
フィリピンのドゥテルテ前大統領が推し進めた薬物犯罪対策「麻薬戦争」を巡り、フィリピン大統領府は11日、香港からマニラの空港に到着したドゥテルテ氏を逮捕したと発表した。国際刑事裁判所(ICC、本部・ハーグ)が人道に対する罪でドゥテルテ氏の逮捕状を出していた。
ドゥテルテ氏は南部ダバオ市長時代から、薬物密売人らに対し、裁判なしで殺害することも辞さない強硬な姿勢を貫いた。2016年に大統領就任後は超法規的な取り締まりを国レベルでも実行し、6年間の任期中に少なくとも6600人が命を落としたとされる。
地元メディアによると、ドゥテルテ氏はフィリピン人の出稼ぎ労働者との政治集会に参加するため香港を訪問。11日に帰国したところを拘束された。【バンコク石山絵歩】