千葉市消防局の救急車で搬送中だった10代女性にアドレナリン剤を誤投与した事故で、市は30日、女性側と賠償金約6410万円で和解に合意したと発表した。支払い済みの医療費の一部を除いた約5791万円を補正予算案に盛り込む。
事故は2021年10月、救急隊が女性のアナフィラキシー症状を緩和するために、投与すべきだったものとは異なるアドレナリン剤を投与したことで、女性が心肺停止に陥り、高次脳機能障害が残った。市によると、今後、症状の改善が見込めないとして女性側と示談交渉し、今年8月2日に合意したという。
市の第三者委員会は22年3月に、救急救命士の知識不足や指令センター常駐の医師が状況をよく理解していなかったことなどを原因とする報告書をまとめた。【柴田智弘】