α波含有率
タオルのなめらかさ評価
気分について
タオルを触った時の脳波測定の様子(イメージ)
(1) 布製品に触れた時に「快適と感じる感触とは何か」について因子解析を行い、「なめらかさ」が重要な因子であることを見出しました。
(2) やわらかさに加えて「なめらかな感触」を付与することで、布製品に触れた時にリラックス効果がもたらされることを主観評価と脳波測定により確認しました。
■研究の背景
近年、布製品の「感触」に対する関心が高まり、“上質な肌触り”が求められています。一方で、繊維加工技術の進化により、やわらかさを格段に高めたタオルや、着心地を重視した機能性肌着が市場に登場しています。
当社では、洗濯などの家事行動における快適性に関する科学的な研究に取り組み、これまでに洗濯物を“消臭・香り付け柔軟仕上げ剤”で処理することで、生活者が洗濯物を畳む時に感じるストレスが軽減されるなどの効果を、生理評価により検証してきました。
この度は、布製品における「快適な感触とは何か」を因子解析すること、そして「快適な感触をもつ布製品を触ること」がもたらす主観的・生理的な影響を明らかにすることを目的に研究を行いました。
■研究の結果
1) 「快適な感触」は「なめらかさ」が重要
素材や加工の違う様々な感触を持つ布製品(タオル11点、肌着10点)を用い、女性8名 男性2名を対象に、「快適と感じる感触」に繋がる因子(感触を表す形容詞10対に対する評価)を解析した結果、タオル・肌着いずれも「なめらかさ」の数値が高いほど快適であると判断することが分かりました。さらに、布製品の様々な力学特性値のうち「快適さ」と相関する因子を抽出した結果、タオル・肌着ともに表面の摩擦特性値(タオル:摩擦係数の変動、肌着:摩擦係数)と相関があることが分かりました。すなわち、布製品の表面の「なめらかさ」(摩擦特性値が小さいこと)が、「快適」と判断するのに重要な因子であることを見出しました。
次に、3種の柔軟仕上げ剤で処理したタオルの「なめらかさ」について官能評価を行った結果、特定のシリコーン(シリコーンA)配合により「なめらかさ」が高められることが分かりました。同時に、表面の摩擦特性値を測定した結果、シリコーンAを配合した柔軟仕上げ剤Aで処理した布表面は、従来の柔軟仕上げ剤(B、C)で処理したものよりも摩擦係数の変動の数値が小さく、従来の柔軟仕上げ剤と比べ、より「快適な感触」に仕上がっていることが分かりました。
・タオルのなめらかさ評価
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_2.jpg
評価布 :綿タオル
処理法 :柔軟仕上げ剤処理3分→脱水1分→室内吊干し乾燥
評価法 :(官能評価)シェッフェ一対比較による
:(摩擦特性)KES NT-01(カトーテック株式会社)
サンプル:柔軟仕上げ剤A カチオン界面活性剤+シリコーンA
柔軟仕上げ剤B カチオン界面活性剤+シリコーンB
柔軟仕上げ剤C カチオン界面活性剤
2) 「やわらかく、なめらかな感触」を付与することでもたらされるリラックス効果
次に、布製品の「なめらかな感触」がもたらす快適性について、主観評価・生理評価を行いました。同じ綿タオルを2種類の柔軟仕上げ剤でそれぞれ処理を行い、乾燥後の「やわらかさ」や「なめらかさ」といった肌触りのレベルが異なるタオルを試験サンプルとして作成しました(従来の柔軟仕上げ剤で処理したものをタオルP、やわらかく、なめらかな感触が高められたサンプルをタオルQとし、以下、タオルQを「なめらかな」タオルと表記)。2つのタオル表面を手でなでるように触った時の「気分」の変化や「脳波」への影響を評価しました。
タオルに触った時の主観評価では、「なめらかな」タオルを触った時の方が、タオルPを触った時と比較して、気分について「リラックスした」「癒された」「心地よい」の各項目が、高くなる傾向にあることが分かりました。
さらに、2つのタオルを触った時の脳波測定(下図イメージ)を行いました。その結果、「なめらかな」タオルの表面を触った後には、リラックスしているときに発生するα波の含有率が、タオルPを触った時よりさらに有意に増加しました(安静閉眼時)。α波含有率と「リラックスした気分」との間に相関関係が見られました。以上により、主観評価だけでなく脳波測定からも、「なめらかな」タオルを触った方が「リラックスした状態」になることを確認しました。
・気分について
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_3.jpg
・タオルを触った時の脳波測定の様子(イメージ)
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_4.jpg
・α波含有率
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_1.jpg
<実験条件>
評価パネル:20-50代女性22名
サンプル :2種類の柔軟仕上げ剤で処理した綿タオルと未処理の綿タオル
評価項目 :・主観評価
タオルに触った時の感覚をVAS(Visual Analogue Scale)法で数値化
・脳波測定
柔軟仕上げ剤処理したタオルの評価平均と未処理タオルの評価平均の差分で解析
今回の検証の結果、「なめらかな」タオルを手で触った感触の違いによって、有意にリラックス効果が高まることを脳波測定等により確認することができました。この結果は、布製品のお洗濯における快適性研究において、有意義な一歩であり、当社では、今後も「上質な肌触り」や「快適さ」をもたらす研究を進めてまいります。
■学会発表概要
<平成28年度 繊維学会秋季研究発表会>
◎発表日 2016年9月20日(火)
◎会場 山形大学 米沢キャンパス
◎演題 ・生活者が求める快適な感触に関する研究
橋本 恵美子1(*1)、石川 沙枝(*1)、小倉 英史(*1)
・なめらかさを付与する家庭用柔軟仕上げ剤の研究
石川 沙枝(*1)、橋本 恵美子(*1)、小倉 英史(*1)
<第18回日本感性工学会大会>
◎発表日 2016年9月10日(土)
◎会場 日本女子大学 目白キャンパス
◎演題 ・柔軟仕上げ剤が付与する感触の主観評価と生理反応
安達 侑里(*1)、大木 亨(*1)、藤井 日和(*2)
共同研究者 宮原 岳彦(*1)、岡本 貴弘(*1)、金井 博幸(*3)、西松 豊典(*3)
(*1)ライオン株式会社 ファブリックケア研究所 所属
(*2)ライオン株式会社 快適生活研究所 所属
(*3)信州大学 繊維学部 先進繊維工学課程 所属
■関連情報 生活情報メディア“Lidea”
やわらかくなめらかな触感に♪衣類を上質に仕上げるお洗濯方法
https://lidea.today/articles/932
■『ソフラン クイーンズシルク』の概要
<商品特長>
『ソフラン クイーンズシルク』
衣類をなめらかな肌触りに仕上げるプレミアム柔軟仕上げ剤
<香り>
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_5.jpg
左から
ソフラン クイーンズシルク ラグジュアリーブーケアロマの香り
ソフラン クイーンズシルク ブリリアントローズアロマの香り
※2016年秋の新製品(7月20日発売)
■『香りとデオドラントのソフラン』の概要
<商品特長>
『香りとデオドラントのソフラン』
イヤなニオイを消臭し、天然アロマのナチュラルな香りが楽しめるアロマ柔軟仕上げ剤
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_6.jpg
左から
香り&防臭 フローラルアロマの香り
アロマソープの香り
プレミアム消臭 ホワイトハーブアロマの香り
フルーティグリーンアロマの香り
■『ソフラン アロマリッチ』の概要
<商品特長>
『ソフラン アロマリッチ』
奥深い香りが1日中長続きする衣料用柔軟仕上げ剤
<香り>
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_7.jpg
左から
ソフラン アロマリッチ ソフィア
ソフラン アロマリッチ クリスティーヌ
ソフラン アロマリッチ ジュリエット
ソフラン アロマリッチ ダイアナ
ソフラン アロマリッチ スカーレット
※ソフィアとクリスティーヌは2016年秋の新製品(8月31日発売)
■そのほかの柔軟剤
<商品特長>
https://www.atpress.ne.jp/releases/113598/img_113598_8.jpg
画像左から
・『しわスッキリソフラン』
しわ防止成分配合、しわをおさえ、なめらかな肌触りに仕上げる柔軟仕上げ剤
・『ふんわりソフラン』
植物生まれの柔軟成分配合で、肌にやさしい柔らかさに仕上げる柔軟仕上げ剤
・『部屋干しソフラン』
洗濯物の生乾きのイヤなにおいを抑える柔軟仕上げ剤
・『ケアベール柔軟剤』
衣類でチクチク感じやすい乾燥・敏感肌のための柔軟剤
※LIONオンラインショップのみの取扱い
<消費者の方> お客様センター 0120-556-973