
物価高対策や「政治とカネ」が争点となった東京都議選が22日投開票された。自民党は「政治とカネ」、国民民主党は参院選の候補者公認と見送りを巡る混乱などで、無党派層が多い首都の「風」は吹いたりやんだり。ただ「旋風」にはならず、突出した勝者が見えにくい決戦となった。
大田区(定数7)では、自民非公認となった現職の鈴木章浩氏(62)の落選が確実となった。
会派裏金事件の舞台となった政治資金パーティー開催時の幹事長だった鈴木氏は4月に都議会の政治倫理条例検討委員会に参考人招致され、「前例を踏襲してしまった」と弁明を繰り返した。他会派の委員から「納得いくものではない」と批判を浴びていた。
逆風の中で迎える選挙戦となったが、告示日に都連会長である井上信治・元万博担当相が応援に駆けつけるなど自民は公然と応援し、区議団幹部は「非公認であっても自民党の仲間」と話していた。
街頭演説では「今回の選挙は、私の評価以上に政治資金パーティーの問題で注目が集まってしまい、おわびします」と陳謝した。
一方で、物価高で苦しむ現場の声が国に伝わっていないと指摘。「皆さまの声を国政や都政につなぐことが使命だと思っている」と訴えたが、有権者の支持は広がらなかった。【洪玟香】