
茨城県は15日、採石法に基づいて県が事業者に行う認可手続きをめぐり、担当職員が認可書など公文書6件を偽造していたと発表した。県が職員の処分を検討している。
採石法では、採石事業者から認可や採取計画の変更申請を受けた場合、県は採石場がある市町村に意見書の提出を求め、現地調査を経て認可の可否を決定する。事業者に認可書を送付し、市町村にも写しを送る。
県技術革新課によると、担当職員は2023年4月、認可申請の事務手続きの過程で、課内の決済手続きを経ず、知事の公印を含む認可書を偽造して事業者に交付。変更認可申請の手続きでも、笠間、桜川両市に送る意見照会の公文書と、両市から受け取るべき意見書をそれぞれ偽造するなどした。偽造は今年1月まで続けていた。
笠間市から2日に「認可書の写しが交付されていない」などと問い合わせがあり、発覚。県の聞き取り調査で職員は「業務多忙で決済を取るのに課内への説明が負担だった」などと話したという。
県は公文書偽造罪などに当たる可能性があるとして県警に相談しており、刑事告発も検討。採石法の認可基準を満たしているため、事業者の申請自体に問題はないという。
この日の記者会見で砂押道大・県産業戦略部理事は「県民の信頼を著しく損ね、大変申し訳ありません」と謝罪。認可申請の進捗(しんちょく)を職員で共有するなどし、再発防止に努めるとしている。【鈴木敬子、鈴木美穂】