
「ジューンブライド」と呼ばれ、結婚式を挙げるカップルが多い6月。だが、年間を通して見ると婚姻件数は長期減少傾向にあるうえ「家族婚」や「親族婚」といった少人数での式も増加。さらには、挙式や披露宴をしない「ナシ婚」も広がっている。
矢野経済研究所によると、2024年のブライダル関連市場(挙式披露宴、新婚旅行、ジュエリーなど主要6分野の合計)は、前年比99・9%の1兆8448億円の見込み。新型コロナウイルス禍前の19年と比べ約76%の水準にとどまっている。
市場のなかで最も規模が大きいのは、挙式披露宴・披露パーティー市場だ。24年は挙式の数が減り、出席者の数も完全に戻らなかったことから、売り上げはわずかな伸びにとどまったと分析する。
家族婚や、結婚衣装での撮影のみを基本とする「フォト婚」など、小規模で個人の価値観に沿ったスタイルが主流になりつつあり「ナシ婚」も一定数を占めるようになった。
厚生労働省が4日に発表した24年の人口動態統計(概数)によると、婚姻件数は48万5063組で23年より1万322組増えた。2年ぶりの増加だが、ピークの1972年に比べると半分以下で、近年は減少傾向が続いている。
そうしたなか、業界ではどこに力を入れているのか。【隈元悠太】