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独裁色の表れ? 投票用紙が現職の顔だらけ ベネズエラ大統領選


 その男は、わずかに目を細め、爽やかな笑顔を向けている――。南米ベネズエラで28日に実施される大統領選では、投票用紙に各候補の顔写真が並ぶ。一目で分かるのは、独裁色を強め、3選を目指すマドゥロ大統領(61)の露出の多さだ。数えると「13人」もいる。なぜこのような投票用紙になっているのか。

 今回の大統領選には、10人が立候補した。選挙管理委員会が公表している投票用紙を見ると、このうちマドゥロ氏は最上段に「10人」、上から2番目の段に「2人」、その下に「1人」いる。全体の3割強のスペースを占めている。

 投票用紙をマドゥロ氏が埋め尽くしているのは、ベネズエラの選挙の規定と関係がある。規定では政党資格を有する政党が、大統領選で候補者を1人擁立できる。このため今回は38政党が擁立する候補者の顔写真をそれぞれ掲載した。

 マドゥロ氏は与党の統一社会党など計13政党から擁立されたことから顔写真が最も多くなった。ほかの候補も例外ではない。マドゥロ氏の最大のライバルと目される野党連合の統一候補で、元外交官のゴンサレス氏も「3人」いる。

 有権者は当日、タッチスクリーンに表示された投票用紙から投票先を選ぶ。ゴンサレス氏を支持する活動家のアラセリス・サンチェスさん(53)は、マドゥロ氏の顔ばかりの投票用紙について「私には関係ない」と強調。「間違えて(マドゥロ氏を)選んでしまうことも決してない」と述べた。【カラカス中村聡也】

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