CHICAGO--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) --RMBキャピタル(以下「RMB」といいます。)は、伊藤忠商事株式会社(コード番号8001、東証第一部、以下「伊藤忠」といいます。)、および、株式会社ファミリーマート(コード番号8028、東証第一部、以下「ファミリーマート」といいます。)の株式を、RMBの運用する複数のファンドにて保有しています。RMBは、伊藤忠によるファミリーマートの現行公開買付(以下「本公開買付」といいます。)に反対するとともに、伊藤忠に対し公開買付価格を2,600円に戻すことを提案しています。 以下、伊藤忠の本年8月13日付リリースについてRMBの見解をご説明します。
(1)「新常態」という見通しは一般化していません
伊藤忠は、「新型コロナウイルスの一定の収束後も「新常態」が継続するという考え方が一般化する中(中略)ファミリーマートの急激な業績回復を見込むことは相当に困難」と断言しています。しかし、そのような「新常態」が今後定着するという見方についてはまだ議論が分かれており、一般化しているとまでは言えません。確かに、今後コロナウイルス感染の第二波、第三波が発生し経済が影響を受ける可能性は否定できません。しかし、20世紀初頭に猛威をふるったスペイン風邪ですら2年程度で収束しています。伊藤忠は、いわゆる「新常態」が定着し未来永劫継続すると考える合理的根拠を示すべきです。
(2)特別委員会の算定価格は十分保守的です
そして、「急激な業績回復」を見込んでいないのは、ファミリーマート特別委員会の取得した算定書も同様です。例えば、同算定書はファミリーマートのEBITDAがコロナ前の水準(約2,600億円)に回復するのは早くても4年後の2025年2月期とするなど、相当保守的な前提で作成されています。従って、同算定書のDCF評価(中間値2,756円)は、コロナの影響による中長期的な業績低迷の可能性を十分織り込んでいると言えます。
(3)伊藤忠の提案価格は短期志向で信憑性を欠きます
伊藤忠は、本年7月8日の本公開買付公表時点でファミリーマート株価が日経平均に劣後していたことをもって同社の企業価値を低く見積もったことを正当化しています。しかし、本年3月から7月という、たった5月の株価推移を云々すること自体が、伊藤忠が長期的な観点からファミリーマートの企業価値を評価していないことの証左です。伊藤忠は本公開買付公表に至るまでの交渉過程において、当初の2,600円から2,000円まで大幅に提案価格を下げるなど提案株価を二転三転させていることから、2,300円という現在の提案株価も信憑性を欠くと疑わざるを得ません。伊藤忠は、同社の算定株価が、相当保守的と言えるファミリーマート特別委員会の算定株価をも大幅に下回っている理由、具体的には、使用した業績予想や割引率、永久成長率について具体的に説明すべきです。現状では伊藤忠がファミリーマート株主に対し誠実であるとは到底言えません。
(4)伊藤忠は提案価格を精査し再提示すべきです
伊藤忠の現在の提案価格2,300円は、ファミリーマート完全子会社化によるシナジー効果を全く織り込んでおらず、伊藤忠にとってのファミリーマート企業価値が2,300円を下回ることはあり得ません。もし十分なシナジー効果が期待できるのであれば、2,300円を上回る買付価格であっても伊藤忠の株主に説明可能です。むしろ、ファミリーマート取締役会が承諾できないような提案価格に固執し、万が一本公開買付に失敗するのであれば、コンビニエンスストア業界第二位のファミリーマートを完全子会社化するという、伊藤忠株主にとってまたとない投資機会を逃すことになります。
RMBは、伊藤忠がファミリーマートの企業価値とシナジー効果を改めて精査した上で、誠実な公開買付を実施するよう期待します。
以上
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