
日銀の増(ます)一行審議委員は10日、福井市で講演した。中東情勢の悪化に伴う物価高について「一時的なショックと言うより、基調的なものとして物価を押し上げるのではないかと懸念される」と強調。「最も大切なことは、基調的な物価上昇率が2%を大きく超えないように抑えることだ」と語り、利上げの姿勢を維持した。
日銀は17、18日に金融政策決定会合を控えており、市場は利上げを9割以上織り込んでいる。日銀は6月会合で政策金利を1・0%程度に引き上げた。9月に利上げをすれば、市場がこれまで見込んでいた「半年に1回程度」という利上げのペースが速まることになる。
講演後に記者会見を開いた増氏は、利上げのペースについて「その都度考えていく」と述べるにとどめた。また、一時的な要因を除いた基調的な物価上昇率に触れ、目標の2%に「そろそろ届くと思うが、大きく超える状況が見えるわけではない」と話した。
一方、現行1・0%程度となっている政策金利は、景気を熱しも冷ましもしない「中立金利」として日銀が推計している値(1・1~2・5%程度)に達していない。これに対して「不自然な状態。(推計値の)中に入れることで、利上げや利下げを機動的にできることが大切だ」と指摘した。【高田奈実】
