1日分の野菜350g
イヌリア素材事務局では、健康維持の要は大腸であるという考えのもと、大腸内で起こる発酵を意味する『体内発酵』とそれにより作り出される『短鎖脂肪酸』の重要性について定期的に情報発信して参ります。
※体内発酵とは・・・大腸内で水溶性食物繊維などが善玉菌に発酵され、『短鎖脂肪酸』など有用物質が作り出されること。
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1日分の野菜350g
8月31日は野菜の日です。「8(や)」「3(さ)」「1(い)」の語呂合わせで、1983年に全国青果物商業協同組合連合会など9団体が制定しました。野菜には食物繊維を代表とする様々な栄養素が含まれており、普段の食事で積極的に摂りたいものですが、厚生労働省が推奨する1日分の野菜350g(※1)を毎日摂取するのは容易ではありません。食物繊維を意識して、毎日野菜を食べるよう努めている方も多いのではないでしょうか。食物繊維は水に溶けずに腸を刺激し蠕動運動を促す『不溶性食物繊維』と水に溶け善玉菌のエサになる『水溶性食物繊維』の大きく2つに分類され、不溶性:水溶性=2:1の摂取が推奨されています。葉物野菜などから摂れるのは『不溶性食物繊維』が多く、水溶性食物繊維は積極的に摂りたい栄養素の1つです。
(※1)出典:厚生労働省 健康日本21(栄養・食生活)
水溶性食物繊維は、善玉菌の最適なエサとなり腸内で発酵し、『短鎖脂肪酸』という物質を多く産生します。この『短鎖脂肪酸』は免疫力の向上や腸管バリア機能強化、肥満抑制、血糖値上昇抑制などに働くことが報告されており、体内発酵の効果は多岐にわたります。
さらに水溶性食物繊維は、栄養学観点からみるとイヌリン、β-グルカン、ペクチンなどさらに細分化されます。そのなかでも、『イヌリン』は大腸内での発酵力に優れているという論文データもあることから世界的にも注目が集まっています。英国を拠点としグローバルにニュートリションビジネスの調査、分析を行う The Center For Foods &Health Studies社が発行している業界専門誌「New Nutrition Business」では、“2020年はイヌリンイヤー”と紹介されていることからもその注目の高さが伺えます。
『イヌリン』は、ごぼう、たまねぎ、にんにくなどに多く含まれています。その他にも欧米ではキク科の植物であるチコリの根から抽出したイヌリンがメジャーな水溶性食物繊維であり、パンやお菓子などいろいろな製品でイヌリンを摂ることができます。日本でも最近では、粉末タイプのサプリメント商品が販売されており、1日に不足しがちな水溶性食物繊維を手軽に摂取できるようになりました。