佐賀・児福施設職員切りつけ 容疑者「子ども返して」と暴れ5月に保護

　佐賀市の児童福祉施設で女性職員が包丁で切られ死亡した事件で、殺人未遂容疑で逮捕された佐賀県武雄市のパート従業員の女性（28）が、5月13日に市内の別の福祉関係機関で「子どもを返して」などと叫び、県警に一時保護されていたことが、県警佐賀北署への取材で判明した。同署は事件との関連を含めて調べている。

　同署によると、別の機関で叫んで暴れたため、県警が女性を一時保護し、精神保健福祉法に基づき県に通報した。女性は医師の診察などを経て入院措置の必要なしと判断され、13日のうちに家族に引き渡された。

　事件の逮捕容疑は5月31日午後5時40分ごろ、佐賀市金立町の児童福祉施設の建物内で、職員の川原千恵さん（55）＝佐賀県小城市＝の両腕などを包丁で切りつけたとしている。川原さんは搬送先の病院で1時間半後に死亡した。女性は施設にいる関係者を訪ねて1人で来たとみられ、調べに対し「記憶にないから分からない」と供述しているという。【山口響】