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北朝鮮大使は韓国外相を無視 ロシアとの協調印象づけたARF会合


 27日午後にラオスの首都ビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)閣僚会合では、東アジアの安全保障問題についてロシアと北朝鮮が共同歩調を取る構図が改めて浮き彫りになった。ARFは北朝鮮が唯一参加する地域内の多国間協議だが、両国は朝鮮半島情勢を巡り強い言葉で米国などを批判し、「新冷戦」構造を印象づけた。

 外交筋によると、会合でロシアのラブロフ外相は、米国がインド太平洋地域で展開している同盟国との軍事演習などについて強い言葉で非難。北朝鮮代表として出席した李永哲(リヨンチョル)駐ラオス大使も、これに同調して米国批判を展開した。

 北朝鮮は6月に東シナ海などで行われた日米韓の共同訓練「フリーダムエッジ」を「地域の緊張を高め、ロシアを圧迫し、中国を包囲しようという米国の戦略の一環だ」と批判してきた経緯がある。今回もASEAN各国や中露外相が顔をそろえた中で、中露との結束をアピールし、自らの弾道ミサイル発射実験などによる情勢緊張化の責任を日米韓などに押しつける狙いがあったとみられる。

 韓国政府関係者によると、こうした露朝による軍事演習批判に対し、韓国の趙兌烈(チョテヨル)外相は「不当な批判だ」と反論、演習が北朝鮮の核・ミサイル開発に対する抑止効果を狙ったものだと説明した。上川陽子外相も、北朝鮮に対して全ての大量破壊兵器や弾道ミサイルの完全廃棄に向けた行動と対話の再開を求めた。

 一方、「中朝露」として一体視されることには抵抗感を持つ中国は、露朝に直接的に同調する発言は避けた。しかし、アジアにおける米国の影響力を弱めるという目標について中国と露朝の利害は一致する。中国メディアによると王毅・共産党政治局員兼外相は会議で、北大西洋条約機構(NATO)のアジアとの連携強化について「緊張と対立を増大させる」と懸念を表明した。7月中旬の日韓などのNATO首脳会議参加を指すとみられる。

 2000年からARFに参加する北朝鮮は今回、崔善姫(チェソニ)外相を派遣しなかった。北朝鮮が外相を送ったのは18年が最後で、今回も米国批判以上の国際的な発信には意欲を失っているようにも見えた。

 27日、ARF閣僚会合に出席するため会場に姿を現した李大使を韓国メディアを含む報道陣が取り囲み、韓国語で質問をしたが、李氏は一切答えなかった。過去のARFでは報道陣向けの声明などを発表したことがあったのとは対照的だ。

 こうした姿勢には韓国を「第1の敵国」と位置づける最近の北朝鮮の新政策が影響している可能性もある。韓国政府関係者によると、26日夜の夕食会では、韓国の趙外相が「あいさつをしましょう」と李氏に話しかけたが、李氏は振り向きもせずに無視を貫き、趙氏が気まずそうに立ち尽くす場面もあった。【ビエンチャン福岡静哉】

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