米国のブリンケン国務長官と英国のラミー外相は11日、訪問先のウクライナの首都キーウ(キエフ)で、同国のゼレンスキー大統領と会談した。ウクライナ側が求める長距離射程のミサイルの使用制限の解除について話し合った。ブリンケン氏は記者会見で使用制限解除について、バイデン大統領らと検討を続ける考えを示した。ラミー氏も「今後議論される」とした。
一方、ブリンケン氏は10日、イランがロシアに短距離弾道ミサイルを供与したと明らかにした。ブリンケン氏は「ロシアとイランの協力拡大は中東の不安定化や欧州の安全保障を脅かす」と懸念を表明。米英などは、イランに対する追加制裁も発表した。
米バイデン政権は5月にウクライナに対し、ウクライナ北東部ハリコフ周辺の反撃に限って、ロシア領内への攻撃を認めた。ただロシアを過度に刺激するのを防ぐため、射程約300キロとされる米国製地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」を使用してのロシア領内への攻撃は認めていなかった。【ワシントン松井聡】