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アイヌ民族の遺骨20体を返還、埋葬へ 関連団体が慰霊の儀式担う


 国土交通省は9日、白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の慰霊施設に安置されているアイヌ民族の遺骨19体を14日に小樽市のアイヌ関連団体「インカルシペの会」に返還すると発表した。遺骨が出土した地域にウポポイから返還されるのは、2023年の恵庭市に続き2例目。同会によると、同時に小樽市総合博物館からも1体返還される。

 同会によると、14日にウポポイで遺骨と副葬品の返還式を行い、同会が慰霊の儀式を担う。埋葬場所は市が提供し、25日に市営の中央墓地に埋葬される。

 ウポポイの19体のうち16体は、旧東京帝国大医科大(現東大医学部)の元教授で人類学者の小金井良精(よしきよ)氏(1859~1944年)が同市住ノ江付近の墓地から持ち去ったという記録がある。

 3体は、1878年に同市手宮周辺から見つかり、北海道大が保管していた1体と、市内の遺跡発掘などで出土した2体。市総合博物館の1体は同市祝津で出土したとされる。

 政府が2019年にまとめた基本方針では、直ちに返還できない遺骨は出土地域側の受け入れ体制が整うまで、ウポポイに集約する方針とされている。

 返還のためには受け入れ側の体制整備が必要となるが、小樽のアイヌ民族は1800年ごろ約600人いたとされ、ニシン漁の拡大に伴う強制移住などにより1900年前後にいなくなったと考えられており、小樽にアイヌ関連団体はなかった。このため、2021年に市内外の有志がインカルシペの会を結成した。

 同会は23年10月に遺骨の返還を申請し、24年7月に返還が決定した。墓地の整備や遺骨を運ぶ費用などは大学側が負担する。同会は遺骨が持ち去られた経緯やアイヌ民族の先祖に向けた言葉を記した看板を墓地に設置する。

 同会の木村二三夫さん(76)は「アイヌも小樽市民の一人。先人の尊厳を取り戻し、あるべき姿に戻すことは大きな意味がある。他の地域にも続いてほしい」と話した。【森原彩子】

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