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CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)のインフルエンザウイルス不活化作用を確認



表1 CPCのA型インフルエンザウイルス(H1N1)に対する不活化率(%)*  *報告書の数値をもとに計算を行った


表2 CPCのA型インフルエンザウイルス(H3N2)に対する不活化率(%)*  *報告書の数値をもとに計算を行った


図1 CPCを1分間曝露した時のA型インフルエンザウイルス(H1N1)不活化の様子 (プラーク法**)


図2 CPCを5分間曝露した時のA型インフルエンザウイルス(H3N2)不活化の様子 (プラーク法**)


大正製薬株式会社[本社:東京都豊島区 社長:上原 茂](以下、当社)は、一般財団法人 北里環境科学センターへの委託試験で実施したin vitro試験(試験管内の実験)※1において、殺菌成分CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)を0.0125%の濃度で1分間曝露させることでA型インフルエンザウイルス(H1N1)が99%以上不活化(感染性を失わせること)し、CPCを0.0125%の濃度で5分間曝露させることでA型インフルエンザウイルス(H3N2)が92%不活化することを確認しました。
以下に、研究の詳細をご説明します。


CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)のインフルエンザウイルスに対する不活化作用


今冬、インフルエンザは、新型コロナウイルス感染症との同時流行が懸念されています。※2
2020-2021年シーズン及び2021-2022年シーズンは、インフルエンザウイルス検出の報告はほとんど見られませんでした。これは、新型コロナウイルス対策として普及した手指衛生やマスク着用、3密回避、国際的な人の移動の制限等の感染対策がインフルエンザの感染予防にも効果的であったためと考えられています。
しかし、今冬の2022-2023年シーズンは、南半球のインフルエンザの発症状況の報告数が増加していることから、日本でも同様の流行が起こる可能性があるとされています。※3
<研究成果>
当社は、委託試験で実施したin vitro試験において、2種類のA型インフルエンザウイルス(Influenza A virus, H1N1及びInfluenza A virus, H3N2)※4に対するCPCの不活化作用を検証しました。
インフルエンザウイルス液とCPC溶液を1:9で混合して15秒間、30秒間、1分間、3分間、5分間作用させ、感染性を持つウイルスがどの程度減少したか評価した結果、A型インフルエンザウイルス(H1N1)に対しては、CPCを0.0125%の濃度で1分間曝露させることで99%以上不活化することを確認しました。
また、A型インフルエンザウイルス(H3N2)に対しては、CPCを0.0125%の濃度で5分間曝露させることで92%不活化することを確認しました(表1, 2、図1, 2)。


画像 : https://newscast.jp/attachments/8xIdreO9eHXHjIhrAJDf.jpg
表1 CPCのA型インフルエンザウイルス(H1N1)に対する不活化率(%)*  *報告書の数値をもとに計算を行った


画像 : https://newscast.jp/attachments/SYKcJlCNm7bItNNyzpTm.jpg
表2 CPCのA型インフルエンザウイルス(H3N2)に対する不活化率(%)*  *報告書の数値をもとに計算を行った


画像 : https://newscast.jp/attachments/YKUMMcpVzKVITa7LO8Dv.jpg
図1 CPCを1分間曝露した時のA型インフルエンザウイルス(H1N1)不活化の様子 (プラーク法**)


画像 : https://newscast.jp/attachments/QxkdMvPNkm0JZj8Qju1w.jpg
図2 CPCを5分間曝露した時のA型インフルエンザウイルス(H3N2)不活化の様子 (プラーク法**)


**プラーク法:細胞内でウイルスが増殖すると、プラーク(白く抜けた部分)が生じます。プラークを計数することで、ウイルスの感染価(感染性をもつウイルス粒子の数)を測定する方法です。


<メカニズムについて>


CPCは、細菌の脂質二重膜で構成されている細胞膜を破壊することで、殺菌作用を示すことが知られています。インフルエンザウイルスのエンベロープは脂質二重膜構造であり、エンベロープを破壊することで、CPCはインフルエンザウイルスを不活化すると考えられます(図3)。


画像 : https://newscast.jp/attachments/RpaQYjqKAs5MyToBhmmI.png
図3 CPCによるインフルエンザウイルスの不活化


<今後の展望>
当社は今後も、CPCの新たな作用について、さらなる研究を進めてまいります。
※1 試験報告書番号:北環発2022_0356号
※2 今冬のインフルエンザワクチンの接種対象者への呼びかけについて(厚生労働省健康局結核感染症課 厚生労働省 健康局予防接種担当参事官室 事務連絡 令和4年9月16日)
※3 一般社団法人日本感染症学会提言 2022-2023年シーズンのインフルエンザ対策について(一般の方々へ)
※4 Influenza A virus, H1N1, A/PR/8/34, ATCC VR-1469及びInfluenza A virus, H3N2,A/Hong Kong/8/68,ATCC VR-1679
【ご参考】
 2021年10月25日発表リリース
「セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)の新型コロナウイルス不活化作用を確認」
https://www.taisho.co.jp/company/news/2021/20211025000848.html
 2022年8月5日発表リリース
「CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)の新型コロナウイルス変異株不活化作用を確認」
https://www.taisho.co.jp/company/news/2022/20220805001069.html






【PR】CPCのインフルエンザウイルス不活化作用を確認.pdf


: https://newscast.jp/attachments/wYjeabuJcPlC0xAig8T2.pdf


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