な治療効果がもたらされることを実証しています。CD30陽性末梢性T細胞リンパ腫患者に対するフロントライン治療で標準治療との比較でアドセトリスとCHP(シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン)の併用療法(アドセトリス+CHP)の評価を行ったECHELON-2試験の良好な最終解析結果も報告します。ECHELON-1試験およびECHELON-2試験におけるアドセトリスの安全性プロファイルは、化学療法との併用療法で確立しているアドセトリスの安全性プロファイルと一致するものでした。


発表が受理されたオンコロジー領域のアブストラクトは下記の通りです。


注記: 記載された時間はすべて太平洋標準時です


ペボネジスタット


アイクルシグ(ポナチニブ)


多発性骨髄腫


アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)およびリンパ腫


ペボネジスタットについて


ペボネジスタットは、特定のタンパク質の修飾を妨げるファーストインクラスのNEDD8活性化酵素(NAE)阻害剤です。ペボネジスタットによる治療は、白血病を含むがんで細胞周期進行と細胞生存を阻害し、細胞の死滅をもたらします。ペボネジスタットとアザシチジンの併用療法は、前臨床試験で抗腫瘍活性を示し、AML患者での第1相試験では良好な忍容性と有望な臨床活性を示しました。ペボネジスタットは現在、移植または集中的導入化学療法に不適格(非健康)なHR-MDS、HR-CMML、AML患者に対するファーストライン治療としての第3相試験で評価中であり、また非健康なAML患者での第2相試験でアザシチジンおよびベネトクラクスとの3剤併用療法にて検討中です。


アイクルシグ(ポナチニブ)錠について


アイクルシグはBCR-ABL1を標的とするキナーゼ阻害剤です。BCR-ABL1は慢性骨髄性白血病(CML)とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病(Ph+ ALL)で発現する異常なチロシンキナーゼです。アイクルシグはコンピューターと構造に基づく医薬品設計プラットフォームを使用して開発されたがん分子標的治療薬であり、特別にBCR-ABL1およびその変異体の活性を阻害するように設計されています。アイクルシグは、ネイティブのBCR-ABL1に加え、最も抵抗性の強いT315I変異を含め、治療抵抗性のあるBCR-ABL1変異すべてを標的とします。アイクルシグは承認済みのTKIとして唯一、BCR-ABL1のゲートキーパー変異T315Iに対し作用します。同変異は承認済みの他のあらゆるTKIに対する抵抗性と関連しています。アイクルシグは、2016年11月にFDAより完全承認を取得しました。アイクルシグの適応は、慢性期/移行期/急性転化期のCMLまたはPh+ ALLを患い、他のTKI療法が適応とならない成人患者と、T315I陽性CML(慢性期、移行期、急性転化期)またはT315I陽性Ph+ ALLの成人患者の治療となります。アイクルシグは、初発慢性期CML患者の治療を適応としておらず、同患者の治療薬として推奨されません。


重要な安全性情報(米国向け)


注記がある場合を除き、第2相試験の48カ月フォローアップ解析(N=449)に基づく。


警告:動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性


完全な枠組み警告については処方情報の全文をご覧ください。



  1. アイクルシグ(ポナチニブ)による治療を受けている患者の35%以上で、致死的な心筋梗塞、脳卒中、脳大動脈の狭窄、重度の末梢血管疾患、緊急の血行再建術を必要とする事態を含め、動脈閉塞が発現しています。50歳未満の患者を含め、心血管リスクを持つ患者も持たない患者もこれらのイベントを経験しました。血管閉塞が発現した場合はアイクルシグを即座に中断ないし中止します。リスクとベネフィットの検討に基づき、アイクルシグ治療を再開するかどうか決定します。


  2. 静脈血栓塞栓症がアイクルシグ治療を受けた患者の6%で発現しています。血栓塞栓症の証拠につきモニタリングします。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者ではアイクルシグの用量調節または中止を検討します。


  3. 死亡例を含む心不全がアイクルシグ治療を受けた患者の9%で発現しています。心機能をモニタリングします。心不全が新規発症ないし悪化した場合はアイクルシグを中断ないし中止します。


  4. 肝毒性、肝不全、死亡がアイクルシグ治療を受けている患者で発現しています。肝機能をモニタリングします。肝毒性が疑われる場合はアイクルシグを中断します。


警告および注意


動脈閉塞:枠組み警告に記載された動脈閉塞イベントが患者の35%で報告されており、これらの患者は第1相試験および第2相試験のいずれにも存在しました。第2相試験では、アイクルシグ治療を受けた患者の33%(150/449例)が心血管(21%)、末梢血管(12%)、脳血管(9%)の動脈閉塞イベントを経験し、一部の患者は複数種類のイベントを経験しました。致死的イベントと生命を脅かすイベントは治療開始から2週間以内に1日15 mgの低用量で発現しています。アイクルシグは再発性または多部位の血管閉塞をもたらす場合もあります。患者はこれまで血行再建術が必要でした。最初の動脈閉塞イベントが発現するまでの期間の中央値は193~526日にわたりました。心血管リスク因子を持つ患者も持たない患者も、約50歳以下でも、これらのイベントを経験しています。これらのイベントで最も多く観察されたリスク因子は、高血圧、高脂血症、心疾患の病歴でした。動脈閉塞イベントは年齢が高いほど、虚血、高血圧、糖尿病、高脂血症の病歴を持つ患者ほど、多く発現しました。動脈閉塞イベントの発現が疑われる患者ではアイクルシグの投与を中断または中止します。


静脈血栓塞栓症:静脈血栓塞栓症イベントが患者の6%で発現し、発現率は5%(CP-CML)、4%(AP-CML)、10%(BP-CML)、9%(Ph+ ALL)でした。イベントには深部静脈血栓症、肺塞栓症、表在性血栓性静脈炎、視力喪失を伴う網膜静脈血栓症が含まれます。重篤な静脈血栓塞栓症が発現した患者では、アイクルシグの用量調節または投与中止を検討します。


心不全:致死的ないし重篤な心不全または左心室機能不全が、第2相試験における患者の6%で発現しています。最も一般的な心不全イベント(それぞれ患者の3%)は、うっ血性心不全および駆出率低下でした。心不全と一致する兆候や症状につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与中断を含む処置を施します。重篤な心不全が発現した場合は投与中止を検討します。


肝毒性:肝毒性イベントが患者の29%で観察されています(11%がグレード3~4)。重度の肝毒性はあらゆる患者コホートで発現しています。BP-CMLまたはPh+ ALLの患者3人が死亡しており、1人がアイクルシグの投与開始から1週間以内に劇症肝不全で、2人が急性肝不全で死亡しました。最も多かった肝毒性の種類はASTまたはALTの上昇(全グレードが54%、グレード3~4が8%、フォローアップの最終日までに回復しなかった症例が5%)、ビリルビン上昇、アルカリフォスファターゼ上昇でした。肝毒性イベントが発現するまでの期間の中央値は3カ月でした。肝機能検査値をベースライン時に、その後は少なくとも月1回、または臨床上の必要に応じて、モニタリングします。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。


高血圧症:治療下における収縮期/拡張期血圧の上昇が、患者の68%で発現しています。うち12%が重篤で、高血圧性クリーゼを含むものでした。患者は錯乱、頭痛、胸痛、息切れを伴う高血圧症の場合、緊急の臨床的介入を必要とする場合があります。ベースラインにおける血圧が140/90 mm Hg未満の患者では、80%が治療下で高血圧症を発現しました(44%がステージ1、37%がステージ2)。ベースラインでステージ1の高血圧症を有していた患者132人では、67%がステージ2の高血圧症を発現しました。アイクルシグの投与期間中は血圧上昇につきモニタリングと管理を行い、高血圧症を治療して血圧を正常化します。薬物療法によって高血圧症を管理できない場合はアイクルシグの投与を中断、減量、中止します。高血圧の著しい悪化、動揺性または治療抵抗性の高血圧症が認められる場合、治療を中断し、腎動脈狭窄症の評価を検討します。


膵炎:膵炎が患者の7%で発現しています(6%が重篤またはグレード3/4)。これら症例の多くがアイクルシグの投与中断または減量から2週間以内に回復しています。治療下で発現したリパーゼ上昇の発現率は42%でした(16%がグレード3以上)。血清リパーゼ値を、最初の2カ月間は2週間ごと、その後は月1回、または臨床上の必要に応じてチェックします。膵炎またはアルコール乱用の病歴を持つ患者では、これ以外にも血清リパーゼのモニタリングを検討します。投与の中断または減量が必要になることがあります。リパーゼ上昇が腹部症状を伴う場合、アイクルシグの投与を中断して、膵炎につき患者の評価を行います。患者の症状が完全に回復し、リパーゼ値が1.5 x ULN未満になるまでは、アイクルシグの投与再開を検討してはなりません。


初発CP-CMLにおける毒性増大:初発CP-CML患者に対するファーストライン治療としての前向きランダム化臨床試験で、アイクルシグ45 mgの1日1回単独投与はイマチニブ400 mgの1日1回単独投与と比較して重篤有害反応のリスクが2倍に増大しました。治療期間における曝露期間の中央値は6カ月未満でした。試験は安全を理由に2013年10月に中止されました。動脈および静脈の血栓症および閉塞は、イマチニブ群と比較してアイクルシグ群で少なくとも2倍の頻度で発現しました。イマチニブ治療を受けた患者と比較して、アイクルシグ治療を受けた患者は、骨髄抑制、膵炎、肝毒性、心不全、高血圧症、皮膚/皮下組織障害の高い発現率を示しました。アイクルシグは、初発CP-CML患者の治療を適応としておらず、推奨もされません。


神経障害:全体として、患者の20%が末梢神経障害(全グレード)を発現しました(グレード3/4は2%)。最も多く報告された末梢神経障害は、錯感覚(5%)、末梢神経障害(4%)、感覚鈍麻(3%)、味覚障害(2%)、筋脱力(2%)、知覚過敏(1%)でした。脳神経障害がアイクルシグ治療を受けた患者の2%で発現しました(グレード3/4は1%未満)。神経障害を発現した患者のうち、26%(23/90例)は治療開始から1カ月以内に神経症を発現しました。感覚鈍麻、知覚過敏、錯感覚、不快感、灼熱感、神経障害性疼痛、脱力などの神経障害の症状につき、患者をモニタリングします。神経障害が疑われる場合はアイクルシグの投与中断を検討し、評価します。


眼毒性:失明または霧視に至った重篤な眼毒性が患者で発現しています。黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、網膜出血を含む網膜毒性が、患者の2%で発現しています。結膜刺激、角膜びらんまたは角膜剥離、眼乾燥、結膜炎、結膜出血、充血および浮腫、眼痛が患者の14%で発現しています。霧視が患者の6%で発現しています。その他の眼毒性には、白内障、眼窩周囲浮腫、眼瞼炎、緑内障、眼瞼浮腫、眼球充血、虹彩炎、虹彩毛様体炎、潰瘍性角膜炎が含まれます。ベースラインにて、また治療中は定期的に総合的な眼検査を実施します。


出血:出血が患者の28%で発現しています(死亡を含む重篤例は6%)。重篤出血イベントは、AP-CML、BP-CML、Ph+ ALL患者の方が高い発現率を示しました。消化管出血と硬膜下血腫が最も多く報告された重篤出血イベントで、それぞれ患者の1%で発現しています。大半の出血イベントは、グレード4の血小板減少症を持つ患者で発現しています。重篤または重度の出血が生じた場合、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。


体液貯留:体液貯留が患者の31%で発現しています。最も多かった体液貯留イベントは、末梢性浮腫(17%)、胸水(8%)、心嚢液貯留(4%)、末梢腫脹(3%)でした。重篤イベントが4%で発現しています。1例の脳浮腫は致死的でした。治療下で発現した重篤イベントには、胸水(2%)、心嚢液貯留(1%)、末梢性浮腫(1%未満)が含まれます。体液貯留につき患者をモニタリングし、臨床上の必要に応じて患者を管理します。臨床上の必要に応じて、アイクルシグの投与を中断、減量、中止します。


不整脈:不整脈が患者の19%で発現しました(7%がグレード3以上)。心室性の不整脈が全不整脈の3%で報告され、1例がグレード3以上でした。ペースメーカー植え込みに至った症候性徐脈性不整脈が患者の1%(3/449例)で発現しています。心房細動が最も多く発現した不整脈で、患者の7%で発現し、うち約半数はグレード3ないし4でした。その他のグレード3~4の不整脈イベントには、失神(2.0%)、頻脈および徐脈(それぞれ0.4%)、QT延長、心房粗動、上室性頻拍、心室頻拍、心房頻拍、完全房室ブロック、心肺停止、意識消失、洞結節機能不全(それぞれ0.2%)が含まれています。患者27人で、イベントが入院につながっています。遅い心拍(失神、めまい)または速い心拍(胸痛、動悸、めまい)を示唆する兆候や症状を示す患者では、アイクルシグの投与を中断して評価を実施します。


骨髄抑制:骨髄抑制が患者の59%で報告されています(50%がグレード3/4)。これらのイベントは、CP-CMLの患者よりもAP-CML、BP-CML、Ph+ ALLの患者の方が高い発現率を示しました。重度の骨髄抑制(グレード3ないし4)が治療早期に観察され、発現までの期間の中央値は1カ月(範囲1~40カ月未満)でした。最初の3カ月は2週間ごと、その後は毎月または臨床上の必要に応じて全血算を入手し、推奨事項に従って用量調節を行います。


腫瘍崩壊症候群:アイクルシグ治療を受けた患者2人(1%未満、1人はAP-CML患者、1人はBP-CML患者)が、重篤な腫瘍崩壊症候群を発現しています。高尿酸血症が患者の7%で発現しています。疾患が進行した患者では腫瘍崩壊症候群が発現する可能性があるため、十分な水分補給を必ず行い、アイクルシグ治療開始に先立ち尿酸値上昇の治療を行います。


可逆性後白質脳症症候群(RPLS):市販後調査によるRPLS症例が、アイクルシグ治療を受けた患者で報告されています。RPLSという神経障害は、発作、頭痛、注意力低下、精神機能異常、失明、その他の視力/神経障害などの兆候や症状を示す場合があります。高血圧症を呈している場合が多く、脳の磁気共鳴イメージングにおける支持的所見により診断を下します。RPLSの診断が下されたら、アイクルシグ治療を中断し、症状が回復して、治療継続によるベネフィットがRPLSのリスクを上回る場合にのみ、治療を再開します。


創傷治癒障害および消化管穿孔:創傷治癒障害がアイクルシグの投与を受けた患者で発現しています。選択的手術の前は少なくとも1週間にわたってアイクルシグの投与を中断します。大手術の後は少なくとも2週間にわたり、また創傷が適切に治癒するまで投与を行いません。創傷治癒合併症の快復後にアイクルシグの投与を再開することの安全性は確立していません。消化管穿孔(瘻孔)がアイクルシグの投与を受けた患者で発現しています。消化管穿孔が発現した患者では永久に投与を中止します。


胚・胎児毒性:アイクルシグは、その作用機序と動物実験での所見に基づけば、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。動物を使った生殖試験では、器官形成期の妊娠したラットに対するポナチニブの経口投与は、推奨用量でのヒト曝露量を下回る曝露量で、発達への悪影響をもたらしています。妊婦に対しては胎児への潜在的リスクにつき助言します。妊娠する可能性がある女性に対しては、アイクルシグ治療期間中と最後の投与後3週間は有効な避妊法を用いるよう助言します。


有害反応


最も多い有害反応:全体として、最も多かった非血液学的有害反応(20%以上)は、腹痛、発疹、便秘、頭痛、乾燥皮膚、疲労、高血圧症、発熱、関節痛、悪心、下痢、リパーゼ上昇、嘔吐、筋痛、四肢疼痛でした。血液学的有害反応には、血小板減少症、貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、白血球減少症が含まれます。


副作用の疑いを報告する場合は武田薬品(1-844-T-1POINT (1-844-817-6468))またはFDA(1-800-FDA-1088またはwww.fda.gov/medwatch)に連絡してください。


薬物相互作用


強力なCYP3A阻害剤:併用を避けるか、併用が避けられない場合はアイクルシグを減量します。


強力なCYP3A誘導剤:併用を避けます。


特定集団における使用


生殖能力を持つ男女:アイクルシグは、妊婦への投与時に胎児に害を及ぼす可能性があります。女性には、アイクルシグ治療期間中および最後の投与後3週間は有効な避妊薬を使用するよう助言します。ポナチニブは女性で生殖能力を損なう可能性があり、その影響が可逆的であるかどうかは不明です。アイクルシグの投与開始に先立ち、生殖能力を持つ女性では妊娠の有無を確認します。


授乳婦:女性にはアイクルシグ治療期間中および最後の投与後6日間は授乳しないよう助言します。


アイクルシグに関する詳細情報については、www.ICLUSIG.com.をご覧ください。動脈閉塞、静脈血栓塞栓症、心不全、肝毒性についての枠組み警告付を含む処方情報についてはhttps://www.iclusig.com/pdf/ICLUSIG-Prescribing-Information.pdfをご覧ください。


ニンラーロ(イキサゾミブ)カプセルについて


ニンラーロ(イキサゾミブ)は経口プロテアソーム阻害薬として、多発性骨髄腫の連続的治療過程を対象に研究されています。ニンラーロは2015年11月に初めて米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応としています。ニンラーロは現在、米国、日本、欧州連合を含む60カ国以上で承認されており、規制当局への10件以上の申請が審査中です。ニンラーロは経口プロテアソーム阻害薬として初めて第3相臨床試験に入り、承認を取得しました。


ニンラーロ(イキサゾミブ):重要な安全性情報(世界向け)


特別な警告および注意


血小板減少症がNINLAROで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および14%)。血小板のナディアは一般的に28日サイクルのそれぞれで14日~21日目に出現し、次のサイクルの開始までにベースラインまで回復しました。報告された症例は出血イベントの増加または血小板輸血に至っていません。ニンラーロ治療中は血小板数を少なくとも月1回モニタリングし、最初の3サイクルではさらにモニタリング頻度の増加を検討します。標準治療ガイドラインに従い、投与量の変更および血小板輸血により血小板減少症を管理します。


消化管毒性がニンラーロおよびプラセボの各レジメンで報告されています。毒性は下痢(42%および36%)、便秘(34%および25%)、悪心(26%および21%)、嘔吐(22%および11%)などで、制吐薬や下痢止め薬の使用、および支持療法が必要となる場合がありました。


末梢神経障害がニンラーロで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ28%および21%)。最も多く報告されている反応は末梢感覚神経障害(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ19%および14%)です。末梢運動神経障害の報告はいずれのレジメンでもまれでした(1%未満)。末梢神経障害の症状につき、患者をモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。


末梢性浮腫がニンラーロで報告されています(ニンラーロおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ25%および18%)。根本原因につき患者を評価し、必要に応じ支持療法を実施します。症状が重い場合、処方情報に従ってデキサメタゾンの投与量を、またはニンラーロの投与量を変更します。


皮膚反応が発現した患者の割合はプラセボレジメンで11%であったのに対し、ニンラーロレジメンで19%でした。いずれのレジメンでも最も多く報告された発疹の種類は斑点状丘疹と斑状発疹でした。支持療法、投与量変更、投与中止により発疹を管理します。


血栓性微小血管障害:血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)や溶血性尿毒症症候群(HUS)を含め、場合によっては致命的な血栓性微小血管障害がニンラーロ投与患者で報告されています。TPP/HUSの兆候や症状につきモニタリングし、TPP/HUSが疑われる場合はニンラーロ投与を中止します。TPP/HUSの診断が除外された場合、ニンラーロ投与の再開を検討します。TPP/HUSを経験している患者でニンラーロによる治療を再開した場合の安全性は不明です。


肝毒性:薬物性肝障害、肝細胞障害、肝脂肪変性、胆汁うっ滞性肝炎がニンラーロ投与患者でまれに報告されています。肝酵素を定期的にモニタリングし、グレード3ないし4の症状の場合は投与量を変更します。


妊娠:ニンラーロは胎児に害を及ぼす場合があります。生殖能力を持つ男女の患者に対し、治療中およびニンラーロの最終投与からさらに90日間は避妊法を用いるように助言します。ニンラーロは胎児に害を及ぼす可能性があるため、出産可能な女性は、同薬服用中は妊娠を避ける必要があります。ホルモン性避妊薬を使用している女性は、さらに別の避妊法を用いる必要があります。


授乳:ニンラーロないしその代謝産物がヒト母乳中に排泄されるかどうかは不明です。乳児に有害事象が発現する可能性があるため、授乳は中止する必要があります。


特定の患者集団


肝障害:中等度から重度の肝障害を持つ患者ではニンラーロの投与開始量を3 mgに減らします。


腎障害:透析を必要とする重度の腎障害または末期腎疾患(ESRD)を持つ患者ではニンラーロの投与開始量を3 mgに減らします。ニンラーロは非透析性であるため、透析のタイミングとは無関係に投与可能です。


薬物相互作用


強力なCYP3A誘導薬とニンラーロの併用は推奨されません。


有害反応


ニンラーロレジメンで最も発現頻度が高く(20%以上)、プラセボレジメンよりも多く報告された有害反応は下痢(42%対36%)、便秘(34%対25%)、血小板減少症(28%対14%)、末梢神経障害(28%対21%)悪心(26%対21%)、末梢性浮腫(25%対18%)、嘔吐(22%対11%)、背部痛(21%対16%)でした。患者の2%以上で報告された重篤有害事象には血小板減少症(2%)と下痢(2%)が含まれます。それぞれの有害反応につき、ニンラーロレジメンの患者で3種類の医薬品のうち1種類以上を中止した割合は1%以下でした。


欧州連合向け製品特性概要:http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/EPAR_-_Product_Information/human/003844/WC500217620.pdf


米国向け処方情報:https://www.ninlarohcp.com/pdf/prescribing-information.pdf


カナダ向け製品モノグラフ:http://www.takedacanada.com/ninlaropm


アドセトリス(ブレンツキシマブ・ベドチン)について


アドセトリスは、シーゲンの専有技術を使用し、抗CD30モノクローナル抗体を、タンパク質分解酵素により開裂するリンカーで、微小管阻害剤モノメチルアウリスタチンE(MMAE)と結合させた抗体薬物複合体(ADC)です。本ADCが採用するリンカーシステムは、血中では安定し、CD30陽性腫瘍細胞に取り込まれると、MMAEを放出するように設計されています。


静脈内注射用のアドセトリス注射剤はFDAより、成人患者を対象に6件の適応症で承認を取得しました。これらの適応症は(1)未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)、CD30発現末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、その他の特定不能のPTCLを含む、シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンとの併用)、(2)未治療のステージ3/4古典的ホジキンリンパ腫(cHL)(ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用)、(3)自家造血幹細胞移植(自家HSCT)地固め療法後に再発ないし進行のリスクが高いcHL、(4)自家HSCTが失敗した患者か、自家HSCTの候補でない患者で過去に少なくとも2回の多剤化学療法レジメンが失敗した患者でのcHL、(5)過去の1回以上の多剤化学療法レジメンが失敗した後のsALCL、(6)過去に全身療法を受けている患者での原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症、となります。


カナダ保健省はアドセトリスに対し、2013年には(1)自家幹細胞移植(ASCT)が失敗したかASCTの候補ではなく少なくとも2種類の多剤化学療法が失敗した後のHL患者、(2)少なくとも1種類の多剤化学療法レジメンが失敗した後のsALCL患者を適応に条件付き承認を与えました。無条件承認は2017年に(3)ASCT後に再発・進行リスクの高いHL患者の地固め療法として、2018年に(4)過去に全身療法を受けているpcALCLまたはCD30発現MFの成人患者を適応に、2019年に(5)ドキソルビシン、ビンブラスチン、ダカルバジンとの併用で未治療のステージ4のHL患者を適応に、2019年に(6)シクロホスファミド、ドキソルビシン、プレドニゾンとの併用で、腫瘍がCD30を発現しているsALCL、非特定型末梢性T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)の未治療成人患者を適応に与えています。


アドセトリスは欧州委員会より、条件付きの市販承認を2012年10月に取得しました。これらの欧州で承認された適応症は、(1)ドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用で未治療のCD30陽性ステージ4ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(2)ASCT後、再発ないし進行のリスクが高いCD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(3)ASCT後、またはASCTないし多剤化学療法が治療選択肢でない場合に少なくとも2種類の治療を受けた後の再発性ないし難治性のCD30陽性成人ホジキンリンパ腫成人患者の治療、(4)シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン(CHP)との併用で未治療の成人sALCL患者の治療、(5)再発性


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