富士フイルム株式会社(社長:助野 健児)の「結核迅速診断キット」が、財団法人 日本産業デザイン振興会が主催する「2019年度グッドデザイン賞」(*1)において、全受賞対象1,435点の中から、今年のデザインおよび社会の傾向を象徴する最も優れたデザインと認められるものに贈られる『グッドデザイン大賞(内閣総理大臣賞)』を受賞いたしました。当社として、グッドデザイン大賞の受賞は初めてです。
また、双眼鏡「FUJINON TECHNO-STABI TS-X 1440」や超音波画像診断装置「iViz air」などの4製品が、『グッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)』を受賞いたしました。グッドデザイン賞金賞は、社会の課題に対する取り組みとしての内容、将来に向けた提案性や完成度の高さなど、総合的な観点から優れていると評価されたデザイン19点に対して送られるものです。
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今回大賞を受賞した開発途上国向けの「結核迅速診断キット」は、免疫力の低下により、結核に感染するリスクが高く、結核が重症化しやすいHIV陽性患者に向けた、尿を検体に用いる迅速診断キットです。結核は、世界三大感染症(*2)の一つで、年間150万人が死亡(*3)している疾患です。なかでも、アフリカや東南アジアなど開発途上国の罹患者が占める割合は全体の86%に達しており(*3)、その伝播力と医療コストの大きさによって開発途上国の社会、経済活動に深刻な影響を与えています。
結核の診断には、喀痰が検体として広く用いられていますが、特に結核感染リスクが高いHIV患者や、小児・高齢者など、喀痰採取が難しいケースや、肺以外の部位で発症する肺外結核に対応するために、喀痰以外の検体を用いた新しい診断ツールが必要とされています。本キットは、採取が容易な尿を検体とし、当社が写真現像技術で培った「銀塩増幅技術」を応用。検体中にわずかに含まれる結核菌特有成分に結合させた目印となる標識の周りに、大きな銀粒子を生成させて検出します。簡単に操作できるように工夫された本キットのデザインや、電力供給などのインフラが安定していない開発途上国向けに電源、機器が不要となる仕様など、開発途上国が抱える社会課題の解決に取り組む当社の姿勢が評価され、受賞に至りました。
なお、本キットは、WHOが認定する審査基準の一つであるEU/IVDD(*4)へ2018年12月に適合し、現在は開発途上国への供給に向けて、WHOの推奨を取得するための臨床評価を各国の研究機関にて実施しています。本キットは日本国内での発売の予定はありません。
当社は、あらゆる製品・サービスの開発において、機能や性能を追求するとともに、その優れた機能を最大限に活かすデザイン開発に取り組んでいます。外観デザインの美しさに留まらず、コンセプト、簡単・快適な操作性、携帯性などに徹底的にこだわったデザインの実現により、製品の新たな価値創出を目指しています。
デザインを製品価値の一つととらえて注力する中、数多くの応募の中からグッドデザイン大賞および金賞に選ばれましたことを励みに、これからも優れた製品の開発に取り組んでいきます。
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■「結核迅速診断キット」
・免疫力の低下により、結核に感染するリスクが高く、結核が重症化しやすいHIV陽性患者に向けた、尿を検体に用いる結核の迅速診断キット。富士フイルムが写真現像技術で培った「銀塩増幅技術」を応用。検体中にわずかに含まれる結核菌特有成分に結合させた目印となる標識の周りに、大きな銀粒子を生成させて検出する。開発途上国の医療資源が限られる使用環境を想定し、電源や操作への高度な習熟は不要とした。なお、本キットは、結核とHIV患者の患者数が多い開発途上国に向けたものとして開発しており、日本での発売は予定していない。
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