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元維新の足立康史氏 公明前職の応援演説で「維新はいらない」


足立康史氏は、日本維新の会を離れ、公明党や自民党の公認候補を応援している。維新と距離を置いた理由は、党が「おかしくなった」と感じたためだという。足立氏は、公明党の政策活動費を評価し、同党の候補者を支援している。彼は維新を経て4期衆院議員を務め、2022年には党代表選に挑戦したが敗北。今年6月にはSNSで不適切な投稿をしたとして党員資格停止処分を受け、近々の衆院選に無所属で立候補しようとしたが断念。維新からの引退を表明した。この背景には、足立氏の個人的な信条と政治スタンスの変化があるようだ。維新の関係者は、足立氏の行動に対して距離を置いている。

 日本維新の会所属の衆院議員だった足立康史氏(59)が27日投開票の衆院選で、自民党や公明党の公認候補の応援に駆け回っている。地盤を築いた大阪では4選挙区で維新と公明が「ガチンコ対決」を展開中。足立氏は古巣に反旗を翻し、何を訴えているのか。

 「ずっと(維新の)中枢メンバーだったが、ここへきて維新はおかしくなった」。25日、大阪市内であった公明前職の街頭演説でマイクを握った足立氏は、かつて所属した維新を厳しく批判した。その一方で「公明党は政策活動費を使っていない」などと述べ、公明前職への支持を呼び掛けた。

 足立氏によると、所属政党に関係なく、人柄や政策に共感する候補者を個人的に応援しているという。

 足立氏は2012年の衆院選で初当選、4期務めた。維新では政調会長も務め、22年の党代表選に立候補したが、馬場伸幸氏に敗れた。

 今年6月、SNS(ネット交流サービス)に不適切な投稿をしたなどとして、党から党員資格停止6カ月の処分を受けた。今回の衆院選にも大阪9区に無所属で立候補するつもりだったが、維新が対抗馬として新人を擁立したため出馬を取りやめ、政界引退を表明した。衆院選が公示された15日をもって維新の党籍もなくなった。

 足立氏は25日の演説で、馬場氏が維新を「第2自民党」と称した過去の発言を引いて「小さい自民で、人材はいないし、政策もない。日本維新の会はいらない」と述べ、聴衆の拍手を浴びた。

 24日には、大阪府内であった自民候補の街頭演説会場にも駆け付けた。来援した同党の石破茂総裁とともに登壇したが、この場では演説しなかった。

 こうした足立氏の行動について、公明前職と争う維新新人は「もう何も言わない。もう(党と)関係ない」とひと言。維新陣営の関係者も「(足立氏が)何をやっても関係ない」と距離を置いた。【中田敦子、長沼辰哉】

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