宇宙ベンチャー「スペースワン」(東京都)は18日午前11時、和歌山県串本町の民間ロケット発射場から、人工衛星を搭載した小型ロケット「カイロス」2号機を打ち上げた。12月14、15日には上空の強風の影響で2日連続して発射を直前で中止し、この日に延期していた。
カイロスはスペースワンが独自開発した固体燃料式の小型ロケットで、全長約18メートル。京都の新興宇宙企業が開発した重さ約50キロの衛星や、台湾国家宇宙センターの実験用衛星など計5基を積んでいる。これらを地球周回軌道に投入できれば、民間単独としては国内初となる。
カイロス初号機は今年3月、内閣官房の小型衛星を搭載して打ち上げられたが、約5秒後に自ら爆発。ロケットが誤って「速度不足」と判断したためで、今回は設定を見直した。
スペースワンはキヤノン電子やIHIエアロスペースなどが出資して2018年に設立された。世界的に小型衛星の打ち上げ需要が高まっていることから、低コストかつ高頻度に宇宙へ衛星を運ぶ「宇宙宅配便」の商用化を目指している。
同社は18日午後に記者会見を開き、衛星の軌道投入の成否などの詳細を説明する。【駒木智一、加藤敦久】