約300年の歴史を持つスペインの教会で、修復を終えた天使の像が「しくじった」(英紙ガーディアン)姿に生まれ変わり、物議を醸している。
話題になっているのは、スペイン北部ソリアのエルミタ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・デル・ミロン教会。スペイン紙エルパイスなどによると、1725年に建てられ、教会内には以前、繊細な表情の天使の像が飾られていたという。
だが最近、大規模な修復が終わると、天使は「太い眉」と「真っ赤な唇」という滑稽(こっけい)な姿になっていた。
業者が手抜き工事をしたとも報じられており、地元の文化遺産保護団体「ソリア・パトリモニオ」は7月、X(ツイッター)に「何てことをしてくれたんだ」と怒りの投稿をした。絵画・彫刻などの保存修復専門家で作る団体の会長も「これは修復ではなく、文化財に対する攻撃だ」と非難した。
相次ぐ批判を受け、教会を管轄する司教区は、教会を当面閉鎖すると発表した。【ロンドン篠田航一】