ボタニカルニュートリション研究会
講演中の本多先生
講演中のチャンウェイゴ先生
会場には多くの記者が来場。発表を熱心に聞く姿が見られました
「ボタニカルニュートリション研究会」は、世界の人々が豊かな食生活を送るため、ライフサイエンスに基づいて環境負担の低いサスティナブルな栄養素の研究や、取り組みに関する情報発信および共有、などの活動を通じて、社会に貢献することを目的に発足したものです。
当日は、甲南大学理工学部生物学科教授の本多 大輔先生より、ラビリンチュラ類と系統分類と海洋生態系における役割について、DSMニュートリションプロダクツチャイナニュートリションサイエンス&アドボカシーディレクターのチャンウェイゴ先生より、『ボタニカルDHA』の臨床試験に基づいた有用性についてお話していただきました。
◆DSMニュートリションジャパンのサスティナビリティへの取組み
まず、ボタニカルニュートリション研究会協賛企業で、サスティナビリティで世界的に評価されている、DSMニュートリションジャパン株式会社水野 慎一郎氏より「サスティナビリティな考え方と取り組み事例」についてお話していただきました。
「サスティナビリティとは、今ある地球をそのまま次世代に引き継いでいくことで、サスティナビリティを高めていくために、微細藻類由来の『ボタニカルDHA』がある。DHAは魚から摂取するのが一般的だが、魚が作っているわけではなく、魚が摂取する微細藻類が作り出していることがわかってきている。DHAは人間にとって必要な栄養素だが、全ての人間が必要量のDHAを魚から摂取しようと思うと、魚を絶滅させてしまう可能性もある。『ボタニカルDHA』であれば、培養して増やすことが出来るので、持続可能なサスティナブルな栄養素である。」と紹介されました。
◆ラビリンチュラ類の生態系における理解が、魚類のDHA蓄積の謎を解く手掛かりに
続いて、基調講演「ラビリンチュラ類と系統分類と海洋生態系における役割について」として、甲南大学理工学部生物学科教授 本多 大輔先生より、解説いただきました。
本多先生は、「『ボタニカルDHA』を作り出すシゾキトリウムは、ラビリンチュラ類に分類され、微細藻類の仲間と言うことが出来る。ラビリンチュラ類は、油を蓄積出来る生物で、『石油を作る藻類』ともいわれ世の中で注目されている。現在、魚類にどんな生物がDHAを供給しているのか、まだその謎は解明されていないが、その生物の候補の1つが、ラビリンチュラ類である。世界中の海水中のDNAを分析すると、ラビリンチュラ類の遺伝子配列は、珪藻類のおよそ10%に相当する量として存在している。ラビリンチュラ類の生態系における理解が、魚類のDHA蓄積の謎を解く手掛かりになるかもしれない。これらの謎を明らかにするため、研究を続けている。」とご説明されました。
◆DSMの研究する『ボタニカルDHA』が秘める可能性
本多先生よりラビリンチュラ類の可能性をお話いただいた後、DSMニュートリションプロダクツチャイナニュートリションサイエンス&アドボカシーディレクターのチャンウェイゴ先生よりDSMの研究する『ボタニカルDHA』の機能と事例についてお話しいただきました。
ウェイゴ先生は、「『ボタニカルDHA』はNASAの研究から生まれ、現在までに様々な研究がなされ、いろいろな形で使われるようになってきている。『ボタニカルDHA』は、環境に影響を与えることなく作れるので、サスティナブルで持続可能な原料、魚由来ではないので菜食者向け、アレルギーフリー、遺伝子組み換えでない、海洋汚染物質や重金属を含まない、という特徴がある。DHAは脳内の脂肪酸の10~15%を占めており、脳の中の実行機能、集中力を保ち問題を解決する記憶力、空間学習能力、事実や出来ごとを思い出す能力、この4つの分野の能力を引き出すと考えている。子供の脳内の前頭葉皮質活性、脳外傷に対する効果、妊婦の早産や低出生体重リスクの低減、などの研究が行われている。また、『脂肪酸の中のDHA・EPAの割合が1%上昇すると、死亡率が減少する』という最新の研究結果を、昨年6月に発表した。」として、これまでの研究や、現在の研究トピックスについて紹介されました。
今回、総勢29名のメディア関係者に来場いただきましたが、『ボタニカルDHA』と魚から摂取するDHAの効果の違いや、『ボタニカルDHA』の活用事例について積極的に質問する記者もおり、盛会に終わりました。
ボタニカルニュートリション研究会ホームページ http://bon-lab.academy