
イスラエル行きの旅客機の副操縦士が意図的な墜落を図った疑いがある事件を巡り、インド人機長への称賛が相次いでいる。刃物で刺されて傷を負いながら、抵抗して反撃の「糸口」を見いだしたとして、関係国の首脳からも「英雄だ」との声が相次いだ。
インドメディアによると、機長はインド出身でアラブ首長国連邦(UAE)のドバイで暮らすスミット・マッチャールさん。インドの航空会社で11年勤務した後、2022年6月から今回事件が起きた機体を運航する「フライドバイ」の機長を務めるベテランの操縦士だ。
旅客機は9月30日、UAEからイスラエルに向かっていた。マッチャールさんは操縦室内で副操縦士に刃物で刺されて出血しながらも、操縦室のドアを開ける解錠ボタンを押した。
旅客機は一時急降下したが、機長が「糸口」を作ったことで、異変に気づいた乗客らは操縦室への突入に成功し、副操縦士を制圧。その後、サウジの空港に緊急着陸した。
マッチャールさんはサウジの病院で治療を受けているが、容体は安定しているという。インドのモディ首相は1日、X(ツイッター)に「真の英雄だ。重傷を負いながらも人々の命を守るために並外れた勇気と揺るぎない決意を示した」と称賛した。イスラエルのネタニヤフ首相も「並外れた勇敢さに敬意を表する」と投稿した。【ニューデリー松本紫帆】
