天と地をつなぐイカロスの回廊
夕暮れとともに虹があらわれる天の風呂
久住氏の左官技と石井氏の織部釉の陶板による地の風呂
柳氏によるアートルームプロジェクトのコンセプトドローイング
アートルームプロジェクトとして新たに誕生した客室の名称は「呼風(こふう)」となり、WEBサイトは以下URLとなります。
URL: https://hakutai.sumiya.ne.jp/artroom-kohoo/
「呼風」の宿泊予約のWEBサイトは以下URLとなります。
URL: https://reserve.489ban.net/client/sumiya/0/plan/id/119287/stay?noSearch=1
(1)アートルーム「呼風」について
アートルーム「呼風」は、現代美術家・柳幸典氏の作品世界を一晩滞在しながら体験していただく、露天風呂付きスイートルームです。昨年4月にリニューアルオープンしたロビー兼ギャラリーと共通する鉄製の扉を入ると、柳作品の象徴とも言える回廊が出迎え、その先にはベッドルームやダイニングルーム、そして2つの独創的な露天風呂があります。
陶芸家・石井直人氏、帯匠十代目・山口源兵衛氏、左官職人・久住章氏、和紙職人・ハタノワタル氏ら、京都・丹波を拠点に伝統の技を振るう作家・職人たちと、柳氏との協働によってつくりあげられた現代アート作品としての空間では、料理長・細井久仁彦によるお料理とともに、唯一無二の宿泊体験をお愉しみいただけます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_1.jpg
天と地をつなぐイカロスの回廊
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_2.jpg
夕暮れとともに虹があらわれる天の風呂
画像3: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_3.jpg
久住氏の左官技と石井氏の織部釉の陶板による地の風呂
※写真をご利用の際は「写真:泉山朗土」など明記いただけますと幸いです。
(2)アートルームプロジェクトを手掛けた柳幸典氏からのコメント
すみや亀峰菴でのプロジェクトは、旅館という宿りのための日本の伝統的空間と現代美術の融合という試みである。
旅人達を迎え入れるロビー兼アートギャラリー「百代」からアートと一体となったプライベートな客室「呼風」までを内と外、天と地、を表象する隧道でつなげるという構想で始まった本プロジェクトは、李白の詩「夫れ天地は万物の逆旅にして、光陰は百代の過各なり」の一節、そしてギリシャ神話でのイカロスが幽閉されていた迷宮から着想を得ている。
「百代」から続く鉄板による重厚な扉を開くと、天に向かう隧道と地に向かう隧道が過客(旅人)を迎える。
天を表象する客間は空(くう)をイメージする透明でミニマルな水の立方体の浴槽によるプリズムからの虹が視覚的な天を表現している。洋間の菊の作品の壁とイカロスの回廊の壁は和紙職人・ハタノワタル氏にお願いした。
対する地の表象としては、陶芸家・石井直人氏による登り窯の1200度を超える高温で焼かれ変形した破れ壺を、壺の裂け目から揺らめく焔とともに天に対峙させた。加えて左官職人・久住章氏による地に抱かれるような浴槽と、日没の前にひときわ焼ける夕日を思わせる土壁、そして裏山の木々の緑と鏡合わせに石井氏の織部釉の緑の陶板を壁にしつらえ、大地の生命感と死と再生の胎動を表現した空間となっている。
そして、天と地の狭間の和室の客間には、帯匠・山口源兵衛氏によりインスピレーションされた若冲の菊花が配される計画である。
禅語における「呼風」とは、風を呼ぶ力があるということから、不可思議な素晴らしい能力を持つ者についていう場合もあるとのことだが、まさしくそのような能力を持つ匠とのコラボレーションによる空間は、日本の伝統文化と現代美術が融合した新しい風を呼んでくれるものと願っている。そして天の間にしつらえた菊の紋様の壁と地の間にしつらえた日本刀による私の作品「菊と刀」から、現代の日本の再生の物語-天に近づきすぎて翼が焼かれ墜落するイカロス-について夢想していただけたなら、百代の過各をお迎えする逆旅としての本望である。
画像4: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_4.jpg
柳氏によるアートルームプロジェクトのコンセプトドローイング
■すみや亀峰菴の概要
屋号 : すみや亀峰菴
会社名 : 株式会社すみや亀峰菴
事業内容: 宿泊及び料理の提供 日本旅館協会加盟
創業 : 1955年10月
役員 : 代表取締役社長 山田智(やまだ・とも)
取締役副社長 井野毅(いの・たけし)
従業員 : 約65名
資本金 : 2千万円
所在地 : 〒621-0036 京都府亀岡市稗田野町柿花宮ノ奥25番地
アクセス: 京都駅からJR嵯峨野線 亀岡駅下車 車で15分程度
客室数 : 26室
電話 : 0771-22-7722
URL : https://www.sumiya.ne.jp/
■現代美術家・柳幸典(やなぎ・ゆきのり)氏について
http://www.yanagistudio.net/home.html
1959年福岡県生まれ。イエール大学大学院美術学部彫刻科修了。
1993年、第45回ヴェネチア・ビエンナーレに選ばれ、アペルト部門を日本人で初めて受賞する。以後ニューヨークにスタジオを構え、1996年サンパウロ・ビエンナーレ(ブラジル)、1997年ビエンナーレ・ド・リヨン(フランス)など多くの国際展に招待される。2000年のホイットニー・バイアニュアルでは、ニューヨーク在住の作家として外国人で初めて選ばれる。
1992年に直島コンテンポラリー・アート・ミュージアム(当時)の開館に伴い個展に招待された際に銅の精錬所廃墟がある犬島に出会い、1995年「犬島 アートプロジェクト」を着想する。2008年、明治の近代産業遺構と昭和の三島由紀夫のメッセージに自然エネルギーの技術を融合させた美術館、「犬島精錬 所美術館」を完成させる。
ニューヨーク近代美術館やイギリスのテート・ギャラリーなど多くの美術館に作品が収蔵され、ユーモアと社会性を帯びた挑発的作品は常に物議を起こし、その創作活動は美術の枠に収まらない。
画像5: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_5.jpg
柳幸典氏 Photo by Hideyo Fukuda
■すみや亀峰菴のリノベーションの概要
柳幸典氏の構想によるすみや亀峰菴の大規模なリノベーションは2期に分けて行いました。まず200平米のロビー兼ギャラリー「百代(はくたい)」の工事を完成させ、2021年4月26日にリニューアルオープンいたしました。このたびお披露目する「現代アートの中に泊まれる」140平米の客室は2回目の工期において完成するものとなります。
設計は、柳幸典氏と彼の建築チーム「YANAGI+ART BASE」(協力:広島大学八木研究室)が担っており、鉄の素材を大胆に使用するなど柳氏の作品らしさが存分に感じられる内装となります。リノベーションには、柳氏とともに、左官職人・久住章氏や陶芸家・石井直人氏、帯匠・山口源兵衛氏、和紙職人・ハタノワタル氏など、京丹波に在住する日本屈指の職人たちが携わっています。
<昨年4月の1回目の工期でリニューアルオープンしたロビー兼ギャラリー「百代(はくたい)」>
百代(はくたい)のWEBサイトURL: https://hakutai.sumiya.ne.jp/
画像6: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_6.jpg
旅館のエントランスに常設展示されている葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を引用した作品 Study for Japanese Art -Hokusai-
茶釜が置かれた一枚板のブビンガのカウンター越しに見える、久住氏が再現した「待庵」の土壁と柳氏の作品
柳氏の造形的・建築的センスが光るロビー兼ギャラリー
旅館のエントランスに常設展示されている葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」を引用した作品Study for Japanese Art -Hokusai-(国旗や紙幣などの砂絵を蟻に掘り崩させる「アント・ファーム」シリーズの一つとしてすみや亀峰菴のために制作)と久住氏の壁とのコラボレーション
画像7: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_7.jpg
柳氏の造形的・建築的センスが光るロビー兼ギャラリー
画像8: https://www.atpress.ne.jp/releases/308904/LL_img_308904_8.jpg
茶釜が置かれた一枚板のブビンガのカウンター越しに見える、久住氏が再現した「待庵」の土壁と柳氏の作品