左より三矢氏、Rita Li(リタ・リー)氏、高木専務理事
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左より三矢氏、Rita Li(リタ・リー)氏、高木専務理事
■博報堂生活総合研究所と香港オクトパス、それぞれが描く「お金の未来」とは?
今回のセミナーでは、博報堂生活総合研究所上席研究員の三矢 正弘氏と、香港最大の電子マネー八達通(オクトパス)でセールス&マーケティング部長を務めるRita Li(リタ・リー)氏がゲストスピーカーとして登壇、全国からキャッシュレス化に取り組む企業や店舗経営者、金融業界関係の担当者ら約80名が参加しました。
【博報堂生活総合研究所】
最初に登壇した博報堂生活総合研究所の三矢氏は、「進貨論~生活者通貨の誕生~」をテーマに講演。まず、給与所得や家計消費、消費意欲の低下など日本の「お金」を取り巻く現状を示した上で、生活者のお金に対する信頼が揺らいでいること、さらにお金の電子化・キャッシュレス化によってお金の流動性が高まるにつれ、お金を「崇拝の対象」から本来の「価値を交換する道具」と認識する傾向が強くなっていることなどから、「生活者とお金の関係に大きな変化が起きつつある」と指摘しました。
そして、これからのお金の進化のカギとなるベクトルとして(1)お金の複線化(お金の定義の多様化)、(2)お金の小圏化(個人間でお金が流通する経済圏の誕生)、(3)お金の実名化(人と紐づいたお金の流通の活発化)を挙げ、従来の慣習やルールにとらわれず、お金と自由に向き合おうとする消費者が増加すること、そして生活者主導で、より簡単に素早く、楽しく価値交換できる新たな仕組み(生活者通貨)が誕生する可能性を示唆。「これからは、お金の多寡ではなく、お金の質=誰からどうやって得たお金なのかが問われる時代になる」との見解を示しました。
【オクトパス】
次に登壇した香港オクトパスのLi氏は、オクトパスが香港の社会インフラと言っても過言ではないほどに広く普及した成功要因について、小売店舗のみならずタクシーや地下鉄、船舶などの交通機関での利用が可能であること、またクレジットカードとQRコード決済の機能を兼ね備えたハイブリッドサービスをいち早く取り入れていることを挙げました。また、最近の取り組みとしてサムソン製スマートフォンで使用可能な電子決済サービスや、音声認識による決済サービスを紹介、「今後も時代や消費者ニーズの変化に柔軟に対応しながら、キャッシュレス化を推進し、より便利で快適な社会の実現に貢献していきたい」との決意を述べました。
講演後には当協会専務理事の高木 純がモデレーターを務め、ゲストスピーカー2名とのパネルディスカッションを行い、「ここだけの話」としてキャッシュレス化やお金の未来について、お二人の個人的見解をヒアリングしました。Li氏からは「日本は、決済方法だけでなく外国人への言語面でのサポートが進んでいない。例えばレストランの予約やメニュー選択が英語でできるようになれば、外国人の利用が増え、結果としてキャッシュレス化の推進にもつながるのではないか」との意見が聞かれました。
日本キャッシュレス化協会では、今後も定期的にキャッシュレス化に関するセミナーや勉強会を開催し、日本のキャッシュレス化促進に貢献して参ります。なお、次回セミナーは2018年10月18日(木)を予定しています。詳細は決まり次第、ホームページ等でお知らせします。
■開催概要
日時 :2018年8月23日(木) 13:30~16:40
会場 :TKP東京駅セントラルカンファレンスセンター ホール11A
〒103-0028 東京都中央区八重洲1-8-17 新槇町ビル11階
参加人数:80名
■一般社団法人日本キャッシュレス化協会について
所在地 : 〒104-0061 東京都中央区銀座1-14-5 銀座ウィング南3F
TEL : 03-6328-2636
HP : http://cashless-japan.org
代表 : 代表理事 小禄 邦彦
設立 : 2017年11月
活動内容: 日本のキャッシュレス化を推進する企業や団体への支援等
顧問他 : 高木 純(専務理事、株式会社NIPPON PAY代表取締役社長)
鶴保 庸介(参議院議員、参議院資源エネルギーに関する調査会会長/
自民党観光立国調査会事務局長/元内閣府特命担当大臣)