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NHK報道拠点の新建物が完成 資材高騰で建設費は57億円増


NHKは東京・渋谷の放送センター再建プロジェクトにおいて、中心的な役割を果たす「情報棟」が完成したと発表しました。情報棟にはニュースセンター、ラジオセンター、国際放送スタジオが含まれ、建設費は当初の600億円を超え657億円となりました。この費用増加は建築資材や人件費の高騰が原因とされています。現施設の老朽化により、建て替えプロジェクトは段階的に進行中で、次の段階として「制作事務棟」や「公開棟」の建設が予定されています。しかし、資材費の高騰やBS波削減の影響を受けて、今後の計画には再評価とコスト削減が求められています。最終的な計画見直しは来年春をめどに発表される予定です。

 NHKは1日、東京・渋谷の放送センターの建て替え工事のうち、報道の拠点となる「情報棟」の建物が完成したと発表した。ニュースセンターやラジオセンター、国際放送スタジオなどが入る。建設費は当初予定した600億円から57億円増えた。NHKは「建築資材や人件費などの高騰が理由」と説明している。

 現在の放送センターは1965年から使われ、老朽化に伴い、同じ敷地内での建て替えを2期以上の工事に分けて進める。第1期工事は2020年秋に始まり、情報棟は21年5月に着工。その情報棟の建物が先月末に完成し、当初計画より1年遅れの26年の運用開始に向け、情報棟内で必要な放送設備などの工事を今後行う。情報棟は地上11階、地下1階建てで高さ約63メートル。延べ床面積は約7万7000平方メートル。657億円の建設費は建物費、設計・監理費、電源設備費を含むが、放送設備費は別にかかる。

 第2期以降の工事では、映像・音声スタジオなどが入る「制作事務棟」、公開スタジオなどが入る「公開棟」などを建設する。稲葉延雄会長は第2期以降について、BS波削減や資材費高騰などを踏まえた「抜本的見直し」を表明しており、6月の定例記者会見で「来年春ごろをめどに見直し案をまとめるべく検討している」と説明。第2期以降の建設費は1100億円(当初計画)を想定するが、NHKは資材費高騰などの影響をにらみながら、「計画の見直しを通じてコスト抑制に努める」としている。【平本絢子】

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