
埼玉県八潮市で1月に道路が陥没してトラックが転落した事故で、県は2日、下水道管内で1人の遺体を発見したことを明らかにした。安否不明になっている男性運転手とみて、県警などが身元の確認を進める。
県はこの日、約2カ月半ぶりに男性運転手の本格的な捜索を再開。防護服などを身につけた消防隊員らが早朝から下水道管内部に入り、人とみられる姿が確認されていた運転席部分を改めて調査したところ遺体を発見、収容した。
事故は1月28日に発生。崩落の恐れなどから捜索活動は難航し、県は汚水を迂回(うかい)させるためのバイパス(仮排水管)設置工事や下水道管内に人が入れるようにするための掘削などを進めていた。
各工事が概ね完了したことを受け、1日には事故発生後初めて下水道管内部に消防隊員らが入り、状況を調査。下水の水位や土砂の状況などを調べながら運転席部分に近づき、人とみられる姿があるのを目視で確認していた。県は硫化水素の濃度などから2次災害発生の可能性は低いと判断し、2日から捜索を再開した。
県は下水道管内に残されている運転席部分を回収した後、現場の本格的な復旧工事に着手する方針。下水道管の交換や複線化を実施する計画で、完了まで5~7年かかる見通しを示している。【板鼻歳也、鷲頭彰子】