
インド西部アーメダバードで12日に墜落したエア・インディア機を巡り、ロイター通信は13日、墜落原因の調査がエンジンの推力や翼のフラップ(高揚力装置)の状況、離陸後も車輪が出たままだった理由などの問題に焦点を当てて進められていると報じた。現場からは同日、飛行データを記録した「ブラックボックス」1個が回収されており、インド当局などは原因の特定を急いでいる。
旅客機は12日、アーメダバードの空港を離陸した直後に高度約250メートルから降下し、空港の先約1・5キロにある医学生宿舎の食堂付近に激突した。
テレビの映像では、当該機は車輪の出た状態で、機首を上に向けたまま高度を下げて墜落する様子が伝えられた。
ロイターによると、機体のメンテナンスを含め、エア・インディア側に過失があったかどうかも調査対象になっているという。鳥がエンジンに吸い込まれるバードストライクについては、現時点で主な調査対象とはされていないとしている。調査にはインドの他、米英両国の専門家や捜査関係者も携わっている。
墜落したのはボーイング787―8型機「ドリームライナー」。エア・インディアによると、乗客・乗員242人のうち、241人が死亡した。地上で巻き込まれた死傷者も多いとされる。
インドの航空当局は13日、エア・インディアが所有する787のすべてを対象に安全点検を行うよう命じた。【アーメダバード松本紫帆】