
トランプ米大統領は4日、大型減税を盛り込んだ「一つの大きな美しい法案」に署名し、同法が成立した。トランプ氏はホワイトハウスの南庭で開かれた署名式で演説し「法案が経済成長に火を付け、国を支える勤勉な市民たちを押し上げることになるだろう」と訴えた。ただ、減税の財源には社会保障費の削減などが充てられ、それでも連邦政府の財政赤字は今後10年で3・4兆ドル(約490兆円)増えるとの試算がある。
トランプ氏は演説で「約束は守られた。民主主義の勝利だ」と強調。「米国史上最大の減税で経済はロケットのように上昇するだろう」と語った。その後、議会共和党指導部や政権幹部が見守る中で法案に署名した。
トランプ氏は独立記念日の7月4日までの成立を目指し、前日の3日に僅差で連邦議会下院を通過。署名式は独立記念日の関連行事に合わせて行われ、式典の開会に際しては、イラン核施設に大型地下貫通弾(バンカーバスター)を撃ち込んだことで知られるB2ステルス爆撃機がホワイトハウス上空を飛行した。
成立した法には1次政権(2017~21年)で始めた所得減税のほか、飲食店従業員らが受け取るチップや残業代の非課税化、国境対策の強化などトランプ氏が24年大統領選で訴えた公約が多数盛り込まれている。【ワシントン金寿英】