ノルウェーで王位継承順位4位のマッタ・ルイーセ王女(52)が8月31日、「前世は古代エジプトのファラオ(王)」と称する米国人シャーマン(呪術師、霊媒師)のデュレク・べレット氏(49)と結婚した。2人の関係に困惑する国民も多く、結婚の是非については「ノルウェーの国論を二分」(英BBC放送)しているという。
ベレット氏は「私は以前、4分25秒間ほど死んだことがあり、また生き返った」などと主張し、「命を救う」とされる高価なメダルを販売している。
王女も「私は天使と交信できる」と述べ、その方法を教える講演会などで収入を得ている。こうした2人のビジネスには「王室を商業利用している」との批判も根強く、王女は2022年に公務から離脱した。
AFP通信によると、ノルウェーの世論調査では国民の4割がこの1年で「王室への見方が否定的になった」と回答し、多くの人が2人の関係を理由に挙げたという。
結婚式はノルウェー西部の景勝地ガイランゲルで行われ、国王ハラルド5世のほか、動画配信大手「ネットフリックス」のクルーも参加した。
王女は国王の長女で、17年に離婚した作家の前夫との間に3人の娘がいる。【ロンドン篠田航一】