レーザ発振機+チラーユニット
ガルバノスキャナ+制御コントローラ
二次電池アルミ缶封止
スパイラル溶接
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レーザ発振機+チラーユニット
ガルバノスキャナ+制御コントローラ
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近年自動車市場においてはEV化や自動運転化が進み、小型モータやセンサなど微細部品点数は増加し、また車両軽量化によるアルミの採用、母材同士の直接接合も増加しております。それら微細部品の銅やアルミの接合において高精度で安定した溶接が強く求められており、レーザ溶接への期待と需要が高まってきております。
今回発売したファイバレーザ溶接システムは、当社が長年培ってきたレーザ溶接技術に多くのお客様の声を取り入れて高出力化(最大出力1000W→1500W)し、さらにガルバノスキャナと組合せたことで安定した溶接を容易に実現するシステムといたしました。
本システムは以下で構成されます。
(1) シングルモードファイバレーザ(発振機+トランス)
特長:ビーム径が細く高いエネルギー密度で優れたビーム品質
(2) ガルバノスキャナ+コントローラ
特長:溶接ビード/スピードを制御してワークのクラックやスパッタを低減し、広範囲に安定した溶接を高速で実現
(3) 同軸カメラ
特長:ティーチングやポジション確認および接合時の溶接状態を観察できることで条件設定の容易化と加工品質の最適化を実現
(4) チラーユニット
特長:レーザ溶接機の発振効率を最大かつ安定化
これらを組合せることで、熱影響の少ない微小スポット溶接や細く深い溶け込みが必要な封止溶接、キーホール溶接に対応します。本システムを使用することで従来のレーザでは溶接が困難であった微小な溶接物や反射率の高いアルミや銅材などを、高品質に溶接することができます。
なお、今回はレーザ出力の異なる3機種(レーザ出力500W、1000W、1500W)を同時発売し、さらにシステム化することで従来当社比2/3の低価格でご提供いたします。自動車分野はじめ情報機器、医療、エネルギーなど様々な分野の接合シーンで生産性や品質の向上に貢献いたします。
日本アビオニクス株式会社は4工法の接合機器(抵抗溶接、レーザ溶接、超音波溶着、パルスヒート)を持つ精密接合装置の総合メーカです。半世紀以上の溶接ノウハウを有し、最適な機器のご提供だけでなく、材質・溶接形状・強度・外観などワークに関係したご相談から接合機器の全自動化やIoT化まで様々なご要望にお応えした最適なソリューションを今後もご提案してまいります。
<新製品ラインアップ>
1. LW-S500 (500Wファイバレーザ溶接システム)
2. LW-S1000 (1000Wファイバレーザ溶接システム)
3. LW-S1500 (1500Wファイバレーザ溶接システム)
<新製品の特長>
1. デジタル制御による安定溶接で生産性を向上
シングルモードファイバレーザ溶接機と、高速かつ高精度なガルバノスキャナを組み合せたことで、短時間で安定した溶接を実現します。
優れた集光性、ビーム品質と高いエネルギー密度をもつシングルモードファイバレーザと温度変化による位置ドリフト(ズレ)を抑制するデジタル制御のガルバノスキャナの組合せにより、再現性の高い安定した溶接ができます。
2. 熱ひずみの少ない高速溶接を可能とし、更なる品質の向上に貢献
接合ポイントを高速走査することにより熱ひずみの少ない溶接を可能とし、また、近隣部品への熱ダメージを軽減します。
シングルモードファイバレーザの細く深い溶け込みと、ガルバノスキャナのスパイラル(うず巻き)やサーキュラ(円弧を描きながらの横移動)の走査を組み合わせることにより、ビード幅の最適化ができ接合強度を高めます。また、同軸カメラにより溶接位置・溶接状態の確認が可能で、さらなる品質の向上に繋がります。
3. 微細な封止から大型のワークまで溶接が可能
シングルモードファイバレーザ溶接機のビーム(レーザ)は光の広がりが極めて少なく、照射距離が長くても細いビーム径を維持できるため、長いワークディスタンス(370mm以上)と広い溶接エリア(□150mm)に対応し、多彩なワークの溶接を可能とします。
また、発振機から出力する高品質なレーザをガルバノスキャナで波形制御しながら高速走査できるため、シーム溶接などの封止溶接にも対応します。
<ファイバレーザ溶接システムによる溶接アプリケーションとメリット>
■封止溶接
・二次電池 アルミ缶封止
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【メリット】
・溶接装置の小型化・省スペース化
・高速溶接
■アルミ、銅の溶接
スパイラル溶接
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サーキュラ溶接
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【メリット】
・シングルモードファイバレーザの細く深い溶け込みと、ビード幅の広い溶接で、接合強度が向上
・スポット、突合せ、封止など様々な溶接に対応
・スパッタを低減
■高速多点溶接
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【メリット】
・広い範囲にある多数の溶接ポイントを高速で溶接
溶接時間 約1.3sec(50×50mm 121shot)
・均一な溶接が可能
<仕様>
システム構成※1 :シングルモードファイバレーザ発振機(波長:1070nm)
昇圧トランス
ガルバノスキャナ※2
スキャナコントロールボックス
スキャナコントロール用PC
同軸カメラ
チラーユニット
専用ウエルディングソフトウェア
最大出力※3 :LW-S500 500W
LW-S1000 1000W
LW-S1500 1500W
スキャンエリア :150×150mm
最大スキャン速度 :2000mm/sec
ワークディスタンス :374mm(設計値)
ガルバノスキャナ制御方式:デジタル制御
溶接モード :スポット溶接モード
連続溶接モード
シーム溶接モード
冷却方式 :水冷
電源 :・レーザ溶接機
三相AC200V±10%、50/60Hz(昇圧トランスへ入力)
・チラー
三相AC200V±10% 50Hz/60Hz
・ガルバノスキャナ
単相AC100~240V±10% 50Hz/60Hz
使用環境温湿度 :5~40℃、~80%以下(結露なきこと)
最大消費電力 :・レーザ溶接機
LW-S500 2200W
LW-S1000 3300W
LW-S1500 4700W
・チラー
LW-S500 5300W
LW-S1000 8700W
LW-S1500 8700W
・ガルバノスキャナ
600W※4
外形寸法/質量 :・レーザ溶接機 ※突起部除く
LW-S500 W751×D983×H499/155kg
LW-S1000、LW-S1500 W751×D983×H499/165kg
・チラー ※突起部除く
LW-S500 W400×D850×H966/100kg
LW-S1000、LW-S1500 W530×D970×H1080/140kg
・ガルバノスキャナヘッド
W150×D440×H250mm/11kg(ケーブル類は除く)
・コントロールボックス
W300×D310×H123mm/7kg※3
※1:本システムに使用しているレーザ溶接機はクラス4に該当します。本システムの使用に際しては、JIS-C6802「レーザ製品の安全基準」に準拠した安全な作業をお願いします。
また、ファイバレーザ溶接機は外国為替および外国貿易法の規制によりリスト規制品に該当します。本製品を国外に持ち出す際には日本国政府の輸出許可等、必要な手続きをお願いします。
※2:ガルバノスキャナにはスタンド、ステージ部、カメラモニタ、照明類は含まれません。
※3:レーザ溶接機のQBHコネクタ端出力値です。ガルバノスキャナ端では光学素子により損失が生じます。
※4:コントロール用PC、PCモニタ質量を除きます。
<サンプル実験承ります>
お客様のワークで新製品の性能をご確認いただけるサンプル実験を実施しています。
当社Webサイトよりお気軽にお申し込みください。
・お申し込みWebページ
http://www.avio.co.jp/products/assem/experiment/index.htm