2022 年林英樹演出『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』上演の様子(写真提供=テラ・アーツ・ファクトリー)
前橋公演の会場となる前橋文学館ホール 2019年アーツ前橋連携事業アフガニスタン戯曲『修復不能』上演の様子
アドナーン・アルアウダ(Adnan Alaoda、シリア) 作家、台本作家、劇作家、詩人
出演:梅村綾子(文学座)
「紛争地域から生まれた演劇シリーズ」15年記念全国5都市開催・前橋公演サイト
https://iti-japan.or.jp
共催は、萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち 前橋文学館、提携団体は、前橋を拠点とする演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ、連携事業としてアーツ前橋にて事前レクチャーを行います。
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2022 年林英樹演出『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』上演の様子(写真提供=テラ・アーツ・ファクトリー)
「紛争地域から生まれた演劇シリーズ」は国連教育科学文化機関ユネスコ傘下のNGO・国際演劇協会(ITI)の日本センターが、演劇を通じて平和の構築を目指すプロジェクトの一環として2009年から取り組んでいるもので、これまでにアフガニスタン、アルジェリア、パレスチナなどの戯曲を上演してきました。
本年度の地域連携プロジェクトは『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』(金沢公演2023年9月、福山公演同年11月、前橋公演2024年1月)、『Bad Roads―悪路―』(八尾公演2023年12月、新潟公演2024年1月20日(土)~1月21日(日))となっています。
総合プロデューサーはITI日本センターの「紛争地域から生まれた演劇」、「ワールド・シアター・ラボ」の企画立案やプロデュース、さいたま芸術劇場による「世界最前線の演劇」の企画立案を担当した林英樹、演出や出演者・スタッフなどは公演ごとに異なり、公演地の劇団や俳優と共同製作、現地滞在製作を実施しています。
前橋公演では、原作のひとり語りを重視し、女優二人と演奏家一人によるミニマムで深みのあるリーディングを展開します。
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前橋公演の会場となる前橋文学館ホール 2019年アーツ前橋連携事業アフガニスタン戯曲『修復不能』上演の様子
『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』は、シリア出身の作家アドナーン・アルアウダによる作品で、シリアの厳しい自然や因習、近代化していく社会の中で強い意志で人生を切り拓こうとする母と娘の姿を、音楽や詩をふんだんに用いて描く語り物です。
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アドナーン・アルアウダ(Adnan Alaoda、シリア) 作家、台本作家、劇作家、詩人
「演劇」は娯楽や芸術としてだけではなく、問題共有の媒介としての側面も持っています。そのことを切実に提起しているのがこの「紛争地機から生まれた演劇シリーズ」であり、当事者が自らの経験を戯曲化している作品が多くあります。
日本人にとって「紛争」はなじみが薄く、なかなか身近に感じることは難しいテーマです。しかし、このような作品を東京だけで上演するのではなく、日本各地で現地の人と一緒に作品を作り、この問題を共有し、たくさんの人に「当事者」になってもらうことで、人々の意識に変化を起こしたいと考えています。
本企画の趣旨をご理解いただき、事前告知並びに当日取材等、広く皆様にお知らせいただけましたら幸甚です。
■公演概要
ITI「演劇を通して世界を見る」シリーズ『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』前橋公演
原作 :アドナーン・アルアウダ(シリア)
翻訳 :中山豊子
演出 :中村ひろみ(演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ)
演出補 :林英樹
出演 :梅村綾子(文学座)、中村ひろみ
作曲・編曲・演奏:大平清
日時 :2024年1月27日(土)13:00
1月27日(土)17:00*
1月28日(日)11:00
1月28日(日)15:00
*アフタートークあり
萩原朔美(前橋市文化活動戦略顧問/前橋文学館館長)
他(詳細はSNSなどで随時お知らせします)
定員 :50名
料金 :一般 1,500円
学生 500円(当日学生証要提示)
当日精算/全席自由
受付開始・開場:開演の30分前
予約受付開始 :2023年12月18日(月)
会場 :前橋文学館3階ホール https://www.maebashibungakukan.jp/
予約・お問合せ:・演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ
E-mail bonmedia1018@gmail.com
Tel 090-4249-9127(中村)
・Web予約 CoRich!舞台芸術
https://ticket.corich.jp/apply/293729
詳細 :ホームページ( https://iti-japan.or.jp/ )他、
SNSで随時お知らせします。
【staff】
総合プロデューサー:林英樹
舞台監督 :深町友基
照明 :文月
音響 :MultiArts
舞台製作 :劇団ブナの木
アンダースタディ :ミヤビミカド
写真撮影 :木暮伸也
記録映像 :合同会社岡安映像デザイン
制作 :演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ、新井由美
制作補佐 :櫻井拓見、山田真里亜、万里紗
チラシデザイン :奥秋圭
協力 :劇団ザ・マルク・シアター
【主催】公益社団法人国際演劇協会日本センター、公益社団法人全国公立文化施設協会
【共催】萩原朔太郎記念・水と緑と詩のまち 前橋文学館
【連携】アーツ前橋
【後援】群馬県、群馬県教育委員会、公益財団法人群馬県教育文化事業団、上毛新聞、朝日新聞社前橋総局、読売新聞前橋支局、エフエム群馬、まえばしCITYエフエム、群馬テレビ
【助成】文化庁文化芸術振興費補助金統括団体による文化芸術需要回復・地域活性化事業(アートキャラバン2)独立行政法人日本芸術文化振興会
■連携事業
ITI「演劇を通して世界を見る」シリーズ 『母と娘の物語 ハイル・ターイハ』前橋公演事前レクチャー
日時 :2024年1月20日(土)15:00~16:30
会場 :アーツ前橋 スタジオ https://artsmaebashi.jp/
定員 :30名
料金 :無料
予約・問い合わせ:演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ
090-4249-9127(中村)
■総合プロデューサー:林英樹
□コメント
シリアに対する私たちのイメージは内戦で破壊されつくした廃墟の都市や、一時、メディアで大きく取り上げられた数百万人に及ぶ難民が国内外、ヨーロッパに押し寄せる姿だと思いますが、今回の作品は内戦に至る前の平和な時代のシリアの庶民の物語です。一方、ウクライナの作品は作家自らが戦争の最前線に足を運び、ジャーナリスト、医師、兵士、戦争の影響を受けた人々にインタビューを実施する中で、作家自らにとって戦争とは何かを深く問いかけることから生み出された作品です。
「知ることで生まれる変化というものがある。」紛争や戦争を演劇で直接止めることは出来ないかもしれませんが、演劇には「何か」変化を生み出す可能性があると私は考えています。皆さんと一緒に、それを探したいと思っています。
□プロフィール
ITI日本センターによる「紛争地域から生まれた演劇」、「ワールド・シアター・ラボ」(人材育成事業)の企画立案・プロデュースを担当。さいたま芸術劇場による「世界最前線の演劇」企画立案。これまで海外戯曲38作品の初訳初演プロデュースを行う。編・著『紛争地域から生まれた演劇』(ひつじ書房)、共著『街に出る劇場』(新曜社)。1990年代にフランス・ドイツ・ベルギー・オランダ・ポーランド・クロアチア・ブラジル・ペルーなど多数の国でワークショップ、演劇公演、国際共同制作、演劇国際交流活動を行う。2000年代以降、専門学校(東京アナウンス学院)の教え子とともに「集団創作」実施。
■国際演劇協会(ITI)
国連教育科学文化機関ユネスコ傘下のNGO 国際演劇協会(International Theatre Institute=ITI)は、「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という前文ではじまるユネスコ憲章の趣旨に基づき、舞台芸術に関する情報交換と実践面での国際交流の促進を目的に、第二次世界大戦終結から3年後の1948年に創設されました。
ITI創設から3年後の1951年、ITI日本センターが設立。以来70年以上にわたって、各国相互の理解を深めるため、さまざまな事業を行っています。
■紛争地域から生まれた演劇シリーズ
世界各地のITIセンターでは、演劇を通じて平和の構築を目指す取り組みとして「Theatre in Conflict Zones」と題するプロジェクトが行われています。日本センターでは文化庁の委託事業として毎年発行している『国際演劇年鑑』の調査・研究事業の一環で、2009年から「紛争地域から生まれた演劇」シリーズをはじめました。これまで14年にわたり、最前線のテーマを扱ったパレスチナ、シリア、イラン、ヨルダン、イスラエル、パキスタン、フィリピン、タイ、アルジェリア、カメルーン、ナイジェリア、アメリカ、カナダ、ドイツなどの海外戯曲30作品をリーディングやトーク、戯曲集の発行で紹介してきました。
当シリーズでは世界各地で生起する様々な紛争に目を向け、同時代の政治的・文化的状況に対して新たな視座を構築することを目指しています。また、これにより演劇の持つ問題提起力を社会に示すとともに、演劇に関する調査研究と創作現場との連携協働を実現しています。当企画で紹介した作品の中には、大小様々な劇団・劇場で舞台化されており、イスマエル・サイディ作『ジハード』、ガンナーム・ガンナーム作『朝のライラック』(2作品とも、さいたまネクスト・シアターにより上演)は小田島雄志・翻訳戯曲賞を受賞しています。
■出演:梅村綾子(文学座)
北海道釧路市出身。桜美林大学文学部総合文化学科演劇コース卒業。2008年文学座附属演劇研究所入所。2013年座員昇格。
近年の出演舞台に、文学座『ガラスの動物園』『文、分、異聞』『アナトミー・オブ・ア・スーサイド』、理性的な変人たち『燃えるスタアのバラッド』『オロイカソング』、世田谷パブリックシアター『ペール・ギュント』、ITIワールド・シアター・ラボ『自殺の解剖』、林英樹プロデュース『母と娘の物語』など。
文学座個人ホームページ: http://www.bungakuza.com/member/prof/umemura-ayako.htm
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出演:梅村綾子(文学座)
■演出・出演:中村ひろみ
東京都出身。明治大学文学部演劇学科卒業。1989年~群馬県前橋市在住。92年~演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ主宰。
国民文化祭inぐんま2001開閉会式(小栗康平プロデュース)演出部所属。前橋文学館リーディングシアター『ラヴ・レターズ』で萩原朔美館長と共演、上三原田農村歌舞伎舞台『夏の夜の夢』、アーツ前橋連携事業『修復不能』リーディング(作・アフガニスタン人権民主主義(AHRDO)/企画協力・国際演劇協会日本センター)等プロデュース・演出・出演。15~19年県文化審議委員。群馬大学非常勤講師他。
Facebook: https://www.facebook.com/trompeloei.gunma.japan
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演出・出演:中村ひろみ
■演奏:大平清
島根県浜田市生まれ。トルコ音楽演奏家。ユヌスエムレ.トルコ文化センター東京.音楽講師。
トルコ~ギリシャ~アゼルバイジャン、中国にて現地の民謡や古典音楽を数多く学ぶ。トルコ文化観光省給費研修生として首都アンカラでオスマン古典楽器タンブールを学ぶ。
トルコ共和国大使館、アゼルバイジャン共和国大使館、唐招提寺奉納演奏、東大寺奉納演奏、平山郁夫展~玄奘・求法の道、ギリシア劇『エレクトラ3部作』、NHK.BS『ビザンチン帝国』、NYのアジアンソサイアティ、ボストンのマサチューセッツ工科大などで演奏。 NHK『地球ラジオ』やTV東京『おんがく交差点』などにゲスト出演。また奈良時代の散楽の現代版を目指すユニット『現代散楽』のメンバーでもある。
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演奏:大平清
■参考
・『Bad Roads―悪路―』:ウクライナ出身の作家ナターリア・ヴォロズビートによる作品。ウクライナ東部のドンバス地域を舞台に、2014年から続くロシアによる侵攻を背景に“女性が経験する戦争”を6つの短編作品で展開
・本地域連携プロジェクトは、『公文協アートキャラバン事業 劇場へ行こう3( https://iti-japan.or.jp/artcaravan/ )』参加事業です