
厚生労働省は25日、子宮頸(けい)がんを予防する9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの効能効果に、肛門がんの予防などを追加し、接種対象を男性にも広げることを承認した。
対象は9歳以上で、接種回数は15歳未満で2回、15歳以上で3回。男性については公費負担となる定期接種ではないため、自費での任意接種となるが、健康被害が出た場合は救済の対象となる。
これまで国内で男性向けに承認されていたのは、肛門がんと、性感染症の尖圭(せんけい)コンジローマの予防を目的とした4価ワクチンのみだった。
HPVワクチンは国内では2013年から、小学6年~高校1年の女性を対象に定期接種となっている。ウイルスの型への対応に応じて2価、4価、9価と呼ばれる3種類がある。9価が最も多くの型に対応しており、23年度から定期接種の対象になった。
欧米では男性にも定期接種化が進んでおり、厚労省の専門部会が議論を継続している。東京都など自治体が独自に接種費用を助成する動きも広がっている。【中村好見】