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38年越しで完成した黒澤明監督のドキュメンタリー映画が6月28日から映画配信サイト「DOKUSO映画館」で公開!



デジタル化出来たのは半分以下


大型台風の中での撮影


黒澤明監督の編集室


4億円の城を燃やした

映画製作を行うRiverVillage(配給:株式会社tokyowebtv、所在地:東京都東村山市、代表:河村光彦)は、「Life work of Akira Kurosawa」を、2022年6月28日から公開します。

「株式会社tokyowebtv」URL: https://tokyowebtv.jp/


■この映画を今になって制作・公開する目的
これは1984年-1985年に黒澤プロダクションとヘラルド・エースに撮影・編集・公開許可を得て、1年間撮影された全150時間に及ぶ『乱』撮影記録素材です。
ところが、撮影完了後不幸が重なって15年間失われていました。
約半分の素材が1998年に発見されたものの、旧式の業務用アナログビデオで撮影されていて、再生機が製造中止となっていたため収録映像が確認できなくなっていました。
河村監督は『乱』が製作された1984年当時大学生でありながら、黒澤組の熱い撮影現場を体験したひとりです。この作品は黒澤明監督を知らない世代の共感共鳴を得ると信じて、発見された記録ビデオを自宅に保管して、私費を投じて何とか70時間分をデジタル化、38年の歳月を経てようやく1本のドキュメンタリー映画に仕上げました。
「故黒澤明監督は、1998年に国民栄誉賞を受賞されました。しかし日本国民はその人物像を知らず、誤解された印象で語られる現実があります。
海外では現在も黒澤明監督の高評価は根強く、若い世代にもブームは起き続けています。
この作品が国内外で広く視聴されることで、映画作りに於ける黒澤組HOW-TOの価値が再認識され、更に黒澤明監督の価値が高く評価されると確信します。黒澤明監督のリアルな姿にある価値を、この作品を通して共感共有頂けましたら大変幸せです。」と河村監督は語ります。
「黒澤明監督の善良で情熱的な人柄を、映画『乱』撮影現場における氏の姿から読み取ってもらいたい。伝説の「黒澤天皇」とは別人。『乱』が、いつまでも戦争を止めない愚かな人間界を嘆く、神の視点で描かれた映画だったと知ってほしい。また黒澤監督の映画製作スタイルは独特だが、その演出手法は現代の低予算映画にも応用できる点は多いはずです。」

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/313268/LL_img_313268_1.jpg
デジタル化出来たのは半分以下
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/313268/LL_img_313268_2.jpg
大型台風の中での撮影

■コンテンツの特徴
「撮影当時は8mm映画の製作経験しかない私には、黒澤組の偉大さは半分も見えていなかったと思います。その後フィルム製作のTV映画や低予算映画の助監督を経験し、70mm大型映画を監督した後になって、ようやく残りの半分が見えてきました。
黒澤組は、現場に俳優を入れるまでのセッティングが兎に角大がかりでした。
映画冒頭の一文字家幕屋のシーンでは、準備段階の幕を張る作業に黒澤監督自らが率先して参加しました。『ゴジラ』の監督で演出補佐の本多猪四郎監督や『七人の侍』のカメラマンでCカメラの中井朝一さんや『羅生門』から記録を務める野上照代さんも、幕を張るのを手伝いました。
セッティングが終わると役者を入れてこのシーン全体の稽古が始まります。
「作業をやめて皆よく見てて」と黒澤監督。スタッフ全員を集合させてリハーサルを見学させました。準備期間中、6か月間リハーサルを行っているから、全体の流れは出来ているのかな、と思いきや全くそうではありませんでした。
俳優の台詞は全部入っています。狂阿弥(ピーター 現:池畑慎之介)の狂言の振り付けも決まっています。でも、「兎じゃ」という狂阿弥へのリアクションのタイミングや宴全体の雰囲気づくりを細かく指導して行く黒澤監督の何と楽しそうなことか。時に狂阿弥の仕草を黒澤監督が演じて見せます。三郎(故 隆大介)の台詞を口にして、笑い方まで指導します。
シーン全体が少しずつ出来上がり、スタッフ全体が笑いに包まれてリラックスしていくのです。その光景たるや、夢にまで見た黒澤劇場そのものでした。その日は曇りの天候が理由で撮影は行われず、稽古だけで終わりましたが、翌日晴天化で本番撮影が始まりました。
が、その前に黒澤監督が行ったのは狂阿弥の狂言動作の変更でした。前日まで決まっていた動きを、より滑稽なものに変えたのです。とは言えなかなか動きが決まらない。何度やっても腰から扇子を抜く狂阿弥の仕草がしっくりこない。その間黒澤監督は一度も声を荒げることがありませんでした。常ににこやかに、実に楽しそうに狂阿弥の動きを見つめていました。
そこでぼそっと一言アドバイス。「途中で回ってみたら?」その通りにやってみる狂阿弥。「これで出来た」と笑顔の黒澤監督。かくして、白い徳利に2本の扇子を立てて兎の耳に見立てる仕草が完成したのです。」

画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/313268/LL_img_313268_5.jpg
スタッフ全員にリハーサルを見せる

これが『Life work of Akira Kurosawa』劇場公開用90分版の冒頭です。
今年国際映画祭で受賞したのは40分版の短編映画バージョンです。
2022年2月3日オニコフィルムアワード(ウクライナ)でベストドキュメンタリー映画賞を受賞したのを皮切りに、5月31日に東京ショーツ(日本)で最優秀ドキュメンタリー短編映画賞を受賞するまで、T.I.F.A.-ティエテ国際映画賞(ブラジル)でドキュメンタリー短編映画・アンフマ銀賞を、ニューヨーク映画賞(アメリカ)とミラノゴールドアワード(イタリア)でドキュメンタリー短編映画特別賞を、スタンレー映画賞(イギリス)で最優秀ドキュメンタリー短編映画賞を受賞し、ブルーズドルフィンズ毎月オンライン国際短編映画祭(インド)では最優秀監督賞を、ニューヨークネオリアリズム映画賞(イタリア)でベストドキュメンタリー映画賞を受賞しました。

画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/313268/LL_img_313268_20.jpg
数々の国際映画祭で受賞した映画

そしてロンドン国際月例映画祭でも名誉賞を受賞しているこの作品は、今年6月28日から『黒澤明のライフワーク』国際映画祭受賞報告50分版としてDOKUSO映画館: https://dokuso.co.jp/ でWEB配信されます。


■ピーター・バラカン氏のコメント
ビートルズの「ゲット・バック」に負けない素材の量にびっくりします。
とても面白い映画だと思います。
役者からいい演技を引き出す黒澤明の力量、
また作品全体のヴィジョンに改めて感銘を受けます。
プロデューサー泣かせだったことが有名ですが、
世界的評価に関して言えば
いまだに彼を越える日本の映画監督がいないことはこの映像から十二分に伝わってきます。
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