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アイスが持ち帰れない…ドライアイス不足、なぜ? 実は10年前から


 連日の暑さでアイスが欲しくなる気候が続くが、ドライアイス不足で、持ち帰りのアイスが買えない事態が起こっている。7月下旬から大手のB―Rサーティワンアイスクリームがドライアイスの提供を制限し、SNS(ネット交流サービス)などに困惑の声があふれている。

 「持ち帰り用のアイスが買えず、仕方なくその場で食べた」

 福岡市の商業施設内にあるサーティワンを訪れた親子から、そんな声が聞かれた。サーティワンは7月24日以降、ドライアイスの提供を30分持ち運び分のみに制限し、店頭からなくなる場合もあると説明している。X(ツイッター)上には「ドライアイスが切れて持ち帰りを買えない」「30分でどうやって家まで持ち帰ればいいのか」といった投稿が続いた。

 サーティワンによると、ドライアイスを仕入れるメーカーから、原料不足や工場の不具合を理由に、50%の出荷制限を通達されたという。メーカーの不具合解消や、他社からの調達を急いでおり、サーティワンは「お客様にご迷惑をおかけして申し訳ない。8月中旬までにドライアイスの制限解除をしたい」と見通しを語る。

 どうして制限することになったのか。

 ドライアイスの原料は石油精製などをする化学工場の副産物である二酸化炭素だ。電気自動車の普及などでガソリン需要が減り、石油精製工場の閉鎖や縮小が相次ぎ、ドライアイスの生産も不安定になっているという。

 ドライアイスの販売会社でつくる業界団体は「ここ10年ほどドライアイスが不足している状況が続いている。どこかの会社で生産の不具合が起きても、他のメーカーは増産できない状況」(担当者)と話す。

 このような状況もあり、ドライアイスの価格上昇が続く。さらに、ネット通販の利用が増えたことで需要が拡大。過去にも食品宅配会社などでドライアイス不足が問題化するなど「毎年のようにどこかで問題が起きている」と指摘する。

 二酸化炭素削減に向けた社会の変化で、意外なところに影響が出ている。8月中旬に制限が解除されても、ドライアイスが原料不足となりやすい産業構造が変わることは難しい。今後も暮らしへの影響が続く可能性がある。【久野洋】

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