米マサチューセッツ州ケンブリッジ & 大阪--(BUSINESS WIRE)--(ビジネスワイヤ) -- 武田薬品工業株式会社(TSE:
4502)は本日、欧州医薬品庁(EMA)欧州医薬品評価委員会(CHMP)が否定的な見解を採用し、NINLARO®(イキサゾミブ)カプセルを承認しないよう勧告したと発表しました。NINLARO®は経口薬としてのプロテアソーム阻害薬で、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を抱える患者の治療を目的としています。武田薬品はこの見解を不服とし、CHMPに再審査を求める考えです。
Takeda
Oncologyのクリストフ・ビアンキ社長(M.D.)は、次のように述べています。「CHMPの見解に当社は失望しています。当社は欧州の有力な医療専門家の支持を得て、CHMPと密接に協力し、初の経口プロテアソーム阻害薬NINLAROを欧州の患者が利用できるようにするための努力を続けます。最近の進歩にもかかわらず、骨髄腫は依然として難治性の疾患であり、多発性骨髄腫の患者とその治療に当たっている医師は、転帰改善のためのさらなる選択肢を必要としています。当社はニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に最近掲載されたTOURMALINE-MM1試験のデータを支持していますが、これらのデータは、プラセボとレナリドミドおよびデキサメタゾンと比較してNINLAROとレナリドミドおよびデキサメタゾンが無増悪生存期間を有意に延長し、ベネフィット/リスクプロファイルが良好であることを証明しています。」
ナント大学(フランス)のPhilippe
Moreau医師(M.D.)は、次のように述べています。「私は何年も患者の治療に当たってきましたが、病状がまったく同じ患者は2人といません。多発性骨髄腫患者は多様なため、特に高齢患者にとって重要な利点である有効性、忍容できる安全性プロファイル、利便性を提供する革新的な治療選択肢が必要です。経口プロテアソーム阻害薬が利用できない欧州で、NINLAROは顕著なギャップを埋め、再発性ないし難治性の多発性骨髄腫の患者にとって、経口薬のみの3剤併用療法を初めて実現します。」
NINLAROは優先審査の指定を受け、2015年11月に米食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。NINLAROは米国において、レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用で、過去に少なくとも1種類の治療を受けている多発性骨髄腫患者の治療を適応としています。FDAによるNINLAROの承認は、イキサゾミブの薬事承認として世界初となりました。武田薬品はさらに世界各国の規制当局にイキサゾミブの承認を申請しています。再発性および難治性の多発性骨髄腫でこれらの世界的な承認申請の基礎を形成しているTOURMALINE-MM1試験に加え、その他の多様な治療セッティングの多発性骨髄腫でもイキサゾミブの試験を実施しています。
CHMPの見解が原因で武田薬品の2016年会計年度の財務業績が大きな影響を受けることはありません。
NINLARO®(イキサゾミブ)について
NINLARO®(イキサゾミブ)は治験薬としての経口プロテアソーム阻害薬で、多発性骨髄腫と全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスを対象に研究されています。また経口プロテアソーム阻害薬として初めて第3相臨床試験に入り、承認を取得しました。
イキサゾミブは2011年に米国および欧州の両方で多発性骨髄腫を対象とする希少薬指定を、2012年に米国および欧州の両方でALアミロイドーシスを対象とする希少薬指定を受けています。イキサゾミブは関連する超希少疾患の再発性もしくは難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する画期的新薬の指定を2014年に米FDAから受けました。
武田薬品は世界各国の多発性骨髄腫患者と、その治療に当たっている医療専門家のため、革新的な治療薬の開発に真剣な努力を傾けているところであり、イキサゾミブの包括的臨床開発プログラムであるTOURMALINEはこうした現行の取り組みをさらに強化するものです。TOURMALINEでは計5件のピボタル試験が進行中で、4件で主要な多発性骨髄腫すべての患者集団を、1件で軽鎖アミロイドーシスを検討しています。
TOURMALINE-MM1では、再発性もしくは難治性または両方の多発性骨髄腫を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
TOURMALINE-MM2では、新規に多発性骨髄腫と診断された患者を対象にレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用でイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
TOURMALINE-MM3では、新規に多発性骨髄腫と診断された患者を対象に導入療法および自家幹細胞移植(ASCT)後の維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
TOURMALINE-MM4では、新規に多発性骨髄腫と診断され、自家幹細胞移植を受けていない患者を対象に維持療法としてイキサゾミブとプラセボを比較検討しています。
TOURMALINE-AL1では、再発性または難治性のALアミロイドーシス患者を対象に、イキサゾミブとデキサメタゾンの併用療法を医師が選択した特定のレジメンと比較検討しています。
TOURMALINEプログラムに加え、世界各国で数多くの研究者主導研究により、患者のためにイキサゾミブの評価が行われています。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、骨髄に見られる形質細胞のがんです。多発性骨髄腫ではモノクローナルな形質細胞の一群、すなわち骨髄腫細胞ががん化して増殖します。これらの悪性形質細胞は体内の多くの骨に影響を与え、圧迫骨折、溶骨病変、それらに関連する疼痛をもたらす可能性があります。多発性骨髄腫は骨、免疫系、腎臓、赤血球数に影響する深刻な健康問題を数多くもたらす場合がありますが、最も一般的な症状には骨痛と、貧血の兆候である疲労が含まれます。多発性骨髄腫はまれな形態のがんで、EUでは年間約3万9000人以上、世界では年間約11万4000人が新規に多発性骨髄腫と診断されています。
重要な安全性情報(米国)
警告および注意
血小板減少症がNINLAROで報告されています。治療中は血小板数を少なくとも月1回モニタリングし、最初の3サイクルではさらにモニタリング頻度の増加を検討します。標準治療ガイドラインに従い、投与量の変更および血小板輸血により血小板減少症を管理します。必要に応じ投与量を変更します。血小板のナディアは28日サイクルのそれぞれで14日~21日目に出現し、次のサイクルの開始までにベースラインまで回復しました。
消化管毒性(下痢、便秘、悪心、嘔吐)がNINLAROで報告され、下痢止め薬と制吐薬の使用、および支持療法が必要となる場合があります。下痢の結果として3剤のうち1剤以上の投与中止に至ったのは、NINLAROレジメンの患者が1%、プラセボレジメンの患者が1%未満でした。重度の症状では投与量を変更します。
末梢神経障害(感覚神経優位)がNINLAROで報告されています。最も多く報告されている反応は末梢感覚神経障害(NINLAROおよびプラセボの各レジメンでそれぞれ19%および14%)です。末梢運動神経障害の報告はいずれのレジメンでもまれでした(1%未満)。末梢神経障害の結果として3剤のうち1剤以上の投与中止に至ったのは、いずれのレジメンでも患者の1%でした。末梢神経障害の症状につき、患者をモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。
末梢性浮腫がNINLAROで報告されています。体液貯留につきモニタリングします。根本原因を適宜究明し、必要に応じ支持療法を実施します。症状がグレード3ないし4の場合、処方情報に従ってデキサメタゾンの投与量を、またはNINLAROの投与量を変更します。
皮膚反応:発疹(最も多くの場合は斑点状丘疹と斑状発疹)がNINLAROで報告されています。発疹の結果として3剤のうち1剤以上の投与中止に至ったのは、いずれのレジメンでも患者の1%未満でした。支持療法または投与量変更により発疹を管理します。
肝毒性がNINLAROで報告されています。薬物性肝障害、肝細胞障害、肝脂肪変性、胆汁うっ滞性肝炎、肝毒性のそれぞれがNINLARO投与患者の1%未満で報告されています。肝機能障害のイベントが報告されています(NINLAROレジメンで6%、プラセボレジメンで5%)。治療中は肝酵素を定期的にモニタリングし、必要に応じ投与量を変更します。
胚・胎児毒性:NINLAROは胎児に害を及ぼす場合があります。女性には胎児への潜在的リスクについて知らせ、妊娠を避け、治療中およびNINLAROの最終投与からさらに90日間は避妊法を用いるよう助言します。
有害反応
NINLAROレジメンで最も発生頻度が高く(20%以上)、プラセボレジメンよりも多く発生した有害反応はそれぞれ下痢(42%、36%)、便秘(34%、25%)、血小板減少症(78%、54%、有害事象とラボデータを統合)、末梢神経障害(28%、21%)、悪心(26%、21%)、末梢性浮腫(25%、18%)、嘔吐(22%、11%)、背部痛(21%、16%)でした。患者の2%以上で報告された重篤有害事象には血小板減少(2%)と下痢(2%)が含まれます。
特定集団
肝障害:中等度から重度の肝障害を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3 mgに減らします。
腎障害:透析を必要とする重度の腎障害または末期腎疾患を持つ患者ではNINLAROの投与開始量を3
mgに減らします。NINLAROは非透析性です。
授乳婦:女性にはNINLARO投与期間中は授乳を中止するよう助言します。
薬物相互作用:強力なCYP3A誘導薬とNINLAROの併用は避けます。
NINLAROの米国向けの完全な処方情報については下記をご覧ください。
https://www.ninlarohcp.com/safety
武田薬品工業について
武田薬品工業株式会社は研究開発を駆使する世界的製薬企業として、科学の成果を生活に変革をもたらす医薬品に橋渡しすることで、患者の健康を改善して患者に明るい未来をもたらすことに真剣な努力を傾けています。武田薬品はその研究活動をオンコロジー、消化器系疾患、中枢神経系の各治療領域に集中させています。また特殊な心血管疾患や後期開発段階のワクチン候補でも専用の開発プログラムを組んでいます。武田薬品は革新の最前線に位置するため、研究開発を自社内および提携先との共同で実施しています。特にオンコロジーと消化器系疾患における革新的な新製品と、新興市場におけるプレゼンスが、武田薬品の成長を加速させています。武田薬品の3万人以上の従業員は、70カ国以上でヘルスケア分野の提携先と協力しながら、患者の生活の質を向上させることに懸命の努力で取り組んでいます。詳細情報についてはhttp://www.takeda.com/newsをご覧ください。
武田薬品の詳細情報については当社ウエブサイト(www.takeda.com)を、武田薬品工業株式会社のグローバルオンコロジービジネスユニットのブランドであるTakeda
Oncologyの詳細情報については本ブランドのウエブサイト(www.takedaoncology.com)をご覧ください。
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