作品タイトル:Repetition and life: bud, P2424 制作者:ゑ藤隆弘 制作年:2024年
東京工芸大学中野キャンパス
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/439625/LL_img_439625_1.jpg
作品タイトル:Repetition and life: bud, P2424 制作者:ゑ藤隆弘 制作年:2024年
受賞作《Repetition and life: bud, P2424》は、反復によって生まれる秩序とズレを通じて、生命的な揺らぎを表現すると同時に、ポスターという形式そのものを問う作品です。3枚の同一ポスターを重ねることで、図と地の関係や画面の天地が曖昧になり、構造の全体像は一見して捉えづらくなっています。観る者が自ら注意深く読み解こうとする中で、ようやくその仕組みや意味が立ち上がってくるような作品となっており、ポスター表現の可能性を静かに拡張する試みです。
ゑ藤准教授は、前回2022年の大会でもグランプリを受賞しており、トリエンナーレ形式となった2014年以降、初のグランプリ連続受賞者となります。
今回で開催50周年を迎えた「第22回 ラハティ国際ポスタートリエンナーレ2025」では、世界から約4,000点の応募がありました。本作品は、同じイメージのポスターを3回繰り返して構成するという単純な仕組みながら、平面と空間を行き来するような視覚言語の探究や、静的な構成を視覚的・身体的に体験できる、インタラクティブな表現が高く評価され、グランプリを受賞しました。
また、構造は動的でありながら緻密に設計され、余白や見えない距離感が生むリズムと動きは、「DANCE」という言葉に象徴される生命の躍動や流動性を視覚的に体現していると評されています。
ゑ藤准教授は2022年の前回大会でもグランプリを受賞しており、今回で2大会連続のグランプリ獲得という快挙を達成しました。
ゑ藤准教授は、多摩美術大学大学院博士後期課程修了後、佐藤晃一デザイン室、廣村デザイン事務所を経て、2016年 STUDY LLC.を設立。2018年に本学に就任。本学では、芸術学部デザイン学科に籍を置き、ビジュアルコミュニケーションを用いた魅力的な表現探求や適切な情報伝達・視覚化を演習や講義をとおして指導しています。研究面では、グラフィックデザイン固有の思考や表現を空間や環境へと展開することを実践しています。
ゑ藤准教授は今回の受賞について「前回は人の後ろ姿という具象的なモチーフで受賞しました。その後はあえて具象性のわかりやすさから離れ、抽象表現や構成法を中心に研究・制作に取り組んできました。本作もその流れの中にある試作的作品でしたが、審査員の方が私の意図を的確に、むしろそれ以上に読み取ってくださったことに驚き、素直に嬉しく感じています。遠く離れた土地でそのような受け取られ方をしたことは、理解や共感を超えた、より深いビジュアルコミュニケーションを目指す自分にとって、大きな励みになりました。」と話します。
なお、受賞作品展はフィンランドのLahti Museum of Visual Arts Malvaにて9月7日(日)まで開催されています。
■ラハティ国際ポスタートリエンナーレ
ラハティ国際ポスタートリエンナーレは、フィンランドのラハティ市で1975年から定期的に開催されているポスターデザインの審査会です。今回で22回目の開催となります。ラハティ国際ポスタートリエンナーレは、世界で最も歴史があり、最も評価の高いポスター芸術の審査会の一つです。
【展覧会情報】
https://www.malvamuseo.fi/en/exhibitions/lahti-international-poster-triennial-2/
【受賞記事】
https://www.malvamuseo.fi/en/news/takahiro-eto-chosen-as-the-winner-of-the-lahti-international-poster-triennial/
■東京工芸大学
東京工芸大学は1923(大正12)年に創立した「小西寫眞(写真)専門学校」を前身とし、当初から「アートとテクノロジーを融合した無限大の可能性」を追究し続けてきた。2023年に創立100周年を迎えた。
【URL】 https://www.t-kougei.ac.jp/
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/439625/LL_img_439625_2.jpg
東京工芸大学中野キャンパス
■東京工芸大学 芸術学部
1994年に芸術学部設置(所在地:東京都中野区)
現在メディア芸術を中心とした7学科(写真、映像、デザイン、インタラクティブメディア、アニメーション、ゲーム、マンガ)を有し、テクノロジーとアートを融合させた「メディア芸術」分野のプロフェッショナルを育成している。
【URL】 https://www.t-kougei.ac.jp/