
斎藤元彦・兵庫県知事の疑惑を告発した元県西播磨県民局長(故人)の私的情報について、県の第三者調査委員会は27日、元県総務部長の井ノ本知明氏が県議3人に漏えいしたと認める調査結果を明らかにした。「漏えい行為は知事らが指示した可能性が高い」と結論付けた。
県は職務上知り得た秘密を漏らしたとして、井ノ本氏を懲戒処分とする方針。
私的情報は元局長の公用パソコンに保存されていた。週刊文春は2024年7月、井ノ本氏が職員や県議に見せて回っていると報道。これを受け、弁護士でつくる第三者委が経緯などを調査していた。
第三者委は井ノ本氏が私的情報を漏らしていたと認定。井ノ本氏は調査に対し、「知事から(私的情報を)議会と共有しておいたら」と提案を受けたと説明したことを踏まえ、漏えいは知事らによる指示の可能性が高いと結論付けた。
井ノ本氏は24年10月、県議会調査特別委員会(百条委)の尋問で、私的情報のデータを印刷したファイルを所持していたことは認めたが、第三者に見せたかについては証言を拒否していた。
一方、百条委の聞き取りに対し、県議2人は井ノ本氏から私的情報の内容を口頭で説明されたり、データを印刷した文書を見せられたりしたと証言したことが明らかになっている。
百条委は漏えいについて刑事告発を含めた厳正な対応を県に求めていた。【稲生陽、山田麻未、栗田亨】